2009年1月アーカイブ

newmodelarmy.jpg クリント・イーストウッドが『ペイルライダー』の牧師(プリーチャー)役で使用した拳銃(多分)。牧師と言っても白いカラーをしているからそう思われているだけで、本物の牧師なのか謎ではある。本名を名乗らないという点では『荒野の用心棒』から始まる『荒野のストレンジャー』などの名無しの男の一人なのかもしれない。

 銃身の下にレバーが付いているソリッド・フレーム式。レバーを下げることで簡単にシリンダーを取り外すことができる。パーカッション式の銃なので、ここにまた銃弾・火薬・信管を込める。
 金属薬莢を使っているのもあって、牧師が使っているのもこのタイプ。悪徳保安官たちに見せつけるように撃ち尽くしたシリンダーを外し、予備のシリンダーと交換するシーンが実にしびれる。牧師は威圧感を与えるべく少しゆっくりとやっているが、慣れた人だと現在のリボルバーでの再装填とさほど変わらない早さだそうだ。

 オレが持っているのはハートフォードが出しているガスガン。タナカのペガサス・システムを使っている。ガワをハートフォードが担当して内部技術はタナカのOEMみたいな物なのか?ちなみにモデルガンも出ている。
 シリンダーにガスを注入すると、やはりシューシューと音を立てて漏れ続ける。ガスを入れる量を調節してみたりしても変化なし。うーん、オレとペガサス・システムは相性が悪いのか。

target090131.jpg では例によって試射。6連発の拳銃なので12発撃つ。シングルアクションオンリーなので、一発ずつハンマーを起こしながらの射撃だ。
 銃身が長いから命中精度には有利なはずなのだが、最初の三発はかなり下にずれた。そこで上へと意識して撃ったら少しはマシになったが、オートマチックはかなり集弾性が良かったがリボルバーは不利なのかも知れない。ちなみに命中した跡があるのは9発で残りの3発はどこへ行ったか不明。きっと部屋の隅にでも転がっているのだろう。
 オレは自室では冬でも裸足だが(別に床暖房とか高級な家じゃないが)、BB弾って裸足で踏むと微妙にいたいんだよな。ちなみにオレは健康サンダル履くと痛いタイプ。

B000KGGC2E.jpg『ブルージーン・コップ』(1990) DEATH WARRANT 89分 アメリカ

監督:デラン・サラフィアン 製作:マーク・ディサール 脚本:デヴィッド・S・ゴイヤー 撮影:ラッセル・カーペンター 音楽:ゲイリー・チャン
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム、シンシア・ギブ、ロバート・ギローム、パトリック・キルパトリック、ジョージ・ディッカーソン、アート・ラフルー、ジョシュア・ジョン・ミラー、ハンク・ストーン、ジョージ・ジェネスキー、ジャック・バノン、アーミン・シマーマン、アル・レオン、アブドル・サラーム・エル・ラザック

 予告編内で「ヴァン・ダム級」とか「機動戦士ヴァン・ダム」とのあおり文句が入ったのはこの作品じゃなかったかな。
 ヴァン・ダムはカナダはケベック警察の刑事。ケベック州といえばフランスの勢力が強いのでヴァン・ダムの英語に訛りがある説明にもなる。まずはロスへ出向いて自分の相棒を殺した犯罪者“サンドマン”を追い込まれながらも無事に逮捕する。そして、それから16ヶ月後、ヴァン・ダムは再びロスに帰ってくる。刑務所の中で囚人が連続で殺されているのだ。死体はどれも首の後ろを突き刺されて死んでいる。はっ、もしや犯人はかんざし屋の秀?三田村邦彦なのかっ?
 事件を捜査しようにも、なにぶん刑務所の中なので難しい。そこで囚人たちに面が割れていないカナダ警察のヴァン・ダムに囚人として潜入してもらい極秘捜査をしようというのだ。刑務所の中では所長や看守も含めて誰も彼の身分を知らず、妻として面会に来る女性検事局員のシンシア・ギブだけが窓口。
 黒人を中心にちょっと変わった友人も出来ていく。老黒人にヴァン・ダムが「あんたは無実なんだろ」「いや、わしに限っては有罪だ。この手で人を絞め殺した」なんてやり取りがある。どこかで聞いたなと思ったが、そうか『ショーシャンクの空に』か。ぱくったなダラボン。
 そして、ヴァン・ダムは殺害された囚人がどれも健康で麻薬など薬物をやっていないという共通点があることに気づく。
 そして時折、医療室から“特別廃棄物”として運び出される容器の中味は……

 ヴァン・ダム映画としては脚本は凝っているほう。ヴァン・ダムも戦っているシーンよりも捜査に重点が置かれている。
 いくつか格闘シーンがあるがどれも水準点以下。ランドリー室でアル・レオン(『ダイハード』でチョコバー食ってたり『リーサル・ウェポン』でリッグスを電気拷問していたりする中国系俳優。なんといっても代表作は『ビルとテッドの大冒険』のチンギス・ハン役。前頭部はハゲだが後頭部は長髪という独特の髪型。結べば弁髪になるんかいなあれは。)が登場した時は、おっこれは熱い戦いが見られるかと思いきや、割とあっさりやられてしまう。
 ラスボスのサンドマンもあまり大した戦いをやらない上にラストがあっけないからなぁ。サンドマン役のパトリック・キルパトリックは『レモ/第一の挑戦』で格闘面では一番の強敵だった男。シナンジュ使いのレモの前では毒ガスを使ってなんとか対抗できるぐらいで最後はあっけなく殺されてしまうのだが。フィルモグラフィーを見るとアクション映画が確かに多いようだが、武術はすこしかじったぐらい普通の俳優ではないだろうか。それがヴァン・ダム相手では物足りなくてしかたない。

 時折、無意味なヴァン・ダムの一人称視点を入れる監督のデラン・サラフィアンもあまりアクションには向いてない様子。カット割りとか下手だし、ドタバタして観ていられない。今ならばアクション監督は香港系の人が担当するんだろうけど、この頃はまだまだ。デラン・サラフィアンは最近ではTVシリーズの『SCI』シリーズを撮っているようだ。この作品も捜査物だしそちらの方が向いてそうだ。
 ちなみに父親は『バニシング・ポイント』のリチャード・C・サラフィアン。
 それにしてもどこいっちゃたんだろうね、シンシア・ギブ。TVムービーにはたまに出ているようだが、「あの人は今?」状態。
 そのシンシア・ギブが刑務所のコンピュータに侵入するためにハッカーを雇うが、これが絵に描いたようなオタクの少年。この頃にはすでにパターン化されていたのだ。
 終盤のヴァン・ダムが囚人が最も嫌う警官であることがバレてからの暴動シーンはそれなりにはくりょくなので、もっと実際に強いアクション俳優を悪役で出せばもっと盛り上がったろうに残念だ。

 タイトルの『ブルージーン・コップ』は囚人服のジーンズのことだろう。ジーンズは本来作業着で言って観りゃニッカボッカ。今でもちゃんとした人は格式張った場にジーンズで来ると怒るがそれにもちゃんと理由がある。
 原題の『DEATH WARRANT』は直訳で『死に値する』か。ヴァン・ダムしてるなぁ。

m29.jpg オレが持っているのはもちろん本物じゃなくてタナカのガスガンだがでかいぞ?重いぞ?。樹脂製でこれだから金属製の本物はさらに重いんだろう。バレル長によっても違うんだろうが1300?1500gはあるそうだ。片手で撃つとしたらかなりの腕力が必要だ。さらに反動があるんで、両手で撃っても日本人の体格にはきついだろう。ま、実銃の反動なんて一つも知らないんだけどさ。
 言わずと知れた『ダーティーハリー』でハリー・キャラハンの愛銃として登場した.44口径のマグナム弾を使う拳銃。マグナム弾とは火薬を増量することで破壊力を増した銃弾で、今回の拳銃弾やライフル銃弾がある。確実に相手を仕留める時に使う弾だ。
 写真はハリーと同じく銃身が6 1/2インチ。しばしば作中で“背が高い”と形容されるクリント・イーストウッドが持ってすらでかい。
 はっきりいって44マグナムなんてのは狩猟用やスポーツシューティング用で人に向かって撃つ銃じゃない。上司からは「過剰な銃だな」と注意されてるし。
 こんなお化け銃を持ってる刑事はハリー・キャラハンかスレッジ・ハマーぐらいだ。調べてみると映画には他にもいるけど。「動くなよ、弾が外れるから」なんてな。
 さっきも書いたけど重いしかさばるんで私服刑事が持ち歩くには不向きだ。実用的には『ルパン三世』の次元大介が使っている357マグナムのS&W M19辺りまでだろうか。こちらは1000gをちょっと越えるぐらいで携帯性が高い。威力も充分だしな。
 だが、やたらにデカくて強力な銃に対する憧れというのはやはりあるわけで(男性のコンプレックスが絡んでそうだが、そこら辺は知らん)、ホットドックを食っていたハリー・キャラハンがショルダーホルスターからM29をスチャっと抜いて通りに出て行くシーンなんか鳥肌モンなのだ。「5発撃ったか、6発撃ったか、オレも数えちゃいねえ」
 ただ、その威力が過大評価されている面もあって、長期連載をしている某少女マンガでは確か「身体の末端に当たっただけでショック死する」とか書いてた。しねーっつーの。
 タナカはシリンダーをガスタンクにするという画期的なアイディアでリボルバーを送り出している。でもね、個体差があるのかも知れないがどうもガスを込めるとシューシュー漏れる。グリップがガスタンクになっているのは威力が弱いのが多かったのでアイディアはよいのであろう。さらなる改良を望む。ガス漏れと言えばタナカかハドソンかだったからなぁ。
 で、例によって試射。スピードローダーを使って一度装弾し直したという設定で計12発。実戦想定でダブルアクションで撃つ。

