幾つもの殺気が、周りを取り囲んでいる。
 それはいかにも鋭く、こちらの隙をうかがっているのが感じられる。
 一つ、二つ、三つ・・・・・・八つ、九つ。
 シンジは、敵の白い姿を数え上げた。
 九対一、割のいい勝負ではない。

――気を抜いちゃダメだ。
 身の危険を感じつつシンジは、息をこらす。
 相手の出方を待つか、自分から動くか。いまだ迷いつつも、シンジはジリジリと目の前の”やつ”との間合いを詰めた。
 こちらは素手だが、”やつ”には鋭い武器がある。一瞬でケリをつけなければ、確実にやられる。緊張で手のひらが汗ばむ。
 ”やつ”がこちらをジロリと睨んだ。無表情だ。だが、紛れもなく怒っているだろうと直感が告げる。
 視線が真っ正面からぶつかりあう。

「いまだっ!」

 意を決したシンジは、”やつ”めがけて飛びかかった。それはまるで、南蛮球技ラグビイのタックルのようであった。
 あと三寸ほどで手が届く。その瞬間、”やつ”の白い体が視界から消えた。

 どこだっ!

 敵を見失ったことで、混乱するシンジ。右か、左か。判断に迷った。
 その一瞬が、命取りだった。

「シンジ、上っ!」

 アスカの声に、反射的に上を見上げた。
 だが、すでに遅すぎた。
 シンジには、自分めがけて矢のように襲いかかる”やつ”の姿をただ見つめることしかなかった。

「コケ〜〜ッ!」
 ベシッ!
 ニワトリのケリが、シンジの顔面にきまった。

「や、やられた」
 無惨にも地面に倒れるシンジ。そして、そのシンジをニワトリは容赦なくつつく。
「うわー、助けてよ〜。なんでぼくがこんな目にあわなきゃいけないんだー」
 逃げ戸惑うシンジを、執拗に追いかけ回すニワトリ。
 いつの間にか、残りの八匹のニワトリも仲間に加わっている。
 コケコケコケーッ
 右へ左へと走り抜けるたびに、白い羽毛が飛び交う。

「ニワトリの九匹ぐらいで騒ぐんじゃないの。これで少しは私の苦労がわかったでしょ」
「苦労ってなんのことさ〜 イテッ」
「・・・さあ?そういえばなんだったかしら?」

 アスカは自分の言葉に首をひねった。
以前、自分がそんな目にあったことがあるような気がするが、それがいつなのか思い出すことが出来なかった。

「まっ、いっか」

 細かいことは気にしない性格である。

「うわー、髪むしられたー!!」

 頭を抱えて逃げまわっていたシンジが、足を取られてベチャっと転んだ。
間髪入れずに襲い掛かるニワトリたち。

「なっさけないわね〜」

 その騒ぎを眺めながら、アスカは、呆れ顔でつぶやいた。
 音流布は今日も五月晴れである。



第参話

  ”姫さま お願いします”



「こんな修行が、ほんとうに役にたつの〜」

 シンジが、息も絶え絶えに尋ねた。ほっぺたの引っかき傷が、痛々しい。
 襲いかかるニワトリの追撃をかわし、どうにか小屋の柵によじ登ったところである。
 その下では、獲物を逃したニワトリが、いまだ興奮した様子で、せわしく動き回っている。

「あら、そんなことも知らないの」

 アスカは、チッチッと人差し指を左右に振った。

「ニワトリを捕まえるっていうのは、敏捷性を養うのに最適な訓練方法なのよ」
「・・・素早く動けるようになれってこと?」
「そういうこと。いまさら筋力強化をしたって間に合わないし、下手をすれば身体に負担をかけるだけだわ。となると・・」
「となると、相手より早く動けるようになるしかない、というわけか」
「そういうこと。本当は精神鍛練で火渡りから始めたかったんだけど、まあちょっとやそっとであんたの根性なしが直るわけでもないしね。
もともとフットワークは悪くないから、長所を伸ばすのが勝利への近道よ」
「(やっぱり火の上を歩かせるつもりだったんだ、あーよかった・・・って今の状況もあまりよくはないか)
でもほかにもっといい訓練方法はないの?どうしてニワトリなのさ」

