『フェノミナ』(1984) PHENOMENA 111分/115分 イタリア
監督:ダリオ・アルジェント 製作:ダリオ・アルジェント 脚本:ダリオ・アルジェント、フランコ・フェリーニ 撮影:ロマノ・アルバーニ 特殊効果:セルジオ・スティヴァレッティ 音楽:ゴブリン、サイモン・ボスウェル
出演:ジェニファー・コネリー、ドナルド・プレザンス、ダリア・ニコロディ、ダリラ・ディ・ラッツァーロ、パトリック・ボーショー、フィオーレ・アルジェント、フェデリカ・マストロヤンニ、フィオレンツァ・テッサリ、ミケーレ・ソアヴィ、ファウスタ・アヴェリ
可憐な美少女時代のジェニファー・コネリー。単に可愛いだけではなく気品があった。今では気品のある美女となった彼女がいじめていじめぬかれる映画だ。誰がいじめるって?監督のダリオ・アルジェントだ。
アメリカからスイスの寄宿女子校に有名俳優の娘が転校してくる。その彼女は虫と共感するテレパシー能力を持っていた。その能力を使って連続少女殺人事件を解決するのがこの映画だ。
だが、そんな話の筋道はどうでもいい。例によってダリオ・アルジェントらしい理屈は通っているが支離滅裂だから。それよりもジェニファーのいたぶられ具合を楽しむ映画である。美少女がいたぶられるのを観て楽しむのだからずいぶんと倒錯的な映画だと言える。
気違い扱いされるわ、謎の薬を飲まされてゲロを吐くわ、腐った死体とウジ虫で一杯の小さなプールに落とされるわ、湖で水面で炎が燃えさかる中を泳ぐわと散々な目に合うジェニファー。これだけ悲惨な目に合わされる美少女女優というのも珍しい。というか多分他にいない。ジェニファーは今では「何であの仕事受けちゃったんだろう?」と反省しているに違いない。汚れ役で役者として一枚抜けるとは言うが、これ本当に汚れちゃってますから。
よく見るとウジ虫のプールは作り物で、ウジ虫のアップだけ別撮りして上手く組み合わせてあるのだが、それでもあの現場での生理的反感は強かったに違いない。それを見事にこなしてしまう女優根性。嫌がって騒いでいるのが演技に見えない。というか演技じゃなかったりして。
こういった物理的なイジメに加えて、虫と心が通じると書いた手紙を読まれた女子寮で寮生たちから「わたしはクモよ」「わたしは蝿よ」とよってたかっていじめられる精神的イジメが実は一番怖かった。女って容赦ねーなー。ダリオ・アルジェントは美少女の神性を信じると同時に、ぶさいくな普通の少女の残酷さも合わせて描く。これまた倒錯的である。その寮生たちをジェニファーが蝿の大群を呼び寄せて脅かすシーンは痛快である。その割りには終盤近くで手に付いたウジ虫を洗い流していたがあれはいいのか?
昆虫学の権威としてドナルド・プレザンスが登場。ダリオ・アルジェント作品の登場人物がしばしばそうであるようにドナルド・プレザンスも両足が不自由で車椅子の生活。そのため、身の回りの世話をチンパンジーにさせている。このチンパンジーがラストで重要。ドナルド・プレザンスは思うように動けないものだから逃げようとしても逃げられずに簡単に犯人に殺されてしまう。残酷である。障害者をいたぶる事にかけても一流なのだ、ダリオ・アルジェントは。
オープニングで一人の少女が道に迷い、助けを求めた田舎の一軒家で殺人鬼に出くわし殺されてしまうが、この少女を演じているのがダリオ・アルジェントの実の娘フィオーレ・アルジェント。『サスペリア・テルザ 最後の魔女』の主人公アーシア・アルジェントの姉である。ただ単に殺されるだけではなく惨殺。左手をハサミで刺され、腹も刺され、ガラスに顔面を突っこみ、ついには首を切断される。散々である。自分の娘をそこまでするかと思うがそこはそれダリオ・アルジェント。娘への歪んだ愛情の表れなのかも知れない。案外現場での撮影は事務的だったかも知れないが。
音楽は例によってゴブリンが担当。他には元ストーンズのビル・ワイマンやアイアン・メイデンなど錚々たる顔ぶれが楽曲を提供。迫力のあるサウンドを聴かせてくれる。ちょっとうるさすぎるぐらい。この人らもダリオ・アルジェントのファンなんだろう。好きそうだもんな。
ストーリーはケチを付けるだけ野暮という物だが、ラスト数分の展開は読めなかった。というか読めるかあんなの。チンパンジーについては登場シーンから一応伏線が張ってあったが覚えてないよそんな伏線。というか伏線だったのか。
細かい事を考えずにジェニファーの虐められ具合を楽しむ作品である。美少女が虐められるのを楽しむ、最初にも言ったが倒錯的映画である。それにしてもジェニファーは可憐だ。例え眉毛が太くて微妙につながっているとしても。
『サスペリア・テルザ 最後の魔女』
『インフェルノ』
『サスペリア』
『ブライアン・シンガーのトリック・オア・トリート』
『アルティメット』
『ロイドの要心無用』
『チョコレート・ファイター』
『ザ・ダーク』
『デスリング』
『レイクサイド』
『ティーン・ウルフ』
『フライトナイト』
『アンダーワールド:ビギンズ』
『アンダーワールド:エボリューション』
『アンダーワールド』
『シスターズ』
『暴走機関車』
『URAMI 怨み』
『悪魔のシスター』
『スズメバチ』
『ザ・ショック』
『マーティン/呪われた吸血少年』
『ファンハウス/惨劇の館』
『フィースト3/最終決戦』
『フィースト2/怪物復活』
『さまよう魂たち』
『ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖』
『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ セカンド・シーズン』
『ブルース・オールマイティ』
『ターミナル』