target090130.jpg うーん、弾が散らばるね。どちらかというと右寄りだがこれはダブルアクションだと引き金を引く時に力がかかるので右にずれるのかも知れない。だが、それを考えた上でもやはり命中率はあまり良くない。タナカのS.A.A.も弾がばれたからな。タナカのガスリボルバーはこんなものなのかも。
 というわけで、撃って楽しむのではなく構えながら「さぁどうするパンク」などとモデルガン的に楽しんでいる。手に持ってると自分が強くなった気がするね。本人が強くなったんじゃなくて、あくまでも武器の威を狩ってるだけだから、そこらへんを勘違いしちゃいけないんだが。
 フロントサイトの赤がしびれるねぇ。

『キックボクサー』

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B00005L8OU.jpg『キックボクサー』(1989) 監督:デヴィッド・ワース 出演:ジャン・クロード・ヴァン・ダム/デニス・アレクシオ/ハスケル・V・アンダーソン

(劇場公開時に書いた文章)
なんてったってあのジャン・クロード・バン・ダムの主演作だということで、かの名作「シンデレラボーイ」で魅せられて以来のファンとしては映画館に駆けつけてしまうわけだ。
しかし「ブラッドスポーツ」やら「ブラックイーグル」やら「サイボーグ」などどうも出る作品が駄作ばかりなので不安は多いにあった。
監督が「ダーティーファイター」などのイーストウッド作品やあの「レモ第一の挑戦」などで撮影監督をやっていた男だということで「今度こそ…」という思いがあって、それで結局面白かったのかというと、これがなんとも嬉しい素敵な映画だったのだ。
話自体は兄のかたきを討つという単純なものなのだが、修行映画の王道を行くような素直な作りが気持ちいい。
思いっきり低予算と言うことが分かる始まり方をするが、ジャン・クロードとその兄貴が狭そうな船に並んで座って、ジャンがしきりにバンコクの風景を写真に撮っている辺りのおおらかさでそんな些細なことはどうでもいいと思えるようになる。
なんといっても悪役のトン・ポーの登場シーンがいい。
しきりにコンクリートの柱を蹴り続けるハゲが振り向いて不気味に笑う。
こんな奴いねーよとチャチャを入れる隙さえ与えない。
こいつだけでなく主人公を取り囲む登場人物が魅力的に描けているのも嬉しい。
師匠となるジアンはどう見たって「レモ」のチウンを思い起こさせるジジイで「この野郎パクッたな」とも思うが、このとぼけた感じがなんとも面白い。
だいたいこういう修行物では師匠の存在が重要となるもので、ジャッキー・チェンの初期の「蛇拳」などのジジイや「ベストキッド」のパット・モリタなどの、どちらかというとボケをかますといったタイプが多いわけだが、そういったところをちゃんとやっているのはえらい。
元軍人の黒人にしたって、登場の仕方や話のかかわり方はかなりいい加減な物だが、ラスト近くM?16を手に逆光で登場されるとやはりカッコいい。
タイ人の少女もなかなかよく、ジャンとの純愛もほのぼのしていていい。
この娘が悪者に捕まるところは、いきなり捕まっているという思いきった省略がされていて、なかなかこんな事は出来るものではない。
この作品のメインはその修行シーンにあるのだが、真剣さの中にもとぼけた味がくわわっていて楽しい。
犬に追いかけられるところとか、突然水槽から顔を出すところ、椰子の実を落とすところの人間の位置関係の使い方など。
そしてラストの対戦シーンになるわけだが、さすがにこの監督アクションの撮り方を心得ている、なんといってもえらいのはスローモーションをほとんど使っていないということである。
手のロープを切るところでもスローモーションと通常スピードの部分をうまく組み合わせていて、うまくスローを使っている。
トン・ポーを倒した後、悪役のボスにも蹴りをいれるところなど実に嬉しい。
この作品、確かに考え抜かれて撮られたというものではない。
しかしおごったりもったいぶったりすることのない素直な演出は見ていて気持ちがいい。
無思考による純映画の好例であると思う。

B0000CGAJM.jpg『サイボーグ』(1989) CYBORG 90分 アメリカ

監督:アルバート・ピュン 製作:メナハム・ゴーラン、ヨーラン・グローバス 脚本:キティ・チャルマース 撮影:フィリップ・アラン・ウォーターズ 音楽:ケヴィン・バッシンソン
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム、デボラ・リクター、デイル・ハドン、ヴィンセント・クライン、アレックス・ダニエルズ、ロルフ・ミューラー、ジャクソン・“ロック”・ピンクニー

 監督のアルバート・ピュンらしさ全開の作品。ちなみにピュンとは『ネメシス』 ピュンという名には気をつけろですでに語っているが、クズ作品ばかりを乱作する珍しいぐらいのクズ監督。史上最低監督はエド・ウッドじゃなくてきっとピュンだ。
 文明が崩壊し悪党による暴力が幅を利かせた近未来。人々はそれらから隠れるように住んでいる。そこではペストが蔓延しており、多数の死者を出している。そこで科学者たちは治療薬を作るためにデータを集めるべく一人の女性を送り出す。
 そうか、この女性をサイボーグであるヴァン・ダムが守るんだな、と思ったらなんとどっきりびっくりサイボーグなのは女性だったのだ。データを分析し蓄えるために頭の内部を機械に交換しているのだ。面白いアイディアだが、タイトルにするほどでもないだろうに。しかも、実はその能力もあまり役に立ったとは思えない。改造され損?

 世紀末救世主伝説『北斗の拳』というか『マッドマックス』を100倍希釈したぐらいの浅い近未来感。セリフをなるべく用いず映像で説明しているのだが、それが下手なものだから人間関係などがさっぱりだ。
 アクションがダラダラと延々ひたすらに続くだけ。途中で思わず寝てた。いかんいかんと起きて観直したらまた寝てた。緊張感が欠片もない。
 目玉のアクションも単に殴ったり蹴ったりしているだけでシチュエーションや技などの工夫が少ない。登場人物たちの身体は割と動いているようなのでもったいない。
 ヴァン・ダムが十字架にかけられたりと、なんかそれっぽいことをやっているが、特に意味はなくそれっぽいだけ。中味がないぞ。
 ヴァン・ダムに付きまとって一緒に旅をする少女が出てくる。その少女が海で泳ごうと全裸になった時の後ろ姿が、腰から臀部にかけてのボディラインなどが崩れていてがっかりだ。

B0000APZPZ.jpg『ブラッド・スポーツ』(1987) BLOODSPORT 93分 アメリカ

監督:ニュート・アーノルド 製作:マーク・ディサール、ヨーラン・グローバス、メナハム・ゴーラン 脚本:シェルドン・レティック、クリストファ・コスビー、メル・フリードマン 撮影:デヴィッド・ワース 音楽:ポール・ハーツォグ、マイケル・ビショップ
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ドナルド・ギブ、リア・エヤーズ、ノーマン・バートン、ボロ・ヤン、ヴィクター・ウォン、フォレスト・ウィッテカー、ロイ・チャオ

 記念すべきヴァン・ダム初主演作。ただし日本未公開。
 2年の間にまだ訛りはあるもののかなり英語が上手くなり、身体もより絞り込まれた。
 今回のヴァン・ダムはアメリカ軍人。香港で極秘開催される“クミテ(組み手?)という異種格闘技戦に出場するために軍を脱走する。
 ヴァン・ダムは少年時代に、戦時中に広島で原爆にて家族を失いアメリカへとやって来た武道家(本業は魚の養殖。どうやら金魚や鯉などの観賞魚)田中に才能を見出され武道の道へと進むことになる。田中はアメリカで再婚しており新しい息子も生まれていて、ヴァン・ダムより少し年下のその少年は兄弟のような間柄になるが、息子が理由は明らかにされていないが死んでしまう。
「これで2000年間、父から子へと伝えられてきた田中流も終わりか」と嘆く田中にヴァン・ダムは「俺に教えて下さい」と頼み込む。
「お前は日本人じゃないし、田中でもない」と断る田中だが、ヴァン・ダムは「先生は広い視野を価値観を持てと教えてくれたではないですか」と返す。
 そして苦しい訓練が始まる。目隠しをして日常生活や組み手を行ったり、ツボが書かれた図を参考に的確に相手の急所を突く訓練。ただ、この図に「針灸の十四経穴の掛け図」と日本語で書かれているんだよな。針灸師用のツボ図なのだ。これでは相手にダメージを与えるどころか、健康にしてしまうのではないだろうか?あったら面白いだろうな、「酔えば酔うほど強くなる」ではなく「戦えば戦うほど強くなる(相手が)」な武道。

