『若き勇者たち』(1984) RED DAWN 114分 アメリカ UNITED ARTISTS
監督:ジョン・ミリアス 製作:バズ・フェイトシャンズ、バリー・バッカーマン、フレディ・フィールズ 製作総指揮:シドニー・ベッカーマン 原案:ケヴィン・レイノルズ 脚本:ケヴィン・レイノルズ、ジョン・ミリアス 撮影:リック・ウェイト 音楽:ベイジル・ポールドゥリス
出演:パトリック・スウェイジ、C・トーマス・ハウエル、リー・トンプソン、チャーリー・シーン、ジェニファー・グレイ、パワーズ・ブース、ベン・ジョンソン、ハリー・ディーン・スタントン
授業中のコロラド州のとある高校。ふと窓の外を見るとパラシュート兵たちが落下してくる。
「あんたたち、落ちる場所を間違えたんじゃないか」と告げにいった教師がいきなり銃殺され校舎にも銃撃が加えられる。パラシュート兵たちはキューバなどのソ連側の兵士。こうして第三次世界大戦は唐突に始まったのだ。
互いの絶滅を防ぐためにソ連は核兵器を限定的にしか使用せず、アメリカのミサイル網を抑えてしまった。主人公の少年たちは銃と食料を持って山に隠れた。そして反抗的な大人たちが再教育センターという名目の捕虜収容所に入れられていることを知る。ジェッド(パトリック・スウェイジ)とマット(チャーリー・シーン)兄弟の父もそこに入れられていた。少年たちは武器を取り、ソ連軍に反抗を始めた。最初はちょっとしたゲリラ活動だったが、経験を積んだ彼らはどんどん強力になっていった。
アメリカの青少年がソ連の侵攻に対して銃を持ってゲリラとなって戦うといういかにもタカ派なジョン・ミリアスの作品。
経験を積んだ指導者がいるわけでもないのに実戦で通用し、撃った銃は百発百中。最終的には精鋭部隊を相手にしても勝つというご都合主義。武器や食料もどこからか調達してくるが、倒した敵から何だろうか。
主役は少年たち全員だがあえていえばジェッド役のパトリック・スウェイジだ。一人だけ年上で高校生ではなく、ガソリンスタンドで働いている。みんなを引っ張っていくリーダーだ。
女の子が二人いるが恋愛沙汰などの色っぽいことには全然ならないのも不自然といえば不自然。エリカ(リー・トンプソン)が墜落したアメリカの戦闘機F-15のパイロットに憧れるのが唯一それぐらいか。トニ(ジェニファー・グレイ)がふざけてジェッドの頭にオレンジの汁をかけるがこれも憧れからきているのかもしれない。ちなみにこの二人は後に『ダーティー・ダンシング』(1987)でペアを組む。その直後、トニは戦闘ヘリの攻撃を胸に受けてジェッドに留めを刺してくれと頼むのだから残酷な話だ。
戦略的に価値のなさそうなコロラドの田舎町をソ連軍が占拠し続けるのも妙な話だが、少年たちが隠れるのに山が必要なので都会を舞台にするわけにはいかなかったのだろう。
それにしてもたかだが6、7人の少年たちに振り回されるソ連軍も情けない。徹底して山狩りをすれば解決しただろうに。
核戦争にしてしまうとすべておじゃんになってしまうので限りなく第二次大戦風の第三次世界大戦となっている。とりあえずRPG無敵。捕虜収容所は少年たちが奪還したので自由になった大人たちがいるはずなんだが、その後反抗に移ったという描写もない。ここら辺がちょっと不自然。少年たちが戦うところがみそなんだろうが。
終盤、ジェッドとマット兄弟は二人で町に殴り込みをかける。たった二人に翻弄されるソ連軍が相も変わらず情けない。そんな中でソ連軍の上官がサブマシンガンのヤティマチックを使ってマットを撃つ。映画に登場することはまれな珍しい銃だ。スクリーンではコブラでしか見たことない気がするぞ。他の映画にも出てるか?
出演者の顔ぶれを見れば分かるがYA(ヤングアダルト)スターが顔を揃えている。そんな中に、ジェッド兄弟の父親としてハリー・ディーン・スタントンが渋い演技を見せてくれる。後のシーンで銃殺されてるんだよな。ベン・ジョンソンなんかは完璧にジョン・ミリアスの趣味に違いない。
第三次世界大戦全体を描かずに、少年たちの視点で描いたのは正解と思われる。最終的には戦争の愚かさを訴えているので意外と好戦的な映画ではないのかもしれない。








