『サマーウォーズ』(2009) 114分 日本 WARNER BROS. PICTURES
監督:細田守 アニメーション制作:マッドハウス 脚本:奥寺佐渡子 キャラクターデザイン:貞本義行 OZキャラクターデザイン:岡崎能士、岡崎みな、浜田勝 アクション作画監督:西田達三 作画監督:青山浩行、藤田しげる、濱田邦彦、尾崎和孝 CGディレクター:堀部亮 撮影:増元由紀大 美術監督:武重洋二 OZ美術デザイン:上條安里 色彩設計:鎌田千賀子 編集:西山茂 音楽:松本晃彦 音響効果:今野康之 録音:小原吉男
声の出演:神木隆之介、桜庭ななみ、谷村美月、斎藤歩、横川貴大、信澤三恵子、谷川清美、桐本琢也、佐々木睦、玉川紗己子、永井一郎、山像かおり、小林隆、田村たがめ、清水優、中村正、田中要次、金沢映子、中村橋弥、高久ちぐさ、板倉光隆、仲里依紗、安達直人、諸星すみれ、今井悠貴、太田力斗、皆川陽菜乃、富司純子
仮想都市OZ(オズ)が人々の日常生活に深く浸透している近未来。
小磯健二は天才的な数学の能力を持ちながらも内気で人付き合いが苦手な高校2年生。彼は憧れの先輩、夏希から夏休みのアルバイトを頼まれ、彼女の田舎、長野県の上田市を訪れる。そこに待っていたのは、夏希の親戚家族"陣内(じんのうち)家"の個性溢れる面々。
この日は、夏希の曾祖母で一族を束ねる肝っ玉おばあちゃん、栄の90歳の誕生日を祝う集会が盛大に行われていた。その席で健二は夏希のフィアンセのフリをする、というバイトの中身を知ることに。
そんな大役に困惑し振り回される傍ら、その夜健二は謎の数字が書かれたケータイ・メールを受信する。理系魂を刺激され、その解読に夢中になる健二だったが、それはOZのシステムを管理している暗号だった。そしてOZの暴走が始まり、それは現実世界に影響を与え始めた。電子機器関連が暴走して多くの行政機関・交通機関が狂い社会は混乱したのだ。
世界的な事件を片田舎の大家族が解決するというストーリーが素晴らしい。
家族の大切さ、絆を思い知らせてくれる作品だ。中には自分勝手な人間や馬鹿もいるが、最後には一致団結して危機を乗り越える。
ハッカーツール"ラブ・マシーン"に乗っ取られてしまった数億のアバターを取り戻す手段が、ラブ・マシーンと夏希との花札対決というのも面白い。家族全員が自分のアバターを掛け金にし、携帯やゲーム機などのOZ端末を持って夏希の後ろに群がる構図がいい。賭けるアバターの数が足りなくなってしまってこのままでは負けという時に、世界中の人々が自分のアバターを提供してくれるシーンは感動的だ。ここでは家族だけではなく世界中の人々との繋がりが描かれる。
大学納入用のスーパーコンピュータを持ち込む電器屋のオヤジ、電源と冷却用の氷のために漁船を旧家の池に持ち込むオヤジ、自衛隊から通信機器を持ってくるオヤジ。オヤジ大活躍である。
序盤は旧家での青春物かと思ったら中盤からサイバーテロ映画へと様変わりする。そのタイミングが絶妙であるし、歴史ある旧家との対比が面白い。
栄ばあさんが味のあるキャラで、緊急時に各界の有力者に連絡を取って叱咤激励したり、なぎなたを振り回したりの大活躍。途中で死んでしまうのが残念だが、残した遺書がまた泣けてくる。その遺言に従ってみんなでおにぎりなどをぱくつくところがいい。
ラスト、陣内家に落下してくる人工衛星の軌道を変えるため、必死になってOZの暗号を解く健二。『マーキュリー・ライジング』でもあるまいし数千桁の暗号を筆算やましてや暗算で解けるものかと思うが、これはご都合主義で良いだろう。この活躍で健二の想いが夏希に伝わり、二人は両思いに。それを無責任にはやし立てる家族の連中というのが面白く魅力的である。
夏希がヒロインという立場なのに花札のシーン以外ではあまり活躍しなかったのが残念である。オヤジたちに負けてるんだもの。
数学を解くことでヒーローになる少年という設定も珍しい。健二は肉体は貧弱な坊やだが、数学オリンピックの日本代表になり損ねたぐらい数学は得意なのだ。
サマーウォーズというからには夏の話である。栄ばあちゃんの誕生日が8月1日だから7月末の出来事ということになる。『時をかける少女』と同じく美術が良く出来ていて、旧家の作りや真夏の光景が上手く表現されている。
サイバーテロ映画、しかも明確な悪人がいなくて勝手に暴れ回るハッキングツールが悪役だし、アバターの概念など分かりにくく感じる人もいるだろう。ネットコミュニティ慣れ、SF慣れしていないとちょっとつらいかもしれない。
世界中で起きている混乱をあまり大きく捉えず問題解決に奔走する各機関の描写はせずに、あくまでも田舎の大家族の物語にしてしまったところが成功の秘訣だろう。
声に関しては『時をかける少女』よりもだいぶと改善され、自然に聞くことが出来た。中でも栄ばあちゃん役の富司純子の存在感は大きかった。
舞台となっている長野県上田市の人にはより面白いんだろうな。緑の大地に青い空、白い入道雲。夜明けに夕焼け、そして朝顔。
大家族がおばあちゃん90歳の誕生日で集まってきてにぎやかに騒ぐという日常の中のハレの日を描く前半部分のボリュームがもうちょっと欲しかった。
『その後の仁義なき戦い』
『新仁義なき戦い 組長最後の日』
『新仁義なき戦い 組長の首』
『新仁義なき戦い』
『仁義なき戦い 完結篇』
『仁義なき戦い 頂上作戦』
『仁義なき戦い 代理戦争』
『仁義なき戦い 広島死闘篇』
『仁義なき戦い』