 “組み手”には世界中から武道家たちが集まってきている。開催地香港のクンフー、レスラー、イスラムの戦士、『あしたのジョー』に出てきたハリマオのように四つんばいになってピョンピョン跳び回り素早く攻撃してくる黒人戦士。そして、『燃えよドラゴン』や『Gメン’75』などで有名な香港のムキムキマンことボロ・ヤン。
 ボロ・ヤンは太極図の刺繍が入ったハチマキをしており、どうやら韓国選手らしい。使うのは空手+クンフー系の武術でテコンドーじゃないんだけどね。言動が乱暴で、対戦相手を惨殺しては楽しむといった非道ぶり。この映画は韓国の人からの評判は悪いだろう。

 異種格闘技といっても打撃系が中心で、関節技や寝技は登場しない。唯一、日本の相撲取りが見せる鯖折りが特殊なぐらいか。ただし、この相撲取りは香港映画でたまにみるあっちの俳優さんなんだよね。つまり偽物。まぁ、本家大相撲でも外人力士が優勝するのも当たり前になっているんで外人がやってもいいんだが、どうみてもただ単に体格が良くてちょっと太ってるだけの人。
 ヴァン・ダムが自ら監督を務めた同じく異種格闘技戦を扱った『クエスト』にも相撲取りが登場するが、こちらはなんと北尾。一度は大相撲の頂点に立った男だけ会ってさすがに『ブラッドスポーツ』のインチキ相撲取りとは格が大幅に違う。

 軍を脱走したヴァン・ダムを捕まえにアメリカから二人の捜査官がやってくるが、その一人がアメリカの釣瓶ことフォレスト・ウィッテカー。後にイーストウッドの『バード』で主演したり、ついには『ラストキング・オブ・スコットランド』(2006)でアカデミー主演男優賞を受賞することになるとは当時誰が思っただろうか。
 散々ヴァン・ダムに振り回されて捕まえることが出来なかったあげくに、ラストには組み手会場でヴァン・ダムを応援している。

 映画の終わり、ストップモーションになったヴァン・ダムの顔に、「この主人公は実在の人物フランク・W・デュークをモデルにしている。彼は格闘技大会で数多く勝利し、最短KO記録、KOキックの速度記録、連続KO記録などを持っている。」との表示が出てくる。
 おお、これはすごい人がいたものだと思っていたが、「そして引退後、彼はアメリカで忍術道道場を始めた」でカクン。忍術道ってなぁ、オチを付けるなよ。なんか怪しいが、実在するのか?

「クミテ、クミテ、クミテ、クミテ」の主題歌も楽しく、若きヴァン・ダムを堪能できるなかなか面白い作品だ。

c4b6d0b28fa.jpg『シンデレラ・ボーイ』(1985) NO RETREAT, NO SURRENDER 99分 アメリカ・香港 1988/5/24鑑賞

監督:コリー・ユン 製作: ン・シー・ユエン 原案:ン・シー・ユエン、コリー・ユン 脚本:キース・ストランドバーグ 撮影:ジョン・ヒューネック、デヴィッド・ゴリア 音楽:フランク・ハリス
出演:カート・マッキニー、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、キャシー・シレーノ、J・W・フェルス、キム・ダイ・チョン

 1988年5月深夜、サークルの新人歓迎会と二次会に参加したわたしはものの見事に終電に乗り損ね、2人の先輩と共に名古屋の繁華街・栄をさまよっていた。すでに初夏は近く気温も高かったがさすがに野宿はつらい。そこで映画館のオールナイトで朝まで時間をつぶすことにした。
 当時、栄には東映の映画館があった。3スクリーンあって、邦画系が2スクリーン、残りの1スクリーンが洋画系だった。洋画は『ガバリン』の続編の『タイムトラぶラー』だった。3人とも『ガバリン』を観ていたので(観てるんかい)こいつを観ることにした。そしてその同時上映としてわたしは『シンデレラ・ボーイ』に出会うことになる。
 客はわたしたち3人しかいなかったで気兼ねせずに歓声や笑い声をあげながらの鑑賞だった。
「そうくるかー!」「そうきましたかー!」とツッコみ、良いシーンでは拍手をした。嫌な奴が大写しになったらブーイングを浴びせた。アメリカ人のような映画鑑賞態度で、わたしにとってこれまでになく楽しい映画鑑賞だった。

 主人公である少年ジェイソンの父はロスアンゼルスで空手道場を開いていた。しかし、そこに全米の空手道場を支配しようとする謎の悪党集団が乗り込んでくる。敵の親玉は我々の支配下に入れと問答無用で命令してくるが、父親はそれを拒否して襲いかかってきた手下達を倒す。だが後ろに控えていたロシア人格闘家のイワンとの戦いに敗れ、膝を折られてしまう。もう空手の出来なくなった父は、道場を閉鎖し仕事を求めてシアトルへと家族を連れて引っ越した。
 父のもとで空手を学んでいたジェイソンは、事件によってよりいっそう武術にのめり込んでいく。シアトルにはブルース・リーの墓があり、そこで「空手が上達しますように」と願うジェイソン。だがブルース・リーのは截拳道で空手じゃないし、『怒りの鉄拳』や『ドラゴンへの道』を見る限りでは空手を嫌っていたようだが、そのあたりはどうなのだろうか。
 慣れぬ土地でイジメなどにも遭い苦しむジェイソン。「イジメは日本独特」だとか、「他の国にイジメはない」なんてことを自称海外の教育にも詳しい識者とやらがいっているが、『シンデレラ・ボーイ』からもそれが嘘であることが分かる。
 酒場のバーテンになった父親はすっかり惨めったらしくなってしまい、ジェイソンにも武術を禁止してもめ事を避けるように教える。口げんかになって家を飛び出したジェイソンは、再びブルース・リーの墓を訪れそこに刻み込まれたブルース・リーの写真に悩みを打ち明ける。そしてその晩、トレーニングに使っている空き家に一人の男がやってくる。中国服に身を包んだその男は、ブルース・リーに瓜二つだった。(実際にはほとんど似ていないが、魂の目で見るべし)
 リー・タイガーと名乗るその男はジェイソンに武術を教える。厳しい稽古にも根を上げずジェイソンの腕前はどんどん上達する。だがしかし、空手業界統一を狙う悪の組織の手はシアトルにも伸びてきたのだった・・・