 シンジは不満そうな顔である。まあ、無理もない。
 ニワトリの恐怖、それは戦った者にしか分からない。

「概して鳥類の敏捷性は、他の生き物と比べても高いのよ。まあ、それはさっき鬼ごっこで、少しは分かったと思うけど」
 アスカの言葉に、シンジは無言でうなずく。
「その鳥類の動きについていけるようになればしめたものよ。ニワトリに比べたら、人間の動きなんて蝿がとまるようなものだわ」
「そんなもんかなぁ?どうもインチキくさいんだけど。いったい誰から聞いたやり方なの?」
「聞いたんじゃないわよ。昔、本で読んだの」

 ずるっ。シンジは思わず、柵から転げ落ちそうになり、慌ててしがみついた。
 アスカは、気にもとめずに話を続ける。

「盛りをすぎた冴えない剣術使いが、かませ犬として剣豪と戦わされることになるの。相手の腕は超一流、かたや自分はせいぜい二流の下だから、勝てるはずがないんだけど、それはそれは必死に特訓するの。その特訓のうちの一つにあったのよ」

 えっへん、とアスカは胸を張った。

「で、その剣術使いは勝てたんだよね?」
「さあ?忘れちゃった。・・・何よ、その顔は。大丈夫よ、信用しなさいって。わたしのいう通りにしていれば、ほかの奴らなんか敵じゃないわよ」
「それは心強いよ、あはははは」

 シンジが、力なく笑った。どっと疲れた様子である。

「ほかの奴らっていえば、うちの学校で一番強いのは誰なのよ?」
「うーんそうだなぁ・・剣術に限ってならば・・・」

 シンジは、しばし考えたのち、一人の少年の名前を口にした。

「何それ?どういうことよ?」

 意外な人物の名に、アスカは驚きの声をあげた。

「わからないわっ!本当なのそれっ!?」

「うん」

 シンジは、真面目な顔でうなずいた。

 

 ところかわって、神社の境内である。
 城下町のはずれ、丘の上にあるその神社は、普段あまり訪れる人もない。
 お城のニワトリ小屋での騒ぎなど、露知らぬように静まり返っている。
 ときおり、小鳥のさえずりだけが聞こえてくる。
 その一角、木立の中に一人の少年の姿があった。
 木刀を右手に握り締めたその少年は、先ほどから身動き一つしない。
 だが、物音一つ立てないその身体からは、はっきりとわかる殺気が立ち込めている。
 それに脅えてか、小鳥たちもこの近くには寄りつこうともしない。
 周りを取り囲む木々に、ひもで結ばれた木切れが7,8つぶら下がっており、あるかなしかの風にかすかに揺れていた。
 少年の呼吸は、一定の調子で乱れなく繰り返している。
 木刀が静かに持ち上げられた。
 切っ先がゆっくりと眼の高さになる。そして、流れるような動作で左手が添えられた。
 少年の眼がスーッと細くなった。

「はぁっっ!」

 溜められた気迫が、一気に放たれた。
 一瞬からだが沈んだかと思うと、すさまじい速さで木刀の一撃を繰り出した。。
 カンッという乾いた音とともに、目の前の木切れが激しくはじかれる。
 動きを止めぬまま切っ先を返すと、右側の木切れ2つを薙ぎ払う。
 そして、さらには左側を打つ。
 その間に、一番最初のやつが振り子の要領で舞い戻り、少年を襲う。
 だが、最初から動きを読んでいた少年は、当然のごとくそれを打ち返す。
 あとは、ただ少年の流れのままであった。
 その場の動きは少年に支配され、打たれては戻り、戻ってはまた打たれる。
 四方から次々に迫る木切れすべてを、完全に捉え切っている。
 14歳という年齢からすれば、見事なまでの技である。
 幼いころからの鍛練が、すっかり染み込んでいるのだ。
 端から見ると、少年の動きは風変わりな舞いのようでもあった。
 ただ、舞いというには、あまりに殺気が立ちすぎている。
 少年の心は、すでに稽古ではなく実戦に飛んでいるのかもしれない。
 もう、小鳥のさえずりはすっかり聞こえなくなっていた。

