『パニッシャー:ウォー・ゾーン』 家族の仇を俺が討つ

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B001NABQ2C.jpg『パニッシャー:ウォー・ゾーン』(2008) PUNISHER: WAR ZONE 103分 アメリカ LIONSGATE

監督:レクシー・アレクサンダー 製作:ゲイル・アン・ハード 製作総指揮:オリヴァー・ヘングスト、エルンスト=アウグスト・シュナイダー、アリ・アラッド、オグデン・ギャヴァンスキー、マイケル・パセオネック、ジョン・サッキ 脚本:ニック・サントーラ、アート・マーカム、マット・ハロウェイ 撮影:スティーヴ・ゲイナー 視覚効果監修:ロバート・ショート プロダクションデザイン:アンドリュー・ネスコロムニー 衣装デザイン:オデット・ガドーリー 編集:ウィリアム・イェー 音楽:マイケル・ワンドマッチャー 音楽監修:ダン・ハバート
出演:レイ・スティーヴンソン、ドミニク・ウェスト、ジュリー・ベンツ、コリン・サーモン、ダグ・ハッチソン、ダッシュ・ミホク、ウェイン・ナイト、マーク・カマチョ、ロマーノ・オルザリ、ケラム・マレッキ=サンチェス、ラリー・デイ、ロン・レア、トニー・カラブレッタ、T・J・ストーム、デヴィッド・ヴァディム

 ドルフ・ラングレン主演の1989年版、トム・ジェーン主演の2004年版に続く3度目の映画化である。それぞれ前作は「なかったこと」になっているのでマーベルコミック上はこれが最初の映画化である。

 とにかくバイオレンス描写がハンパではない。ナイフで首を斬る、足で首をへし折る、顔面パンチで顔を粉砕、もちろん銃も使いまくり。アサルトライフルからサブマシンガン、ハンドガンと状況に応じて使い分け、相手の足をブチ折ったり、顔面破壊なんてのはザラ。グロ描写満載でこれは暴力描写が苦手な人にはお勧めできませんな。

 ストーリーは過去にマフィアによって家族を皆殺しにされたパニッシャーことフランク・キャッスル(レイ・スティーヴンソン)がマフィア狩りをする話。顔が自慢のビリーというマフィアを空きビンを潰して割る機械にかけ命は取り留める物の顔面がズタズタに。その後、ビリーはジグソウと名乗るようになる。この際に、パニッシャーはビリーのところに潜入捜査していたFBI捜査官を撃ち殺してしまう。深く悩むパニシャーはもうパニッシャー稼業は辞めてどこか田舎に引っ込もうとするが、パニッシャーに恨みを持つジグソウがFBI捜査官の家族とパニッシャーの武器担当の相棒マイクロを人質に取り、ストリートギャングに金をばらまいてパニッシャー討伐隊を作り上げる。
 敵の待ち受けるビルに、人質を助けるために突入するパニッシャーは無事に事件を解決することが出来るのだろうか。

 悪を倒すためならば暴力は許されるのかが一つのテーマだ。この作品としては「それはあり」ということらしい。地元のニューヨーク警察もあまり真面目にパニッシャー捜査をやっていないし、それどころか事実上黙認状態だ。
『狼よさらば』で同じニューヨークを舞台にポール・カージーが街のダニ退治をやった時とは大きな待遇の差だ。これは街のダニかマフィア退治かによるものだろうか。それとも時代の差だろうか。オレは時代の差だと見る。世の中は確実に暴力的になっているのだ。 ジグソウがストリートギャング相手に演説をかまして討伐隊を募るシーンではバックに巨大な星条旗が波打っているのが笑える。ストリートギャングをやるのも自由、人を殺すのも自由、アメリカは自由の国なのだ。
 ラストの戦いがしょせんストリートギャング相手なのであまり強くなく盛り上がりに欠けるのが残念。ジグソウの弟のルーニー・ビン・ジムも精神病院で拘束されていたぐらいなのに大した活躍をしない。ものすごい身体能力を持っているのかと思わせておきながらちょっと強いぐらい。拍子抜けである。ルーニー・ビン・ジムとパニッシャーは肉体による格闘戦を行うが、これが力技ばかりの美しさに欠けるもの。昨日紹介した『トム・ヤム・クン!』を見習って欲しいものである。その分、銃器描写で補っているとは言えるのだが。
 FBI捜査官を殺してしまったことに気づいた時のパニッシャーが相変わらずの無表情で、本当に苦しんでいるのか反省しているのかがよく分からない。これは大きなマイナスだと思う。アメコミ物は主人公の苦悩が付き物だが、パニッシャーの苦悩が伝わってこない。そのせいで、FBI捜査官の家族が人質に取られてもどれだけ心配しているかが分からない。
 終盤、パニッシャーに弾が一発だけ入った銃を渡して、FBI捜査官の娘とマイクロにそれぞれ別の者に銃を向けさせてジグソウが「さあ、お前に一人だけ助けるチャンスをやろう」のシーンであんな処理の仕方をするとは思わなかった。普通ならばなんとかして......のところなのに。ここは感心。
『パニッシャー』の本筋である家族の復讐がほとんど描かれていないのがマイナスか。

 監督のレクシー・アレクサンダーは実際に空手の元世界チャンピオンだったという経歴を持つドイツ人女性だそうだ。製作を同じく女性のゲイル・アン・ハードが務めているのもなんとなく納得。

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パニッシャーの作品としては一番面白かったです。
2004年度の作品もそれなりでしたが、
こちらのほうが断然スタイリッシュな感じでしたね。

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このページは、東森時音が2009年9月 3日 21:16に書いたブログ記事です。

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