 リー・タイガーが稽古を始める前に「武術とはなにか」をジェイソンに説明する。
「武という字は“戈を止める”(Stop Violence)と書く。お前が武術を学ぶのは誰かを倒すためではなく救うためだ」といったようなことを言う。このシーンがこの作品の肝であるように思う。単に稽古を積ませたり強くするだけの作品はいくらでもあるが、何のために力を身につけるか、その力をどう使うべきなのかがこの作品のテーマでもあるだろう。
 確かにこの作品はB級だし安っぽいしジャン=クロード・ヴァン・ダムは180度開脚をする。だが、それと面白いかつまらないかは関係がない。心の目で見て、考えずに感じるんだっ!
 いじめっ子のデブが見事なまでに憎たらしい。走ると肉がタップンタップンするいかにもアメリカンなデブで、かぶりついたハンバーガーからケチャップなどが飛び出して頬にべったり付いても平気な顔で食べ続ける。ジェイソンを目の敵にしていて、何かにつけて暴力をふるったり陥れたりする。こいつの前では原作版ジャイアンですら手ぬるく見える。劇場版のジャイアンに至っては物の数ではない。ちなみに悪意を持って登場する度に「パパパパーン」と『ウルトラマン』のオープニングそっくりの音楽が流れる。
 ジェイソンの親友となる黒人は、髪にかなりのくせ毛だが、どうもかつらに見えてしょうがない。スケボーで技を決めたりするが、そのカットは腰から下しか映らないか背中を向けての物だけで、どこをどう見てもスタントだ。そしてダンスも得意なのだが、懐かしのムーンウォークは足しか映らず、背中で回転するブレイクダンスは執拗に顔を隠し、これまたどうみてもスタント。何故こいつがキャストに選ばれたのか理解に苦しむ。エディ・マーフィーやクリス・ロックばりのマシンガントークがあるわけではないし、インチキくさいラップは一応本人が歌っているもののこれが下手。以来わたしは「こいつひょっとしたら黒人じゃないんじゃないか?」との疑惑を持っている。『ミスター・ソウルマン』で日焼けとパーマでエセ黒人に化けたC・トーマス・ハウエルがその正体なんじゃないだろうか。あるいは歌手時代の田代まさし?
 ジェイソン役のカート・マッキニーは、ちょっとボクちゃん系ではあるが割と二枚目だし、格闘技が出来て体付きもしっかりしている。演技もそれなりにこなしていたんで次回作を楽しみにしていたのだが、その後姿も見ないし名前も聞かない。
 悪役で出番も少ないが一番おいしかったのがイワン役のジャン=クロード・ヴァン・ダム。ベルギー出身で言葉に訛りがきついため非英語圏の人物を演じることが多く、今回はロシア人役。セリフはほとんどない。『シンデレラ・ボーイ』でのアクションは素早くキレがあった。
「これからはこの男の時代が来るぜ?」と直感し、『サイボーグ』『キックボクサー』『ブルージーン・コップ』『ストロンゲスト 史上最強の映画スターは誰だ!?』『ライオンハート』『ダブル・インパクト』『ユニバーサル・ソルジャー』『ボディ・ターゲット』と公開される度に映画館へと駆けつけたが、なかなかヴァン・ダムの時代は来なかった。というかいまだに来ていない。
 『サドンデス』(1995)を最後にヴァン・ダム作品は映画館で観なくなってしまった。また映画館へと足を運ばせる作品を作って欲しい。(この文章は2005年5月28日に書いたもの。『その男ヴァン・ダム』で14年振りにヴァン・ダム映画を劇場で観て惚れ直した)
 悪党どもの狙いが空手業界統一というのももう一つ意味が分からなくて良い。アメリカ中の空手道場を手中に収めるってあんた、小学生の書いたお話じゃないんだから。いいなー。
 監督のコリー・ユンはユン・ピョウのトンデモ活劇『検事Mr.ハー/俺が法律だ』(1986)や真田広之の『龍の忍者』(1982)の人。元はアクション俳優だったらしい。製作はユエン一族だし実質香港映画かな。コリー・ユンは最近では『トランスポーター1,2』や『レッドクリフ Part1』でアクション監督をやっているなかなかな売れっ子。

 後にヴァン・ダムの名前が世間に広まった時に、『ノーサレンダー』のタイトルで再度ビデオソフト化されている。ビデオレンタル屋によっては『シンデレラ・ボーイ』はなくて『ノーサレンダー』しか置いていないかもしれない。(そもそもこの作品自体置いていない店の方が多いかもしれないが)
 『ノーサレンダー』のパッケージはジャン=クロード・ヴァン・ダム主演作のように見せているが敵役なのでお間違えなく。だが、日本で始めて公開されたヴァン・ダム出演作品なので、興味がある方は観ておいた方が良いだろう。DVDにはまずならないだろうし、このまま消えていく作品だ・・・出してよ、死んでも買うから。
 ちなみに、うちのATOKは「しんでれ」と打った時点で自動学習の変換候補に『シンデレラ・ボーイ』が出てくる。

jcvd.jpg『その男 ヴァン・ダム』(2008) JCVD 96分 ベルギー/ルクセンブルク/フランス

監督:マブルク・エル・メクリ 製作:シドニー・デュマ 製作総指揮:ジャン=クロード・ヴァン・ダム、マルク・フィズマン 脚本:マブルク・エル・メクリ、フレデリック・ベヌディス 撮影:ピエール=イヴ・バスタール 美術:アンドレ・フォンスニィ 編集:カコ・ケルバー 音楽:ガスト・ワルツィング
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム、フランソワ・ダミアン、ジヌディーヌ・スアレム、カリム・ベルカドラ、ジャン=フランソワ・ウォルフ、アンヌ・パウリスヴィック、サスキア・フランダース、ディーン・グレゴリー

 愛知県の阿久比ユナイテッドシネマというところで1月22日金曜日の18:30から始まる第二回目の回、というか一日二回上映なんで平日メインの回なんだが
「観客、オレ一人かよっ!!」
 235人入る劇場を独り占め。というかレンタルビデオ借りて来て家で観てるのかよ。どんだけ豪華なホームシアターなんだよ。
 これが東京ならまだ事情は違うのだろう。人口も多いし、趣味も多彩。ジャン=クロード・ヴァン・ダム映画にだって人は入っているはず。しかし、ここは田舎。人が入る映画だけ満員で、入らない映画は本当に入らないのが田舎における文化の貧しさ。ヴァン・ダム映画に人が入ると文化が豊かなのかと言われるとちょっと迷うが。
 ヴァン・ダムが落ち目のアクションスターを演ずる。そのスターの名はジャン=クロード・ヴァン・ダム……ってそれ本人じゃん。激しいアクションはキツくなってくるし、出演作は東欧で撮影した劇場公開なしでDVD化のみのいわゆるビデオ・ダイレクト。二昔前の東映でいうところのVシネマの類だ。メジャーな作品への出演オファーもスティーヴン・セガールに奪われるし(その役のためにセガールがポニーテールを切ったということになっている)、別れた妻とは娘の親権争いで裁判の真っ最中。
 映画のオープニングでもある1カット長回しアクションに疲れ次回作もろくな企画がない。故郷のベルギーに休暇で戻ってきたヴァン・ダムは、弁護士への振込をするために郵便局へ。ところが、その郵便局は強盗に押し込まれている最中で、なんと警察はヴァン・ダムが犯人だと思い込む。人質と共に郵便局に籠城した犯人は、ヴァン・ダムを真犯人に仕立てて警察との電話交渉に当たらせる。

 と、ここまで聞くとコメディにしか思えない。ところがこれが違う。
 犯人の中にヴァン・ダムファンがいて、犯人:「ジョン・ウーはあんたの『ハード・ターゲット』でハリウッドに来れたのにあんたを捨てた。あんなやつ、あんたがいなければ今でも香港でハトを撮ってるよ」、ヴァン・ダム:「でも『フェイス/オフ』は傑作だぜ」、犯人:「でもあんたは出て無いじゃないか。まぁ、『ウインドトーカーズ』がクソだったから罰は当たったか」(『ウインドトーカーズ』は映画史に残るぐらいの大赤字作品)みたいなコミカルな部分もあるが、ほとんどは立てこもり犯と警察の対立、そして人質の描写に当てられていて、かなりシリアス。
 そんな中で、ヴァン・ダムが自らに向き合い、映画館なので時間は計っていないが3分はありそうな1カットのモノローグで英語も分からないのに映画スターを夢見てベルギーからハリウッドに出てきたこと、次第に成功してきたが自分がこれまで生きてきた「オッス」で心が通じ合い嘘がない空手という武道の世界から「騙した者が勝ち」のハリウッド社会に毒されていき、その中で「愛だけは信じられる」と結婚・離婚を繰り返したこと。一度はドラッグに溺れそして抜け出してきたことを涙ながらにカメラに語る。実に良いシーン。ヴァン・ダム一世一代の大芝居だ。
 そして事件は映画的な解決を幻想として一瞬見せてくれた後に、現実の解決をヴァン・ダムを突き放したように映す

 電話での交渉で「100万ユーロと飛行機を用意しろ」と犯人から警察に伝えるよう指示されるシーンで、「オレはヴァン・ダムだぞ。そんなのリアリティないだろ」というのが実に笑える。さすがスティーヴン・キングが『不眠症』の中で「ジャン=クロード・ヴァン・ダム映画と同じくらい嘘っぽいものだ」とリアリティの無さを示す形容詞的に使われただけのことがある。ここでヴァン・ダムが取った行動から、意外なラストへと繋がっていく。

 親権裁判の証人席に立った娘から、「パパのことは好きだけど、パパがテレビのトークショーなんかに出ると次の日にみんなから笑われるの。それは嫌なの」と言われてしまったヴァン・ダム。
 だが、別の形でテレビに出たヴァン・ダム。それを観た娘は……。

 籠城事件が郵便局のお互いの様子が分からない中と外で、しかも時間軸が巧みに入れ替わっていて観客にも最初は状況が分からない。ジャン=クロード・ヴァン・ダムがヴァン・ダム自身を演ずるメタ映画。そのパズルのパーツが次第に一つ一つ埋まっていく快感。ハリウッドとは違うヨーロッパ映画だ。そこにはフランス語圏のベルギー人であるヴァン・ダムのヨーロッパの雰囲気がよく似合う。オレの知っている中で一番有名なベルギー人はエルキュール・ポワロだが、彼は架空の人物なので実在の人物ではヴァン・ダムが一番。ちなみに二番目は知らん。TVシリーズ『空飛ぶモンティ・パイソン』の中ではやたらとひどい扱いだった。

 ところでオレはヴァン・ダムが好きだ。セガールも好きだけどな。
 でも、この作品がセガールだったら説教くさくなるだろう。というか、セガールだと本人役のメタ映画でも郵便局強盗を瞬殺しそうだからなぁ。
 同じ系統のアクションスターだとウェズリー・スナイプスもいるが私生活がスカしてそうでピンとこない。ヒップホップを流しながら高級車乗ってるとかさ。
 先輩クラスにチャック・ノリスがいるが、チャックさんは本当に人格者らしいからなぁ。いろいろと人生が破綻しちゃってるヴァン・ダムだから面白いわけで。

 ラスト、ある人物の姿をガラスに映ったシルエットで表現するそのセンス。マジでちょっと泣いたよ。ヴァン・ダム映画で泣くことになるとは思いもよらなかった。
 ヴァン・ダムのキャラクターがあってこその企画で、ヴァン・ダムの出演あってこその作品。単なる自虐ギャグ作品なら出る人もいるだろうが、自虐じゃないんだよ。コメディともシリアスとも違うこんな作品によくぞ出たヴァン・ダム。もう、こんな映画が作られることはないだろう。
 現時点でオレにとって今年一番。ヘンテコ感動面白映画だっ!