「これで最後だっ!」

 少年は木刀を大きく振り、木切れが飛んだ。
 最後の一撃のあと、少年はそのまま決めの格好をとった。

──ふっ、完璧だね。俺ってやっぱ剣術の天才だね。伊達に長年稽古してきたわけじゃないからな。
 これなら大会での優勝は間違いなし。目立ちまくって、女の子の”はぁと”はこの俺が一人占めっ!
 男だったら夢見ずにはいられない状況だね。えっへっへ、これでやっと俺もイヤーンな感じに・・・

 健全(?)な妄想にふける少年であった。
 その後頭部めがけて、最後に打った木切れが反動で舞い戻ってきた。

 ゴンッ

 鈍い音が木立に響き渡たり、少年の眼鏡が飛んだ。
 少年は崩れるようにゆっくりと地面に倒れた。

「うっ・・・これまたイヤーンな感じ・・・」

 お約束の台詞を最後に、ケンスケは野望を胸に秘めたまま意識を失った。
 それでもなお、ケンスケは木刀をしっかと握り締めたままであった。立派なものである。
 また神社の境内は静かになった。
 どこからか、小鳥のさえずりだけが聞こえてくる。

 

「ほんっとーーに、あのケンスケが一番強いの?」

 アスカは、思いっきり疑いの口調でいった。

「だって、考えてもごらんよ、ケンスケはあの相田道場の跡取り息子なんだよ。アスカだって知ってるだろう、ケンスケのお父さんのことは」
「そりゃ、まあね・・・たしかに相田シュウサクは、うちの国でも一、二の剣豪だけどねぇ。でも、その息子だからって強いとは限らないわよ。あんただって、コウゾウに似てなくて頼りないじゃない」
「うっ・・・ぼくのことはいいの。ああ見えても、ケンスケは小さいころからお父さんに剣術を習ってたんだ。剣術の授業ではまるで遊び半分でやってるみたいだけど、それでもみんな軽くあしらわれてる」

 シンジはここで一旦言葉を切った。

「今まで本気を出したところを見たことないけど、たぶん強いよ。それもすごくね」
「ふーん、人は見かけによらないってことね」

 アスカはまだ首をかしげている。

「てっきり単なる刀マニアで、女の子の絵を描くのだけが取り柄だと思ってたわ」
「女の子の絵って、アスカ知ってたの!?あっいや、何のことかなぁ、ぼく知らないっとアハハハハハ」

 思わず口走り、慌てるシンジである。

「なーに笑ってごまかそうとしてんのよ」

 アスカがジロッとにらみつける。

「あたしをはじめとする学校内の美少女の絵を、あんたたち3バカが男子共に売りさばいていることぐらい、ちゃーんとわかってんのよ」
「・・・ばれてた?」
「ばれてたわよっ!音流布の情報収集能力をなめんじゃないわよ」

 おおいばりで、アスカは胸をはった。

「ごめんよ、アスカ」
「あやまんなくてもいいわよ。シンジのことだから、「友達じゃないか〜」とか言われて整理券配りでもやらされてたんでしょ」
「うっっ」

 図星である。

「推理するに首謀者はトウジね。商売は上手そうだし、最近購買で買ってくるお弁当が豪勢なのも怪しいわ。ケンスケが描いて、トウジが売る、シンジは雑用と。こんなとこね」
「・・・・・・」

