『トム・ヤム・クン!』(2005) TOM YUM GOONG 110分 タイ SAHAMONGKOLFILM INTERNATIONAL
監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ アクション監督:パンナー・リットグライ 製作:プラッチャヤー・ピンゲーオ 撮影:ナタウット・キッティクン
出演:トニー・ジャー、ペットターイ・ウォンカムラオ、ボンコット・コンマライ、チン・シン、ジョニー・グエン、ネイサン・ジョーンズ
『マッハ!』(2003)でアクション映画好きをあっと言わせたトニー・ジャーが帰ってきた。作品名もタイ映画と分かりやすく『トム・ヤム・クン!』。その名に通りに辛くて刺激的な映画だ。
タイに住む父子が駆っている親象子象の2頭が密輸組織によってオーストラリアに連れ去られてしまう。主人公のカームは象を取り戻すため、単身オーストラリアに乗り込む。誰がいったいなんの目的で象を密輸したのか。意外な事実が明らかになると同時に、カームは事件に巻き込まれ強敵と戦うことになる。
現金とか黄金、麻薬、ウイルスなどを巡るアクション映画は多いが象というのは珍しい。オレが知っているのではこの映画だけだ。この象がかわいいー。インド象なのでアフリカ象のように荒々しくなく、つぶらな瞳でこちらを見つめてくるのだ。カームが子供時代に親象の牙に抱きかかえられるように運ばれるシーンなど印象的だ。
そして格闘シーンがてんこ盛り。
なかでも円柱状の吹き抜けビルを昇りながらの1カット長回しシーンがスゴイ。オレのDVDプレーヤーの時間表示だと1時間1分47秒から始まって1時間5分43秒まで続く。およそ4分間のノンストップアクション。さすがにこのカットだと凝ったアクションはないが、次から次へと襲いかかってくる敵をちぎっては投げちぎっては投げしながらビルを昇っていく。よくこんなシーンをやろうと考えたもんだ。さすがに最後の方になるとカームがちょっと息切れしているのが微笑ましい。そして最上階でカームが見た物は、希少動物を食べるゲテモノ食い倶楽部だった。象もここで食われてしまったのか?
他にはカポイエラ、クンフー、プロレスとの異種格闘戦がある。カポエイラはかなり本格的で、足場に水がたまったシーンなのに軽快なステップでカームを追い詰めてくる。
クンフー男は青竜刀で迫ってくる。素手のカームがどう戦うかが興味深いと思っていたら、銅鑼を叩く棒を手にとって戦い始めた。一流の戦士は武器の使いこなしも一流なのだ。
そしてプロレスラーとの戦いでは父が前々から言っていた「象にも弱点がある」がヒントとなる。それは足だ。足の腱を切られてはさしもの巨体の象も身動きが取れなくなってしまう。
打撃系だけではなく関節技も多用して一撃で相手の動きを封じる。折れる骨、砕ける関節、ブチ切れる腱。結局カーム1人で100人ぐらい倒している。集団を相手にするシーンが多いせいか、1カットが長目で最近の『ボーン』シリーズなどハリウッドのカット多用にちょっとうんざりしている身にはちょうど良い感じだ。
『マッハ!』のヒットでお金が出来たのか豪華オーストラリアロケを敢行している。実際にはタイで撮っているシーンもあるんだろうが、大した出世だ。
ラストは敵の本拠地に子象を連れて親象を返せと殴り込み。象を連れた殴り込みも始めて見たな。
悪役が本当に憎たらしいのでそれをバシバシとやっつけていく様は実に爽快である。ラストなんてほんと無茶。飛ぶかー!?
警察内部のごたごたや悪党の後継者争いなど話に無駄な部分が多いのが気になる。無駄というか活用されていない。とはいえ象を返せだけで110分の映画にならなかったのだろう。
ストーリーは気にするな。アクションを観て驚け、燃えろ!
それにしても冒頭の空港でジャッキー・チェンのそっくりさんとぶつかるシーンはなんだったんだろ。
CG使ってますが、アクションシーンではなく太古の戦いを表現したシーンです。PS2のゲームみたいなCGですが。
トニー・ジャーの次回作の話しを聞かないんだけどどうなっているんだろう。新作待ってるよ。

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