B001F4C6PC.jpg『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ ファースト・シーズン』(2008) TERMINATOR: THE SARAH CONNOR CHRONICLES 392分 アメリカ

製作総指揮:ジョシュ・フリードマン、ジョン・ワース
出演:レナ・ヘディ、ーマス・デッカー、サマー・グロー、リチャード・T・ジョーンズ

『ターミネーター』(1984)で未来の救世主を産むことになるという理由で命を狙われながらもターミネーターを倒し、『ターミネーター2』(1991)ではその救世主ジョン・コナーを守り抜き、スカイネットの元となる研究も爆破したサラ・コナーを主人公とした物語。です
 時間軸的には『ターミネーター2』と『ターミネーター4』(2009)を繋げる話しでしてTV独自の番外編ではなく正伝であります。
 ターミネーターはこれまでシュワルツェネッガーの筋肉モリモリT-800からT-1000のスリムなリキッドメタルタイプ、美女タイプT-Xと出てきましたが、今回は男ターミネーターに混ざって、ジョンとサラの味方となる美少女ターミネーターTOK715が登場します。なんかATOKっぽいモデル名な気がするのは私だけですか。ATOK715となると本人が書こうとする以上の文章を勝手に入力してくれそう。MS-IMEなんてOSのオマケですよ。やっぱATOKですよ、2月6日にバージョンアップですよ。一太郎なんてATOKのオマケですよ。
 日本のコミックやアニメに触れている身からすると「やっとかよ」という感じがしなくもないですが、感情を持たない機械の(作中ではまたサイボーグって言ってますが、アンドロイドですよね)美少女ターミネータが次第に人間を学んでいく。そこら辺は『T2』でやったことですが、シュワルツェネッガーがやるのと美少女がやるのとではまた違った味わいがあるってもんです。
 ちなみに美少女ターミネーターの名前はキャメロンと言います。1,2の監督であるジェームズ・キャメロンからとったギャグなんでしょうね。最初はずっとキャメロンと呼んでいるので、苗字じゃなくて名前で呼んでやれよと思いましたが、キャメロン・ディアスみたいに名前でも使われてますねそういえば。
 スカイネットの元は破壊したはずなのに、何故機械が人間に戦争を始める審判の日が起きることになっているのか。スカイネットを作るのは誰なのか?
 そして、地味な脇役ですが、サイバーダイン社爆破犯容疑でサラ・コナーを追うFBI捜査官もこれが普通の事件ではないことに次第に気づいていきます。
 アクションはありますが、TVシリーズなんで控えめ。どちらかというとサスペンス的要素の強いストーリー展開で、1話観始めるとなかなか途中で止められない。ファースト・シーズンは全9話と小シリーズなのが救いです。1年半ほど前に今さら『ツイン・ピークス』を観返し始めた時は生活がボロボロになりました。これが『Xファイル』にでもハマろうものなら、止められない止まらないでえらいことになるでしょう。
 最近、NHKのBSハイビジョンで『刑事コロンボ』シリーズの再放送が始まりましたが、TV放映なら素直に待つしかないし、1話完結ですからそこまであとを引かない。
 ファースト・シーズンというからにはセカンド・シーズンもあるわけで、こちらは長目で全22話が今年の4月17日までアメリカでは放映されるようです。その22話から『ターミネーター4』に繋がるんでしょう。……ってことは日本の観客はどうすればいいの?日本でもリアルタイムかそれに近いタイミングで急いでリリースしてよ。
 舞台は2007年ですんで、ぶっちゃけていうと「『ターミネーター3』はなかったことに」というわけです。ファンから評判悪かったですからねぇ、あれ。オレは好きなんですけど。ジョン・コナーは不細工すぎたしヒロインもオバサンタイプであれでしたけど。

追記:と思ってたら『ターミネーター4』の監督はこのシリーズとは関係ないと発言しているそうです。『T4』は『T3』の続きになるのか?それから『T6』まで作る気みたいですね。どうなることやら。

griz_jacket.jpg『グリズリー』(1976) GRIZZLY 92分 アメリカ

監督:ウィリアム・ガードラー 製作:ハーヴェイ・フラックスマン、デヴィッド・シェルドン 製作総指揮:エドワード・L・モントロ 脚本:ハーヴェイ・フラックスマン、デヴィッド・シェルドン 撮影:ウィリアム・アズマン 編集:バブ・アズマン 音楽:ロバート・O・ラグランド
出演:クリストファー・ジョージ、アンドリュー・プライン、リチャード・ジャッケル、ジョーン・マッコール、ジョー・ドーシー、ヴィッキー・ジョンソン、チャールズ・キッシンジャー、カーミット・エコルズ、トム・アーキュレイジ

 平和な森林が広がる国立公園。シーズンは過ぎて秋深くなってきたとはいうものの、そこではキャンパーやハイカーたちが楽しく過ごしていた。
 ところがキャンプの帰り支度をしていた二人組の女性の一人がトイレットペーパーを片手に茂みに入ったところを何者かに襲われ、切断された腕が宙を飛ぶ。そしてもう一人も巨大な影に襲われる。
 二人の遺体を発見した公園監視員隊長は熊の仕業だと断言。熊の捜索を始めるが下着姿で水浴びをしていた女性公園監視員も熊に襲われる。後にそいつは雄だと判明するがなるほど、納得である。
 頭がガチガチで保身しか考えない上司も当然登場する。その上司が素人ハンターを大量に公園へ送り込んだことからさらに自体は混乱。
 そこへ現れた動物の専門家がみなに言う。
「これは熊の仕業じゃない。グリズリーだ」

 “グリズリー”とは“ヒグマ”のこと。百科事典によると大きな物だと体長2.8メートル、体重780キログラムにも達するとあるが、映画に登場するのは18フィートつまり5メートルはある超大型。体重は1トンはあるだろうとのこと。
 そんな巨大なグリズリーがいるはずないじゃないかという問いに、動物の専門家は100万年前にはいたと言い切る。そいつの生き残りじゃないかと匂わせているのだが、だったらティラノザウルスだって大昔にはいたよな。
 このグリズリーの襲い方が豪快で猛烈。片手を振ると馬の首ぐらい吹っ飛んでしまう怖ろしさ。木で作られた監視塔だって体当たりで倒してしまう。理性の欠片もありゃしない、あんたってほんとけだものねっ。
 そんなけだものでも、子供だけは襲わない、と安心させておいてやっぱり襲う。その子供を助けるために、大の男でさえ尻尾巻いて逃げ出すグリズリーに立ち向かうお母さん。やはり母は強し。殺されちゃうけどな。子供も辛うじて死んではいないけど片足無くなってたし、手術次第でどうなるか微妙ってことになってるし。ここら辺がなかなかシビア。
 でも、前半の巨大な手や足、胴体だけが移る時は怖さを感じるんだけど、実際に全体を表すとこれが目がちんまりと可愛らしくて熊牧場なんだ。もちろん、ヘリコプターに襲いかかる(じゃれてる?)シーンから見ると2?2.5メートルぐらいだからかなりデカいんで、まともに向かい合ったらウィリー・ウイリアムスでも瞬殺なんだろうけど。熊は割としつけることが出来るらしいから、こんな映画も低予算で製作可能だったんだろう。人間や動物を切り裂く爪を持った巨大な腕はさすがに作り物だが、後は本物がほとんど。SFXもあまり必要ない。
 その点、この作品が大きな影響を受けていること間違いなしの『ジョーズ』(1975)では本物のサメの出番は少なかっただろう。
 動物の専門家は殺されて保存用の餌として埋められたのをゾンビのように甦ってくるがまたすぐ殺されなんの役にも立っていない。何がしたかったんだ?ラストはもちろんドカンと大爆発の爆発オチ。グリズリーを吹き飛ばした爆風でアフロになった(なってない)隊長がよろよろと膝を突く。こうして多大な犠牲者を出したグリズリー事件もやっと終結を向かえたのであった。
 嫌な上司も、都会から来た女性カメラマンのヒロインはほとんど活用されておらず、ここら辺も『ジョーズ』に比べるとやはり弱い。当時は天才児だったスティーブン・スピルバーグが相手では無理もないのだが。そして、現在もなおかつ変わらずに天才児なのがスピルバーグの不幸なのだと思うのだが、それはまたそのうち。

