『少年と犬』(1975) A BOY AND HIS DOG 86分 アメリカ
監督:L・Q・ジョーンズ 製作:アルヴィ・ムーア 原作:ハーラン・エリスン 脚本:L・Q・ジョーンズ 撮影:ジョン・アーサー・モリル 音楽:ティム・マッキンタイア
出演:ドン・ジョンソン、スザンヌ・ベントン、ジェイソン・ロバーズ、アルヴィ・ムーア、ヘレン・ウィンストン、チャールズ・マックグロー
声の出演:ティム・マッキンタイア
『世界の中心で愛を叫んだけもの』などのSF作家ハーラン・エリスンの原作を『ワイルドバンチ』などのペキンパー作品で名の知れた俳優L・Q・ジョーンズが監督したカルトSF作品。原作は1969年にネビュラ賞を受賞した。
冷戦時代の作品だけあって第四次世界大戦が5日間で終わり世界は荒廃している。土地は砂漠でそこかしこに廃墟があり無法者が略奪、殺戮の限りを尽くしている。時は2024年、主人公の少年ヴィク(ドン・ジョンソン)は18歳である。ドン・ジョンソンのデビューからさほど年の経っていない頃の作品で『マイアミ・バイス』で一躍スターダムにのし上がるのは1984年だからおよそ10年後。この頃は名前も知られていない新人だった。
実際のドン・ジョンソンは18歳ではなく二十代半ばなので少年と言うより青年だが、ギリギリでハイティーンに見えなくもない。
ヴィクにはパートナーがいる。テレパシーでヴィクと話が出来る超能力犬ブラッドだ。このブラッドは物知りで戦争の歴史も知っていれば他の様々なことにも詳しく皮肉屋な犬で小生意気なジョークを行ったりする。。時に言い争ったりもするが彼らは深い絆で結ばれていた。人間と動物が普通に会話の掛け合いをしているのが良い。この1人と1匹が核戦争後の世界を彷徨うのがメインのストーリーだ。
DVDのパッケージには『ターミネーター』『マッドマックス2』『北斗の拳』... 全ては本作から始まった! とある。たしかに核戦争後の世界観は上記作品に通じる物があるが、これがオリジナルというのはさすがに言い過ぎだろう。マイナーだからそこまで影響を与えたとは思えない。
ヴィクの思考パターンは単純だ。飯を食うこと、そして女とやることだ。核戦争後の世界は女性が極端に少なくなっていて若いブラッドは女のことばかり考えている。ブラッドに女を探させている内にクイラ・ジューン(スザンヌ・ベントン)という少女と出会う。愚連隊に襲われるがそれを撃退した後は2人してセックス。ブラッドはうんざりした顔。いや犬だから表情はないのだが、むく犬なのでうんざりした顔に見えるのだ。
愚連隊との戦いは派手さはないがリアルで、さすがペキンパー作品の常連だけのことはある。
そしてクイラの勧めで地下都市へと降りていく。愚連隊との戦いで足を怪我したブラッドは噂に聞く平和な"山向こうの村"に行くことになる。
ところが地下都市に降りたヴィクはさっそく捕まえられてしまう。地下都市の連中は顔を白塗りにしていて、男性は長年の地下生活で生殖機能が衰えていて、定期的に外の男を連れ込んで精子を提供させるのだ。ヴィクはクイラの罠にまんまと引っかかったわけである。機械で精子だけ吸い取られるヴィク。
しかもクイラは野心家で、現在の委員会を皆殺しにして自分たちが新しい委員会を作ろうとしている。とんだ悪女なのだ。
ヴィクは自分とクイラを追ってくる人間そっくりのロボットを倒し地上へ。そこで空腹のまま倒れたブラッドを見つける。町に行って食料を探してくるというが、町は今殺戮の場になっているという。何か食べ物はないか。食料を探すヴィクの目の前にいたのがクイラ......
まさに人を食ったオチでブラッドは元気を取り戻し、"1人"と1匹は山向こうの村を目指す。「味気のない娘だったよ」のブラッドのセリフが皮肉が効いていてなおかつ怖ろしい。このオチでこの作品は傑作カルトになった。
地下都市の設定や唐突に現れるロボットなど説明不足な点は多くあるが、そもそも想像力を働かせて観る作品なのでこれはかまわないだろう。ブラックユーモアを含んだSFという題材を何故L・Q・ジョーンズが監督しようと思ったのか分からないが(しかも脚本も本人だ)、何か心の琴線に触れるものがあったのであろう。
『少年と犬』とタイトルだけ聞いた時は詩情豊かな作品かと思ったが、こんなトンデモな映画だとは。俳優であるティム・マッキンタイアが音楽を担当しているのも驚き。
『サブウェイ123 激突』
『サブウェイ・パニック』
『潮風のいたずら』
『シティ・オブ・ブラッド』
『シンドバッド虎の目大冒険』
『シンドバッド黄金の航海』
『シンバッド七回目の航海(シンバッド7回目の航海)』
『世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す』
『水爆と深海の怪物』
『サザン・コンフォート/ブラボー小隊 恐怖の脱出』
『16ブロック』
『サンゲリア』
『さよなら。いつかわかること』
『スター・トレック/宇宙大作戦シーズン2』
『続・黄金の七人/レインボー作戦』
『スーパーバッド 童貞ウォーズ』
『スモーキング・ハイ』
『ジャンボ・墜落 ザ・サバイバー』
『ゾンゲリア』
『3時10分、決断のとき』
『底抜けいいカモ』
『底抜けもててもてて』
『底抜け便利屋小僧』
『底抜けシンデレラ野郎』
『底抜けてんやわんや』
『スター・トレック』(2009)
『サスペクト・ゼロ』
『サスペリアPART2』
『シャドー』
『サスペリア・テルザ 最後の魔女』
『サスペリア』
『ザ・ダーク』
『シスターズ』
『スズメバチ』
『ザ・ショック』
『さまよう魂たち』
『ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖』
『ザ・グリード』
『3人のエンジェル』
『ジョーズ4/復讐篇(ジョーズ'87/復讐篇)』
『ジョーズ3』
『JAWS/ジョーズ2』
『JAWS/ジョーズ』
『戦雲』
『さらば友よ』
『さらばバルデス』
『シー・ウルフ』
『正午から3時まで』
『地獄で眠れ』


















