『ムーンウォーカー』 変形ロボマイケル・ジャクソン

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B002BS02QG.jpg『ムーンウォーカー』(1988) MOONWALKER 93分 アメリカ

監督:ジェリー・クレイマー、コリン・シルヴァース 製作:デニス・E・ジョーンズ、ジェリー・クレイマー 製作総指揮:マイケル・ジャクソン、フランク・ディレオ 原案:マイケル・ジャクソン 脚本:デヴィッド・ニューマン 撮影:ジョン・ホラ、トーマス・E・アッカーマン 音楽:ブルース・ブロートン
出演:マイケル・ジャクソン、ショーン・レノン、ケリー・パーカー、ブランドン・アダムス、ジョー・ペシ

 オレはもろにマイケル・ジャクソン世代である。オレ自身は音楽にさほど興味がなかったが、大好きな映画監督ジョン・ランディスが演出しリック・ベイカーが特殊メイクを担当した『スリラー』がテレビでやるという夜はビデオのリモコンを握りしめてテレビの前で待っていた。放送されたのはオープニングの映画館のシーンがカットされた短縮版なのでがっかりしたがそれでも「こりはスゴイ」と思ったものだ。他にはマーティン・スコセッシが演出した『BAD』などもそれなりに楽しんだ。でもスコセッシは嫌いなんだよね。

 アメリカンドリームを実現した男マイケル・ジャクソンが色々あったあげくに先日亡くなったということは今さら言うまでもない事だろう。
 そのマイケル・ジャクソンの数少ない主演映画がこの『ムーンウォーカー』だ。『キャプテンEO』なんかもあるにはあるがあれは短編の立体映画で日本ではディズニーランドに行かないと観る事が出来なかった。ソフト化も難しいからこのまま幻の映画になっていくんだろうが出来も良かったのでもったいないことだ。それに比べると『ムーンウォーカー』はちょっとアレな出来だ。

 この作品はアイドル映画である。そもそも“映画”であるか怪しいものだがとりあえず“映画”としておこう。アイドル映画とはアイドルを楽しむのがメインであってそのアイドルに興味がない人にはまったく面白くないものだ。『ムーンウォーカー』もご多分に漏れずマイケルに興味がない人には「何が面白いんだ。ふざけとる」といった内容になっている。
 そもそも全体の約7割がプロモーションビデオやコンサートの引用となっている。これが“映画”とするかで迷ったところ。ファンならばお気に入りのプロモを大画面で観られればそれだけで価値のあることだろう。だがオレは正直劇場で困った。そうそう、何でか知らんが劇場で観てるんだよ。
 ジャクソン5の時代から段々と成長して成功をその手にしていく様が描かれ、子供が演ずる『BAD』があったそのあとはモデルアニメーションのクリーチャー達と追っかけっこのあげくウサギのクリーチャーとダンス合戦。その道路はダンス禁止の標識が立っていて警官に切符を切られてしまうと言うオチが付く。でもダンスよりもマイケルがノーヘルでバイクに乗ってるのに突っ込めよ警官。
 成功したら世の中の人は口さがないもので、「マイケルは酸素のタンクで眠っている」だの「マイケルは50年の冷凍睡眠に就く」だの「マイケルはエレファントマンの骨を買おうとした」などとゴシップ誌がわめきたてる。
 それに対してマイケルは「追い回すのはやめてくれ」「ほっといてくれ」と歌い叫ぶ。その背景に若き日のエリザベス・テーラーが映像や写真で登場している。二人の仲が良いというのは有名だが、1932年生まれのリズより1958年生まれのマイケルの方が早く死ぬとは思わなかった。しかし年の離れた友人だ。
 ここら辺でさすがに退屈してきているのだが、それを見越したかのようにドラマパートが始まる。始まってから40分ほど経過している。
 お話は悪いクモクモ団(勝手に命名)がいてボスのジョー・ペシ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)以来見てないなと思ったらこんな仕事をしてたのか)は世界中の子供を麻薬中毒にしてしまおうと企んでいる。
 “子供大好き”マイケルがそんなことを許すはずがない。ジョン・レノンの息子のショーン・レノンら子供の力を借りてクモクモ団に戦いを挑む。挑むんだけど、隠れ家で歌って踊ったりしてる。あんたは踊らんと死ぬんか。
 銃器を構えたクモクモ団に追い詰められたマイケル。ここから伝説のシーンが始まる。そこまででもマイケルがスーパーカーに変身するシーンがあったが変身過程は影で処理されていた。今度は銀色にピカピカ輝くロボットに変身するマイケル。あのねいくらなんでもロボはないだろロボは。歌って踊って敵を倒す方がまだリアリティあるぞ。んー似たようなもんか。メカマイケルの顔が妙にリアルで怖い事怖い事。
 そしてガシャンガッシャンと変形を繰り返して、巨大ロボとまではいかないが中型ロボへと大きくなる。この変形の過程が見ていて実に笑える。見た感じガンダムよりは小さいか。トランスフォーマーならぬロボマイケルの前にはさすがのクモクモ団もロボット相手では手も足も出ずにやられてしまう。なにしろ生身の敵に容赦なくミサイル撃ち込むんだから。高周波ボイスでヘルメットごと頭を粉砕しているし。
 だがマイケルロボはロボ形態では満足せずにさらに宇宙船形態に変形して最終兵器の声ビームを発射してジョー・ペシの操る大砲を破壊した後、大空の彼方に飛んでいくのであった。ひょっとしたら本物のマイケルも宇宙船になってどこまでも遠い宇宙の旅に出たのかも知れない。

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コメント(2)

はじめまして。
いやーすばらしいレビューですね。
わたしもブログでとりあげたのですが、うまくまとめられませんでした。
アイドル映画と考えると、たしかにいろんなことが納得いきますね(笑)

ファイアーさん

本当は『キャプテンEO』を取り上げたかったのですが、面白かったという記憶しかなくて。これからマイケル・ジャクソン関連の映像もさらにソフト化されていくのでしょうが、あれはならずじまいでしょうね。
『ムーンウォーカー』はそもそも映画と呼んでいいのか迷うところですが、あえていうならアイドル映画ということで。この場合のアイドルは日本芸能界のアイドルではなく偶像の意味でのアイドル。

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このページは、東森時音が2009年7月 9日 17:43に書いたブログ記事です。

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