 グリズリーに襲われる子供が後に意外と有名な俳優になったという記憶があった、具体的には幼少期のチャーリー・シーンだったと思ったのだがこれがてんで間違い。そもそも子供金髪だわ。

B00139FT5S.jpg『ザ・シンプソンズMOVIE』(2007) THE SIMPSONS MOVIE 映画 87分 アメリカ

監督:デヴィッド・シルヴァーマン 製作:ジェームズ・L・ブルックス、マット・グローニング、アル・ジーン、マイク・スカリー、リチャード・サカイ 原作:マット・グローニング 脚本:ジェームズ・L・ブルックス、マット・グローニング、アル・ジーン、イアン・マクストーン=グレアム、ジョージ・マイヤー、デヴィッド・マーキン、マイク・リース、マイク・スカリー、マット・セルマン、ジョン・スウォーツウェルダー、ジョン・ヴィッティ 音楽:ハンス・ジマー
声の出演:ダン・カステラネタ、ジュリー・カヴナー、ナンシー・カートライト、イヤードリー・スミス、ハンク・アザリア、ハリー・シェアラー、アルバート・ブルックス、トレス・マクニール、グリーン・デイ、トム・ハンクス

 途中でトム・ハンクスが登場するが、その声をトム・ハンクス自身が担当している。
でもって、その吹替がちゃんといつもトム・ハンクスの吹替をやっている江原正士になっている。『プライベート・ライアン』DVD版などで吹き替えている人だ。笑った。
「映画を真面目に観るなら字幕に決まっとる。吹替なんか邪道だ」という人もいるが、テレビの洋画劇場で育ったのでオレは吹替で観ることになんら違和感はない。
 ブロンソンの声は大塚周夫とかマイケル・ホイの声は広川太一郎だとか、同じ人の声はやはり同じ人に担当して欲しい。
 その点で、劇場公開時の『ザ・シンプソンズ』は吹替キャストを芸能人に総入れ替えしてしまって大酷評だったそうだ。TV版を観ていないオレでも気持ちは分かる。TVドラマを映画化したらキャストを総入れ替えしてしまったようなものだ。そりゃ不満の声が上がる。
 最近、外国映画が日本映画に押され気味なので、話題作りのために芸能人吹替を使うのだろう。気持ちは分からなくもないが、アイドルや芸人にしても最低限の技術を持った人を使って欲しい。
 同じ役も出来れば同じ人に演じてもらいたい物で、『木枯し紋次郎』はTVシリーズは中村敦夫でお馴染みなのだが、1972年の映画版は何故か菅原文太。違和感あったよ。菅原文太では中村敦夫版紋次郎が持っていたニヒルさが表現できてないし。まぁTVシリーズも1972年スタートなのでまったくの別企画だったとか、ほとんど無名だった中村敦夫を映画の主演に持ってくるにはネームバリューがなさすぎたとか色々事情があったんだろうが。

 無責任な父親ホーマー。暴れん坊の長男バート。賢い長女リサ。時に大活躍する赤ん坊。そして一家を支えるお母さんマージのシンプソン一家。やはりアメリカでも母は強しか。
 原発が建っているシンプソン一家の住む街がホーマーのこれまた無責任かつ勝手な行動で大規模な環境汚染が発生して大騒ぎ。政府は街全体を巨大なドームで覆って住民たちを閉じこめる。自分たちだけ命からがら逃げ出したシンプソン一家だが、政府は次に更なる怖ろしい計画を実行に移す。自分勝手さから一家に見放されてしまったホーマーはついに決意する。
 かなり毒のあるストーリーがギャグ満載でテンポ良く展開される。脚本家がやたらと多いが、メインの脚本家とギャグ担当がいる分担制なのだろうか。
 エンドクレジットもちゃんと観ること。「映画を作ってくれた人の名前を知るのは大切なことだぞ」とホーマーに怒られるぞ。

B001G9EBWM.jpg『地球の静止する日』(1951) THE DAY THE EARTH STOOD STILL 映画 92分 アメリカ

監督:ロバート・ワイズ 製作:ジュリアン・ブロースタイン 原案:ハリー・ベイツ 脚本:エドマンド・ノース 撮影:レオ・トーヴァー 編集:ウィリアム・レイノルズ 音楽:バーナード・ハーマン
出演:マイケル・レニー、パトリシア・ニール、ヒュー・マーロウ、サム・ジャッフェ、ビリー・グレイ、フランシス・ベイヴィア、ロック・マーティン

 現在、リメイク版の『地球が静止する日』(2008)が公開されているが、そのオリジナル版。「地球“の”」と「地球“が”」とタイトルがちょっと違う。
 ある日、ワシントンの野球場に空飛ぶ円盤が着陸する。降りてきた宇宙人が差しだそうとした情報端末を武器と勘違いした軍人がガバメントを発砲し宇宙人は負傷。収容された軍の病院で宇宙人クラトゥは各国の代表者を一堂に集め会見したいと申し出るが、東西冷戦の時代でソ連は「モスクワで行うなら参加する」と言い、ある国は「モスクワで行うなら参加しない」と意見がまとまらない。
 要求が通らないと感じたクラトゥは病院を抜け出し、地球人を観察するためにある下宿屋に部屋を借りる。そこで第二次大戦のアンツィオで夫を亡くした未亡人とその息子と知り合う。
 人間の文化を学びながら、クラトゥは円盤を調べるために各国から集められた科学者の一人とコンタクトを取ることに成功する。科学者はみなに話しを聞かせるためにはインパクトのあるデモンストレーションが必要だと告げる。
 そして、地球は静止した。

 宇宙にはロボットによる警察組織があって、自分の星の中で殺し合いをやっている内はかまわないが、他星に危害を加えた時には宇宙の塵にされてしまうのだ。地球人が原子力を手にしたため、それを宇宙に持ち出して他星を攻撃するのではと危惧した宇宙人が警告をしに来たのである。
 地球人に平和を守るように伝えに来る宇宙人だが、それは地球人の進歩発展を願ってのことではない。
 考えようによってはこの宇宙人はアメリカの姿ではないだろうか。世界の警察を気取り、問題を起こせば容赦なく軍事的に攻撃してくる。信頼によってではなく監視によって成り立つ平和。自由な戦争と不自由な平和では不自由な平和の方が良いことは確かだが、より良いのは自由な平和だ。悪さをすれば宇宙人に殺されるから平和を守るというのもどこか窮屈だ。
 クラトゥは友好的な宇宙人ではあるが、傲慢さも感じてしまうのはオレがひねくれているからだろうか。

Spock0912.jpg ネット上の『RollingStone』誌上でこんな記事を見つけた。

「なぜ今、80年代映画が面白いのか?
80年代が生んだキモカワキャラ(2)
『スター・トレック』『E.T.』『グレムリン』……

Mr. Spock
ミスター・スポック
1作目の成功を受けて製作された『スター・トレック』(79年)の続編。前作の哲学的SFから一転、娯楽テイストを兼ね備えたアドベンチャー大作に。初めて本格的なCGを採用したことでも話題になった。写真のスポックはエンタープライズ号の副長であり、科学士官。高度な知性と豊富な知識によって、的確な情勢分析でカーク船長をサポートする。
紹介作品:『スター・トレック2 カーンの逆襲』」


 いや、『E.T.』や『グレムリン』はともかく、Mr.スポックは80年代のキャラじゃないから。キモカワキャラってのも微妙だし。
 ファーストの映画版は確かに80年代製作だが、元は60年代のテレビシリーズでその時から同じバルカン耳にバルカンサインでレナード・ニモイは登場していたから。それとの差は年を取って制服のデザインが変わったぐらいだ。
 平成仮面ライダーが流行っているからと言って、仮面ライダーを00年代代表キャラにはしないだろ。しっかりしてくれよ『RollingStone』。『炎の少女チャーリー』でチャーリーは最後に大手新聞社やテレビ局よりもあんたらを信じて政府の陰謀を伝えに行ったんだぜ。記事はちゃんと裏を取って書いてくれよ。
 まぁ日本版の記者が流し書いてるんだろうけど、しっかりしてくれ。

muratayunfa.jpg イラストは『男たちの挽歌2』(1987・1989年日本公開)公開時に後輩のM田が映画サークルの機関誌用に書いたものである。ちなみに無断掲載だ。不義理をしたんで連絡するとついでに怒られなきゃならんからな。どんな先輩だ。
 チョウ・ユンファ、黒のスーツにロングコート、そしてM92Fの二丁拳銃。こいつにオレはしびれたものである。
 二丁拳銃といえば「ハイヨー、シルバー!」のローン・レンジャーを思い出す世代もいるだろうし、誰もがみんな知らないが知っているというシュレディンガーの猫的な正義の味方月光仮面を思い出す世代もいるだろう。
 オレの世代は二丁拳銃=チョウ・ユンファ=ジョン・ウーだった。一発一発慎重に狙いを付けるのではなく、大体見当を付けるとその辺りに両手に持った二丁の拳銃を乱射する。このスタイルがひどく新鮮に感じられた。
 この銃撃戦のスタイルは『ハードターゲット』(1993)でジョン・ウーと共にハリウッドに渡り、『デスペラード』(1995)のロバート・ロドリゲスなどやクエンティン・タランティーノなどの賛同者を生み出し、『フェイス/オフ』(1997)で完全に定着する。
 スクリーン上では派手で強力な二丁拳銃だが、実際に撃ってみて当たるものだろうか?考える前にやってみる。銃はM92Fを二丁と行きたいところだが一丁しかないので同じくKSCのグロック17を使う。設定はM92F二丁なので弾はそれぞれ15+1の16発を装填する。
 まずはいつもの4.2メートルの距離から連射。
 バスバスバスバスッ!
 意外なほどあっと言う間に撃ち終えてしまった。トリガーハッピー状態になって時間が短く感じられたのかも知れない。

