『96時間』(2008) TAKEN 93分 フランス 20th CENTURY FOX、EURO CORP
監督:ピエール・モレル 製作:リュック・ベッソン 製作総指揮:ディディエ・オアロ 脚本:リュック・ベッソン、ロバート・マーク・ケイメン 撮影:ミシェル・アブラモヴィッチ プロダクションデザイン:ユーグ・ティサンディエ 衣装デザイン:オリヴィエ・ベリオ 編集:フレデリック・トラヴァル 音楽:ナサニエル・メカリー
出演:リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、リーランド・オーサー、ジョン・グライス、デヴィッド・ウォーショフスキー、ケイティ・キャシディ、ホリー・ヴァランス、ファムケ・ヤンセン、ザンダー・バークレイ、オリヴィエ・ラブルダン、ジェラール・ワトキンス、ニコラス・ジロー、カミーユ・ジャピ、ゴラン・コスティッチ
アメリカ政府の秘密工作員として家庭を顧みずに幾多のミッションをこなしてきたブライアン・ミルズ(リーアム・ニーソン)。現在は一線を退き、ボディガードのバイトなどで小銭を稼ぎながらカリフォルニアで孤独な日々を過ごしていた。
そんなある日、別れた妻レノーア(ファムケ・ヤンセン)と一緒に彼女の再婚相手である資産家のもとで暮らすひとり娘キム(マギー・グレイス)の17歳の誕生パーティーが開かれ、ブライアンもお祝いに訪れる。やがて、親友アマンダと海外旅行へ行きたいというキムに押し切られ、不安ながらもパリ行きを承諾するブライアン。
しかし、現地のキムから電話が掛かってきた時、不安が現実のものとなる。彼女たちの滞在するアパルトマンに突然謎の一味が乱入し、アマンダが拉致されたのだ。さらには、その一部始終を伝えていたキムも一味に連れ去られてしまう事態に。
ブライアンはかつての自分を甦らせ、キムの奪還と犯人への復讐を決意。事件発生から96時間を過ぎると被害者の救出が不可能という事例データを念頭に単身パリへ飛び、長年培ったスキルを活用しながら捜索を開始する。そして、キムたちをさらったアルバニア系の人身売買組織の中枢へ怒濤のごとく踏み込んでいく。
全米で大ヒットした作品。日本ではそれほどでもなかったが。
娘から電話がかかってきて、アパルトマンに男たちが侵入してきた。友人が連れ去られようとしているとの連絡を受けた時に、冷静に「ベッドの下に隠れろ。お前も捕まる。その時にそいつらの人相、格好を出来るだけ詳しく教えてくれ」と指示するブライアンはその瞬間にプロに切り替わっている。元エージェントならではの納得出来る対応だ。
そして自らもパリに飛んで、娘が残したわずかな情報から犯人の正体を割り出す。アルバニア系犯罪組織による人身売買だと推測したブライアンは躊躇せずに敵陣に乗り込む。そして冷静な分析力と非情なまでの戦いで娘に一歩一歩近づいていく。個人的な怒りで行動するブライアンは変に正義漢ぶったキャラクターより好感を持てる。
内容はリック・ベッソンらしくストレートで分かりやすい。どんでん返しも複雑な人間関係もない。お父さんが命がけで娘を助けるだけの映画。無駄道に逸れることはなく一直線にラストまで駆け抜ける。ほとんど暴走である。ストーリーで魅せる映画ではなくアクションで魅せる映画だ。親バカで優しくて心配性なお父さんが娘を誘拐されてからの非情な元諜報部員への変貌ぶりが見所である。とにかく悪い奴らには容赦しない暴れっぷりが痛快である。
ユーロ圏内では年間10万人以上が人身売買のために誘拐されているとか。麻薬漬けにされて闇へと消えていく女性たち。裏の世界を知り尽くしているブライアンにしてみれば、可愛い娘がそんな危険なところに遊びに行くといった時、危険を感じたのだろう。スティーヴン・セガールの映画でも同じような内容の作品があったな。『ICHIGEKI 一撃』がそうか。ちょっとブライアンとキャラ被ってる。