 友をかばうため、黙秘のシンジである。
 もっとも、その態度自体が白状しているも同然だったが。

「まあ、そんな小さなことでいちいち騒ぐ気はないから、安心しなさいよ。ところで」

 コホンとアスカは小さく咳払いをする。

「いろんな子の絵があるみたいだけど、一番売れ行きがいいのは誰なのかしら?べ、別に興味はないけど、参考までにね」

 よーくみると、アスカの頬がほんの少し赤い。
 もっとも、相変わらずのシンジはそれに気づきもしない。

「うーんそうだなぁ、は組の霧島さんとか、生徒じゃないけどミサト先生とか。数は少ないけどうちのクラスの洞木さんにも根強いファンがいるよ」
「ヒカリもなかなかやるわね・・・でシンジ、誰か重要な人を一人忘れてない、ねぇねぇ」
「売り上げの一位だったよね、それなんだけど、どういうわけかアスカなんだ」
「どういうわけってなによ、このわたしが一番じゃなくて他の誰がなるっていうのよ。そっかー、やっぱわたしか。まあ当然といえば当然よね、美少女のなかの美少女なんだから。美しさって罪なのよねぇ、シンジもそう思うでしょ」
「まあ、絵に性格は出てないからね・・・」

 シンジがボソッとつぶやいた。

「んっ、なんか言った」
「いや、なんにも」

 シンジはさりげなく視線をそらした。

「アスカはケンスケの絵を見たことがあるの?」
「ないわよ。噂にはけっこう上手だって聞いてるけど」

――よかった。

 シンジはほっと胸をなで下ろした。
 確かにケンスケの絵は、けっこう上手い。モデルにした女の子の魅力を十二分に描いている。
 ただ問題なのは、実際よりほんの少しだが露出度が高すぎることだ。そのおかげで売れ行きは好調なのだが。
 女の子には、けっして見つからないよう注意しているが、もしばれたら・・・

――もしアスカにばれたら、確実に殺されるな

 困った友達を持ってしまった、と思うシンジであった。

「シンジはわたしの絵を持ってるの?」

 アスカはすっかりご機嫌である。人から注目されるのが根っから好きなのだ。
 なんといってもお姫さまなわけだし。

「いや、持ってないよ!」

 力強く否定するシンジである。
 絵の内容から出た反応だが、アスカは別の意味に取った。

「・・・そう、よかった、あんたになんか持ってて欲しくないもの。フーンだ」

 アスカの顔に、チラッと寂しそうな表情が浮かんだように見えた。
 そして、次の瞬間には、いつものアスカに戻る。

「さあ、無駄話はこれで終わり。特訓の続きをやるわよ」
「えー、まだやるの」

 シンジは不満気である。

「何度も言うようだけど時間がないの。シンジだってケンスケなんかに負けたくないでしょ」
「ぼくは別に勝てなくたってかまわないんだけど・・・」

 シンジの煮え切らない態度に、アスカはカッとなった。

「なによその態度は。いいかげん情けないこといってると、しまいには怒るわよ」
「もう怒ってるって」
「うるさいっ!どうするの、やるのやらないの。やる気がないなら帰りなさいよ。臆病者に用はないわ」

 フンッ

 アスカはふくれた。

――シンジのためにやってあげてるんじゃない。
 たしかにつらい特訓だと思うけど、シンジに強くなって欲しいから、心を鬼にしてるのよ。
 そんな人の気も知らないで、なによ!

 こうなると弱いのはシンジである。
 昔っから泣く子とアスカには勝てないのだ。

「わかった、やるよ。やればいいんだろう」
「嫌々やったって、上達しないわ。そんなんなら昼寝でもしてたほうがマシよ」
「うっ」

 いよいよかとシンジは腹をくくった。

「嫌じゃないよ、やりたいんだ特訓を。でも、一人じゃ無理だからアスカに手伝って欲しいんだ。
アスカが必要なんだよ」

――やったー、シンジがわたしを”必要”ですって。

 シンジの告白(?)に、舞い上がるアスカであった。

――でも、ここで甘い顔をしたら付け上がるわよね。少しじらさなくっちゃ

 アスカは沸き上がる喜びを押え込んだ。 

「そうなの、そこまで頼まれたらしょうがないわ。いいわよ、手伝ってあげる。
ただ、お願いしますの一言ぐらい言って欲しいわね」
「それじゃぁ、アスカ・・・お願いします」
「いいわよ、お願いされてあげる」