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 結果は意外と悪くなかった。着弾点が左に集中しているのはオレが右利きだからだろうか。
 標的に使っている東京マルイのプロターゲットは網で出来た箱状の物で命中したBB弾は底に溜まる。数えてみると22発命中していた。32発撃って22発だからおよそ7割。ガス・ブローバックだから反動はたかがしれているので、実銃ではとてもこうはいかないだろうがそれを承知で話を進める。
 人間の身体が標的だったら多分全弾近くが命中しており、まず撃ち倒している。撃ち終わった時には弾切れで無防備になり、両手が塞がっているのでリロードがすぐ出来ないので実用に難はあるが、雑魚は倒して最後の対決ならば使えるだろう。
 ついでに、もうちょっと標的に近づいて、ジョン・ウーがここぞで使う極至近距離で撃ってみる。立ち位置は2メートルだが腕を伸ばすので1.5メートルほどだ。

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 当然と言えば当然だが、さらに命中率は上がり32発中30発だった。今回も時間は2秒に満たないほどに感じられる。G-SHOCKのストップウォッチ機能で測っておけば良かったなと思ったが、考えてみるとオレには腕は二本しかない。
 これぐらいになると紙がビリビリに破れるんじゃないかと思ったが、30発ではまだ充分ではないようだ。

saa.jpg 西部劇でお馴染みのコルト社シングルアクションアーミー、S.A.Aである。保安官が持っていることが多かったため、平和を守るもの“ピースメーカー”の愛称を持つ。
 スミス&ウェッソン社が保有していたメタルカートリッジの特許が切れたため、1873年にコルト社が発売した。銃身の長さでいくつかタイプがあって、写真のは5と1/2インチのアーティラリーモデル。主人公が持っているのが大概これだ。他には脇役や町の人が持っている4と3/4インチのシビリアン、悪役が使っている7と1/2インチのキャバルリーなどがある。
 特注だと『OK牧場の決斗』で有名なワイアット・アープが使っていた16インチのバントラインスペシャルというライフルみたいに長いのもある。8インチを越えるのをバントラインモデルと呼ぶそうだ。
 さて、ここまで読んできて「あれ?」と思った点はないだろうか。1873年って意外と最近だよな。1836年の『アラモ砦の戦い』にも1848年から始まったカリフォルニアのゴールドラッシュにもS.A.A.はまだ出てこない。
 アメリカ帰国後に自分で映画を撮りだしてからのクリント・イーストウッドは『アウトロー』(1976)や『ペイルライダー』(1985)などで時代設定からだろう、メタルカートリッジ以前のパーカッション式のリボルバーを使っている。
 詳しいことは知らないが、金属薬莢を入れかえるだけのメタルカートリッジ式と比べて、弾倉の穴に銃弾・火薬・雷管と詰めていくパーカッション式は弾を込めるのが大変だそうだ。だから『アウトロー』のジョゼイ・ウェルズは何挺もベルトに挿して拳銃を持ち歩いていたのだろうし、『ペイルライダー』ではソリッドフレームの拳銃で弾倉を入れかえる素早い再装填を見せてくれる。
 パーカッション式より便利になったが、S.A.A.は現在のリボルバーのようにレンコン状の弾倉をフレームから横に出す(スイングアウト)させることが出来ず、弾倉右側にある排出口から一発一発出し入れする必要がありやはり装填には時間がかかった。S.A.A.とほぼ同じシステムのルガースーパーブラックホークが登場する『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』(1991)では銃が苦手なハーレー(ミッキー・ローク)が使っていて、銃撃戦で弾切れになっては再装填で大騒ぎしていた。そういえば、相棒のマルボロマン(ドン・ジョンソン)が使っていたのは昨日紹介したデザートイーグル。

 オレが持っているのはタナカのアーティラリーモデルだ。アーティラリーでもいくつかあるようだが、シリンダーの取り外しが出来るデタッチャブル・シリンダーの12発モデル。シリーズ初のリボルバー。はてさて試射の結果は?

target011010.jpg メチャメチャでした。右にずれるとか下に落ちるとか統一性が無く、バラバラに弾が飛んでいって修正のしようがない。シングルアクションなので一発一発ハンマーを右親指で起こすのだが、そこで待ちの時間が出来てリズムが作れないのも問題なんだろうか。
 調べてみるとこのモデルの命中率が悪いと言うことはないようなのでオレの腕が悪いのか、相性が悪いのだろう。リボルバーよりもオートマチックの方が圧倒的に好きなので、心理的に影響しているのかも知れない。
 撃った感じはイマイチだが、手に持って構えたり、指でくるくる回したり、そんで足の上に落として痛がったりと色々な楽しみ方が可能だ。これで気分はジョン・ウェイン。

50ae.jpg ハリウッド以上の派手な暴力描写で話題になった『ニキータ』(1990)。警官殺しの犯罪者として死刑になったはずの主人公ニキータ。しかし極秘裏に生かされ政府機関で一流の殺し屋となるべく厳しい訓練を受ける。
 野獣のようだったニキータは血の滲むような困難を乗り越え、銃、武術だけではなく化粧やオシャレまで身につけ、教官が卒業記念だとレストランへと食事に誘う。数年ぶりに表に出たニキータ。
 品の良いドレスに化粧と以前とは別人のニキータ。高級レストランの席上、教官は綺麗に包まれた一つの包みをニキータに手渡す。包みを開けた途端、ニキータの笑顔は凍り付く。中に入っていたのは一丁の拳銃。IMI社の大型オートマティックのデザートイーグル50AEだ。
 そう、これはデートなどではなく、最初の任務だったのだ。
 ここからレストラン、そして厨房へと続く銃撃戦は屈指の出来。細くて非力そうに見えるニキータにハンドガン最強と言われるデザートイーグルを持たせたところから生じる違和感に意味がある。ハリウッド版リメイク『アサシン』では妙な競技用ピストルに変更されていて興ざめだった。
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 デザートイーグルを顔に当てて祈るようなポーズのニキータはポスターにもなっていたはずで、DVDのジャケットにも使われている。
 他には『マトリックス』でスミスたちエージェントが使っている。あまりに凶悪なイメージがあるのか主人公側では意外と使われておらず、敵側で登場するケースが多いのではないだろうか。クリント・イーストウッドのダーティー・ハリーが使う44マグナム弾のM29の2倍の破壊力があるという。撃たれたら肉のかたまり。人を撃つ銃じゃないな。軍用拳銃との誤解もあるが、この威力は軍隊では不必要。スポーツシューティングやハンドガンでのハンティング様に作られたんだそうだ。

 とにかくデザートイーグルはでかい。昨日のM92Fは実銃で全長217mm、重量975gに対しデザートイーグルは全長270mm、重量は1990g。これにそれぞれ銃弾の重さが加わるから実際はさらに重い。ガスガンはさすがにそれほど重く、M92Fで810g、東京マルイのデザートイーグルで1110g。とはいえ、やはり1000gを越えると一気に重く感じる。ターゲットを狙っても銃身が安定せずフラフラしてなかなか狙いが定まらない。

target090109.jpg で、結果がこれ。左右はそれほどぶれていないが、上下の揺れが激しい。銃を支えるのに筋力が足りなくて動いてしまうんだろう。腕立てしなきゃ。
 メーカー自らが「ハンドガン最大のリコイルショック!」と反動を売りにしている。確かにこれまで撃った銃よりもガツンと来て、およそ1.5倍ぐらいの威力だろうか。このリコイルショックを楽しむのならこいつが一番。銃としてのリアルさは作り込みにちょっと甘いところがあるが、絵になるし撃って楽しい。そこら辺に放り出しておくと邪魔と色々楽しい銃なのだ。