銃撃戦の他に肉体による格闘戦が主に使われる。空手などの打撃系ではなくてスティーヴン・セガールのような関節を決める合気道系だ。リーアム・ニーソンに格闘技の経験はないだろうから、映像的にごまかしのきく関節技系にしたというのもあるだろうが、リアルでいい。相手の手首や首をグキグキ折りまくる。
銃撃戦もリアルで大体の見当を決めて撃ちまくる方式だ。クライマックスの銃撃戦は燃える。
娘の携帯で「幸運を祈る」と言った男を見つけ出した時に「俺を忘れたか?2日前、電話で話した。お前を見つけた」というシーンのイカすこと。
娘が心配でしょうがないブライアンは拷問だって躊躇せずにやる。散々拷問した末に殺す。お父さんは怒ってますよこれは。娘のためなら何だってやるのが父親か。
今は内勤になってしまったフランス諜報部のジャン=クロード(オリヴィエ・ラブルダン)という旧友がいるが、ジャン=クロードは娘の救出に協力せず、ブライアンをアメリカに強制送還しようとする。そのジャン=クロードの家に乗り込んでいって、その奥さんを致命傷にならないように拳銃で腕を撃ってジャン=クロードに協力させるよう脅かすシーンには驚いた。容赦はしないといっていたけど、本当に容赦なし。
展開は本当にスピーディーでここはワンテンポ置くよなというところにそれがない。ブライアンは走り、戦い、猪突猛進に移動し続ける。立ち止まって考えずに動きながら考える。常に先を読み、相手の上を行く。さすが元凄腕諜報部員。
ラスボスがキムに刃物を突きつけて、「交渉を・・・・・・」と言ってきたところを有無を言わさずバーンと撃ち殺してしまうシーンはかなり格好良かった。しかし、トータルで何人殺しているのかね。よく無事にアメリカに返してもらえた。人身売買をやっている人間など最低の人間だから罪に問われなかったって事かね。そこら辺で、ジャン=クロードが上手く立ち回ってくれたのかも知れない。
キムの友達がどうやら死んでいたらしいのは後味が悪い。彼女も助けてあげる脚本にできなかったのだろうか。彼女の両親も心配していただろうに。
銃撃戦あり、肉弾戦あり、カー・アクションあり、スタントありとリック・ベッソンらしい脚本。ブライアンの無茶さは一見の価値あり。リーアム・ニーソンというアクション物には向かないと思われるシリアスな役者を主役に据えたのも物語にリアリティを与える面で成功である。
邦題の『96時間』は原題の『TAKEN(連れ去られた)』とはまったく関係ない。96時間以内に救出しなければならないというタイムリミットはあまりこの映画には登場しないのでご注意を。
ツッコミどころは多い映画だが面白い。ラストにはちょっとしたオチがあって結構笑える。
監督は『アルティメット』のピエール・モレル。監督よりは撮影監督で活躍している人である。
リーアム・ニーソンは2009年にスキー中の事故で妻のナターシャ・リチャードソンを亡くしているが、気を落とさずにと言っても無理だろうが頑張って欲しいものである。
『コントロール』
『恐竜100万年』
『ガリバーの大冒険』
『原子怪獣現わる』
『グッド・バッド・ウィアード』
『カーズ』
『がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズン』
『がんばれ!ベアーズ大旋風 -日本遠征-』
『がんばれ!ベアーズ特訓中』
『がんばれ!ベアーズ』
『クライング・ゲーム』
『クン・パオ!燃えよ鉄拳』
『紀元1年が、こんなんだったら!?』
『決断の3時10分』
『ゴースト/ニューヨークの幻』
『荒野の七人』
『軍用列車』
























『ゴーストタウンの決斗』(1958) THE LAW AND JAKE WADE 87分 アメリカ

『カブキマン』(1990) SERGEANT KABUKIMAN N.Y.P.D. 105分 アメリカ/日本















『キャリー』(2002) CARRIE 135分 アメリカ

『クイックシルバー』(1997) QUICKSILVER HIGHWAY 90分 アメリカ





