『僕らのミライへ逆回転』(2008) BE KIND REWIND 101分 アメリカ FOCUS FEATURES INTERNATIONAL
監督:ミシェル・ゴンドリー 製作:ジョルジュ・ベルマン 製作総指揮:トビー・エメリッヒ、ガイ・ストーデル 脚本:ミシェル・ゴンドリー 撮影:エレン・クラス プロダクションデザイン:ダン・リー 衣装デザイン:ラエル・エイフィリー、キシュー・チャンド 編集:ジェフ・ブキャナン 音楽:ジャン=ミシェル・ベルナール 音楽監修:リンダ・コーエン
出演:ジャック・ブラック、モス・デフ、ダニー・グローヴァー、ミア・ファロー、メロニー・ディアス、シガーニー・ウィーヴァー、アージェイ・スミス、マーカス・カール・フランクリン、キシュー・チャンド、P・J・バーン、チャンドラー・パーカー、クィントン・アーロン
まじめな青年マイク(モス・デフ)が働くニュージャージー州のパセーイクという小さな町のおんぼろレンタルビデオ店"ビー・カインド・リワインド"。時代に取り残された同店にも再開発の波が押し寄せ、いよいよ取り壊しの危機に。
そんなある日、店を空けるフレッチャー店長(ダニー・グローヴァー)に留守を任されたマイクだったが、友人のトラブルメイカー、ジェリー(ジャック・ブラック)が発電所破壊テロをやろうとして感電しどういう理屈か身体に磁力を浴びてしまう。その手で店内のビデオテープをベタベタと触りまくったせいで、商品のVHSビデオが全てダメになってしまう。
あわてた2人は、ビデオカメラ片手にダンボールや廃材を使って客が借りたがっている『ゴーストバスターズ』や『ラッシュアワー2』をリメイクし急場をしのぐ。オリジナルとは似ても似つかないチープな手作りビデオだったが、いつしかそれが評判を呼び、2人は『ロボコップ』や『2001年宇宙の旅』、『ドライビング Miss デイジー』、『キャリー』、『キング・コング』といったハリウッドの名作、ヒット作を次々と勝手にリメイクし始めた。ちなみに『キャリー』でぶっかけられるのはブタの血ではなくてトマトケチャップ。女優が「トマトジュースだって言ったじゃないの」と怒っている。
売り上げは伸び、建物を改築する費用も稼ぎ出すことが夢ではなくなってきた。これでもう立ち退かなくて良いのだ。
しかしそんな虫の良い商売を見逃すハリウッドではなかった。海賊版取締官(シガーニー・ウィーヴァー)がやってきて1作品辺り25万ドルの損害賠償計31億5000万ドルと懲役6万3000年を要求され、ビデオは全てローラー車で粉砕されてしまった。
一度は全てを諦めてしまった彼らだが、店のある建物で生まれたとされる伝説のジャズ・エンタテイナーのファッツ・ウォーラーの伝記映画を作り、そこで寄付を集めようと考える。彼らは町の住人を巻き込んで伝記映画を撮り始める。
人気作、名作を勝手にリメイクしてしまう様子が面白い。これが本当にチープで予算数千円、制作期間数時間で、ほとんど廃物利用の小道具・大道具を使って裏の空き地などで撮影している。オレも学生時代にシネマ研究会で自主映画作りをしたものだが、あの時の楽しさを思い出してしまった。
ただその程度の手作りの駄作でしかも20分ほどの作品を(あの作品内容で120分あったら逆に困ると思うが)客が面白がって人気になり店の前に行列が出来るまでになるというのがちょっと理解出来なかった。
手作りの作品でも本当に出来が良いか、あるいは本当にバカバカしいかのどちらかでないとこの展開は無理だと思うのだが、2人の作った作品はバカバカしいが人気を呼ぶほどでもないと思うのだが。でもそれを気にしなければお客が2人のリメイク作品を求めてどしどし来店してくるというのは面白かった。
だが手作りリメイクといっても要は海賊版。これで商売しちゃハリウッドが黙っていないのは当然だろう。だというのにシガーニー・ウィーヴァーがちょっと申し訳なさそうにしているのが気になった。もっと堂々と強制執行すればいいのに。31億5000万ドルや懲役6万3000年はどうなったんだろう。ビデオの廃棄処分でおとがめなしになったのかな。
伝記映画を製作するのに町の人間が大勢関わってきて協力してくれるというのも嬉しい展開だった。手作り映画をみんなの手で作るという観客であり作り手でもある存在に彼らはなったのだ。
伝記映画を上映するのに、ライバル大型レンタルDVD店の主人がプロジェクターを持ってきてくれたところはちょっと感動したし、映画の終わりに外に出てみると、窓に白い布をスクリーンとして張ったので映画が外から丸見えで警官や町の人たちが大勢集まってその映画を観ていたところにはさらに感動してしまった。
でも建物の改築に必要な金額の6万ドルにはとうてい寄付金は届かないし、店長も店を取り壊して公営住宅に移り住むことを決めている。建物が取り壊されることはまず間違いない。それでも、その映画を観た人の心にはその建物の記憶が残る。余韻のある終わり方である。
ジャック・ブラックが磁石人間になるというのでバカ映画かと思ったら単にそれだけではない。映画への愛がたっぷりつまった良作である。
ミア・ファローやシガーニー・ウィーヴァーが出ているのには驚いてしまった。シガーニー・ウィーヴァーの出番は短いが。
原題でもあり店の店名でもある『BE KIND REWIND』は「返却時には巻き戻して下さい」といった意味。店内に注意書きで書かれている分にはかまわないが、それを店名にしてしまうというのはどうだろうか。たしかにレンタルビデオ屋にとっては重要なことであるのだが。DVDの時代になって観終わってからの巻き戻しがなくなって久しいが、学生時代にレンタルビデオ屋でバイトをしていた時は、絶対に巻き戻しをしない客がいて往生したものだ。
それに対して『僕らのミライへ逆回転』という邦題はどうだろうか。タイムトラベル物のようで作品の内容に合っていないと思うのだが。それにどちらかというと伝記映画の製作で過去に逆回転するし。
『BATS 蝙蝠地獄』
『パラサイト・バイティング 食人草』
『バーン・アフター・リーディング』
『F.R.A.T./戦慄の武装警察』
『ピッチブラック』
『ブレイキング・ニュース』
『パーマーの危機脱出』
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
『ハリー・ポッターと賢者の石』
『ペナルティ・パパ』
『ファイナル・カウントダウン』
『ハワード・ザ・ダック 暗黒魔王の陰謀』
『バッド・バイオロジー 狂った性器ども』
『フランケンフッカー』
『ブレインダメージ』
『パーフェクト・ストレンジャー』
『フェノミナ』
『ブライアン・シンガーのトリック・オア・トリート』
『フライトナイト』
『暴走機関車』
『ファンハウス/惨劇の館』
『フィースト3/最終決戦』
『フィースト2/怪物復活』
『ブルース・オールマイティ』
『フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白』
『墓石と決闘』
『ハートブルー』
『バスケットケース3』
『バスケットケース2』
『パッセンジャーズ』
『バスケットケース』
『バビロン A.D.』
『パニッシャー:ウォー・ゾーン』
『バンコック・デンジャラス』
『ブラッディ・バレンタイン 3D』
『バルジ大作戦』
『バラキ』
『ホワイト・バッファロー』
『必殺マグナム』

























