『新・猿の惑星』(1971) ESCAPE FROM THE PLANET OF THE APES 97分 アメリカ
監督:ドン・テイラー 製作:アーサー・P・ジェイコブス 脚本:ポール・デーン 撮影:ジョセフ・バイロック 音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:キム・ハンター、ロディ・マクドウォール、ウィリアム・ウィンダム、リカルド・モンタルバン、ブラッドフォード・ディルマン、ナタリー・トランディ、エリック・ブレーデン、サル・ミネオ、アルバート・サルミ、ジェイソン・エヴァース、ジョン・ランドルフ、ハリー・ローター、M・エメット・ウォルシュ
前作のラストで地球が吹き飛んでしまったのにどうやって続編を?その答えは過去にあり。1作目でテイラー達が乗ってきた宇宙船を湖から引き上げ、修理してたまたま宇宙旅行中だったチンパンジー族のジーラとコーネリアス、そして修理をした科学者のマイロ博士の3匹が爆発の衝撃で2000年前の地球にタイム・スリップしてしまったのだ。
だから原題は『猿の惑星からの脱出(ESCAPE FROM THE PLANET OF THE APES)』となっている。こうして人間の惑星にやってきた3匹の猿はいかなる目にあうのだろうか?
設定としてはかなり無茶だが、その無茶っぷりがあっぱれである。
3匹といってもマイロは早々と事故で死んでしまう。マイロがいないことで何故時を越えたのか厳密な説明が出来る者がいなくなってしまい、設定が曖昧に出来る。ちなみにマイロを演じた俳優の名は“サル”・ミネオ。出来すぎである。
最初は普通のチンパンジーだと思われるが、知能が高く喋ることも出来ることが分かるとテレビのニュースにも流され一躍人気者に。2匹が街へ洋服を買いに連れ出されたり、ホテルでパーティーを行ったりとこの辺りはかなりコミカルに描かれている。おしゃれな服を着込んでモデルのようにクルッと回ってみせるジーラが可愛らしい。
しかし、2000年後には人類が猿類よりも下の存在になることがジーラ達への尋問の結果明らかになってしまう。それを危惧した大統領顧問のハスライン博士がジーラのお腹にいるコーネリアスとの子供を堕胎し、2匹を不妊にしてしまおうと企てる。
後半部分は1作目の猿と人間の立場を入れかえた構造に近いものとなっている。テイラーも去勢手術を受けさせられそうになっていた。人間による猿の弾圧を観た時に、オレはどちらに感情移入をすればいいのだろうか。ジーラとコーネリアスの逃避行について気分的には猿側だが、猿を応援することは猿に支配される未来を指示することにもなる。
1作目のことを考えれば、同じ立場になれば猿だって同じことをやったのだ。いったい正義とはなんなのだろうか。
考古学者コーネリアスの研究はテイラーの登場で一気に進んだようで、昔は人類が地球を支配していたことを認めている。ペットとして家庭に入り込んだ猿達が次第に進化を始め知能が高くなり人間の手伝いをするようになった。そしてある日、1匹の猿が人類に対して「ノー」と反旗を翻し、ついには支配権を握ったというのだ。
ハスライン博士を『地球爆破作戦』のエリック・ブレーデンが演じている。あちらではミサイル戦争を引き起こそうとした人工知能を食い止めようとする主人公の科学者を演じていた。冷たい感じのする人でそこが科学者らしいのだろう。この作品でも常に冷静で、悪役だが人類の未来を考えると決して間違ってはいない。
登場する猿の数も少なく特殊メイクにはお金がかかっていない。オープニングの宇宙船を除けば大規模なセットがあるわけでもなく普通の現代劇の小道具がほとんど。公開が前作の翌年だから制作期間も余りかかっていない。おそらくSF映画としてはかなり低予算で作られた作品だろう。

