 アスカはニコッと微笑んだ。
 思わず微笑み返すシンジ

「それじゃあ・・・」

 アスカはシンジの脇の下に、手を差し入れると

「とっとと死んできなさい」

 コチョコチョコチョ
 シンジを思い切りくすぐりあげた。

「うわっ、アスカ止めてよ。ワハハ、くすぐったいよ!」

 シンジがはっと気づいたときには、柵から手が離れていた。

「そんなぁ」

 ジタバタジタバタ

 シンジは空中で必死に足踏みしたが、無駄な努力であった。
 教訓:万有引力の法則には勝てない
 あっけなくニワトリ小屋に転がり落ちるシンジであった。

 コッケーッ

 落ちた先で待ち構えていたニワトリと、再びにらみ合うシンジ。
 彼らの間に緊張が走った。
 ジワリと間合いを詰めるシンジ。
 ゴクっと息をのんだ。

「うわー、やっぱり止めとくんだったー」
「シンジー、がんばれー」

 九匹のニワトリに追い回されるシンジの叫び声と、アスカの声援が青空に響き渡った。
 特訓の成果が出るのは、もう少し先のようである。

 そんな二人を、お城の窓から見下ろす者がいた。
 その人物は、誰に言うともなく、こうつぶやいた。

「シナリオ通りだな」

つづく

 

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あとがき

 ようやく書きあがった第三話です。
意外なライバルの出現、血沸き肉踊る特訓。
さらには、お城の中の謎の人物の正体は?
まあ、丸分かりですが。
結局、まるで話しは進んでいません。困ったもんだ

「あのー、こんにちわ」

「やあ、いらっしゃいシンジ君。今回は大変だったね」

「つつかれるやらひっかかれるやらで、もうボロボロです。この生活が大会まで続くのかと思うと・・・
なんでぼくばっかりこんな目にあわなきゃいけないんだろう」

「まあまあ、ぼやかない。でも、どうしても嫌ならやめちゃってもいいんじゃない?
もともとが思いつきの特訓なんだし」

「いいえ、アスカが一生懸命やってくれているんです。その気持ち応える為にもがんばらなくっちゃ。
逃げちゃダメなんです」

「偉いっ!よくぞ言った。その意気込みがあるんなら、次回はもっとハードな特訓でも大丈夫だね」

「いや、それは・・・」

「ワハハ、冗談冗談(なんちゃって、本当はもう考えてあるもんね)。さてと、話は変わるんだけど
音流布藩における学校について教えてよ」

「学校ですか。そうですね、現在の学校という制度になって十数年ほどです。
小学校と中学が義務教育で、それ以降は仕事についたり上級の学校に行ったりします。
ほとんど現実世界の学校と同じと考えてください」

「なるほど、そりゃ話を書く立場としてはありがたい。で、その制度は他の藩でも同じなの?」

「うーん、詳しくは知らないけど、学校はあるみたいです。
ただ、音流布の学校は、よそと比べるとかなり充実しているらしいです。
これからは武力や石高だけでなく、人材を育て上げることが重要であるというのが殿の考えだそうですから。
教師として長崎から蘭学者を招いたりもしています。ミサト先生も、ああみえても長崎の一流学校出身なんですよ」

「なるほど、ゲンドウの守は進歩的な考え方なんだ」

「他の藩と比べて、進んでいるとこが多いのは確かですね。
あっ、そうだ。あぶなく忘れるところだったけど、アスカから伝言があります」

「げっ、アスカ姫から?なんて」

「えっーと、
こらぁ、またもやあたしが目立ってないじゃないの。
主役はシンジのバカじゃなくて、わたしなのよ。
次回はちゃんとしなさいよ、さもないと覚悟してもらうわよ。
・・・だそうです。ひどいや、人のことバカなんて」

「なら、そのまま正直に読まなきゃいいのに。
えーっと、その件なんだけど第四話では前向きに善処しますって伝えておいて」

「なんか、政治家か役人みたいなことを言いますね」

「まあね、文化会館の館長なんてこんなもんさ。
それじゃあ、今日はどうもありがとう。次回もがんばってね」

「あんまりひどい目にあわせないでくださいよ」

「わかってるって、このわたしを信用しなさい」

「あんまり信用したくないなぁ・・・」

 ぶつぶつ言いながら、シンジ退場

「では、第四話にご期待を。ご感想などメールいただけると幸せです。では」

 


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