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 『ダイハードシリーズ』のジョン・、アクレーン(ブルース・ウィリス)も『リーサル・ウェポンシリーズ』のマーティン・リッグス’メル・ギブゴン)、もちろん男たちの挽歌1、2のマイクorケンのチョウ・ユンファも使ってた。
 ジョン・ウーのM92F好きは有名で、ハリウッドデビュー作『ハード・ターゲット』ではジャン=クロード・ヴァン・ダムにM92Fとショットガンを使わせている。
 近作『その男ヴァン・ダム』(2008)でアクションスタートして落ちぶれたヴァンダムを演ずるメタ映画では「あいつはオレがハリウッドに呼ばなかったら、いまでもハト撮ってんだぜ」とかぼやいてるらしい。激しく見たい。
 『マトリックス1』の終盤でもネオが使ってたよな、たしか。
 味方じゃないけど、『ターミネーター2』でT-100が格子に引っかけていたのもM92Fだ。

 P92Fはイタリアのピエトロ・ベレッタ社が開発。NATO標準の9mmを使用し装弾数は15+1発。スライドを大きくえぐってバレル(銃身)を露出しているのが特徴で、一目でM92Fだとわかる。映画的には目立つのでGood!だ。
1985年にアメリカ軍の制式拳銃になり、そこにいたってはパワーパランスやら裏の駆け引きやら足の引っ張り合いなど政治圧力も色々あったようだが、銃は映画に付いてしか興味がないオレの耳には入ってこない。
 とにかく、アメリカ軍の制式拳銃というネームバリューもあって80年代末から90年代前半はやたらM92Fでスクリーンは溢れかえった。今では雑魚が持っていて当たり前の普通の銃。

 まず格好いい。グリップに細工がしてあっても握ってしまえば目立たないのだが、スライドの大胆なカットは人目見れば印象的だろう。
『ダイハード』(1988)でマクレーンが隠れていた場所が見つかってすわ銃撃戦かという時に、敵は他の物に惹かれてその場を立ち去る。ふっと息をついてマクレーンはハンマーに指を置いて引き金を引きながらゆっくりをハンマーを下ろす(デコッキング)。このことについて、M92Fのセイフティレバーデコッキング機能も付いているのだからそちらの方が安全確実じゃないか。いや、セイフティを使うとどうしても小さな音がする。マクレーンの行動は正しいとガンマニアの論争があった。
 映画ファンのオレとして言おう。それはその描写が一番格好良かったからだ。渋くて良いだろ?
 オレが持っているはKSC/M9A1。銃身下にフラッシュライトやレーザーサイトを搭載可能なタイプだ。

 まずパスッと撃つ。手にストレートに伝わってくる良い反動だ。
 今回は立て続けに残りの両手保持で19発撃つ。素直な弾道で大きく外れている感触はない。結果がこれ。
target1008.jpg
 ちょっと右下にずれるが、P99ほど大幅ではないので慣れれば使えそう。

p99.jpg ワルサー社が「新商品出したんでそろそろボンドもPPKからこっちへ切り替えてくれない?」と持ちかけたかは知らないが、第18作目の『トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997)からボンドが使い出したのがこのP99。ボンドカーやバイクがBMWとタイアップが目立つ作品なのでワルサー社とのタイアップもまんざら的はずれでもなさそう。でもこの頃はまだ良かった。『007カジノ・ロワイヤル』なんかソニーが自社資本のソニー・ピクチャーズ製作と言うことでこれでもかとソニー製品を登場させ、パソコンからデジカメ、警備カメラの記録メディアまでブルーレイ。携帯もソニーエリクソンだし、ここまであからさまだと逆に買いたくなくなるわ。『慰めの報酬』はまだ観ていないが、相変わらずソニーまみれなんだろうか。興ざめなんで自重しろよ。
 P99はMI6から支給されたわけではなく、ミッシェル・ヨー演ずる中国スパイのアジトで武器の並ぶ棚にあったのを「これ欲しかったんだよ。Qに頼んだんだけどまだくれないんだよな」と手にする。そこへ敵が押し入ってきてP99で応戦し、そのまま最後まで使う。うん?それって借りた物は返さないのジャイアニズムじゃ?中国政府の所有物を英国政府の職員が盗んだとも言えるわけだが、英国は香港だって返還したんだから拳銃だって返還するだろ。きっと、ラストシーンの後でちゃんと返しているに違いない。
 オレとしては、諜報員のジェームズ・ボンドが使うのはPPKのような小型オートが適していて、威力はあるだろうがかさばって隠しにくい中型オートのP99に乗り換える理由があまり見あたらない。そもそもP99って好きになれないし。こいつはグロックが流れを作ったフレームに樹脂を多用したタイプのオートマチック。近未来的なイメージを出そうとしたのだろうが、グリップ当たりのデザインがどうにもしっくりこない。一昔前の近未来的デザインと言った感じで中途半端に古い。ひと思いに二昔前の近未来的デザインまでいけば逆に洒落てくるのだが。
 何がかっこ悪いかといえばグリップが握った指の形にえぐれているところだ。使う人によって指の太さはそれぞれなんだから大きなお世話だっての。握ってみると意外にしっくりくるけど、それでもやはりかっこ悪い。
 メカニズム的には初弾はダブルアクションで二発目以降がシングルアクションになる(モデルによる)、プッシュ式のデコッキングボタンなど面白い機構があるようだが、オレは銃そのものが好きと言うより映画に出てくる銃が好きで集めてるから見た目重視。その点で野暮ったい感じの否めないP99は落第点。
 映画界でもあまり人気がないようで登場数は少なく、『ローグ アサシン』(2007)でジェット・リーが使っていたのが記憶に残っているぐらいか。

target090102.jpg 射撃結果は左上に大きくずれた。ただ、集中はしているのでクセを身体に覚えさせればなんとかなりそう。可変ホップアップが効き過ぎているのか?マルゼンから発売されてすぐ買ったので説明書が見つからず調整の方法が分からないのだ。しかも、専用のBB弾ローダーも無くしてしまって一発一発手で込めるのだが、マガジン底のバネが強すぎて非常にやっかい。
 もう棚に戻したが、多分ずっとそこで飾られたままだろう。

 そんなに寒くないな?と油断していたら一気に寒くなった。2008年の3月に富山の立山から名古屋に戻ってきたオレにとってはこっちは雪がないのがありがたい。富山の人には申し訳ないが、二度と積雪地帯には住みたくない。
 ところで、オレはミニチュアダックスフントを室内犬として飼っている。これまでは部屋の中にトイレもあったのだが、今住んでいるのは離れで、犬のトイレはドアの外にあるコンクリート敷きの土間に置いてある。この土間は2畳ほどの広さで冷蔵庫に電子レンジ、流し台に人間用洋式トイレまであり、食糧さえ確保すればこの離れで籠城戦が出来る。
 で、オレが外出している時はドアを開けっ放しにしているからそれでいいのだが、在宅時には当然閉めている。犬がトイレに行きたがる度にドアを開けていたのだが、これも毎日のこととなるとめんどくさい。かといって、細く開けておくだけでも冷たい空気が入ってきて暖房のありがたみが薄れる。
「やっちまうか」「やっちまおうぜ」
 というわけで、ホームセンターへ糸ノコを買いに行った。ドアに犬が出入りするための小さな穴を開けてしまおうというわけだ。アメリカ映画なんかだとドアに犬や猫が出入りするためのドアが付いていたりするが、あれの原始的な奴。映画のだと蝶番の扉が付いているが当然そんなのなしだ。

 糸ノコなんてどれでもいいだろ。そもそもそんなに種類無いだろうしと考えていたオレはホームセンターを甘く見ていた。軽く10種類ぐらいはありやがる。それぞれ違うのか?オレが使う用途だとどれが良いんだ?
 これまでの人生で糸ノコが無くて困ったのはこれが初めてだし、これからもあまりないだろうから高い物を買うつもりはない。そこで選択肢はある程度絞られる。1000円程度のを眺めている内に、オレンジ色のパッケージがオレの目を惹いた。
itonoko1.jpgitonoko2.jpg

「アメリカ航空宇宙局NASAでも使っている」だとぉぉ!
あのスペースシャトルとか打ち上げてるNASAか。アメリカ物のテレビ通販番組では「NASAの新技術」がといった用語が飛び交っているそうだが糸ノコ業界でまで使われているとは。糸ノコ業界なんて物があるのか、あるとしたらどの程度の規模なのかは知らんが。
 しかし、この糸ノコはNASAでどのように使われているのだろうか。スペースシャトルの組みたてに使われていても「NASAで使用」だし、NASAの営繕のおじさんが倉庫のドアを直すのに使っていても「NASAで使用」だ。
 普通の糸ノコならば細いとはいえ普通のノコギリの様に一方に歯が付いているのだが、こいつは螺旋状に巻き付くように歯が付いている。だから切る向きで歯を付け替える必要がない。ただ、切れ味はどんなもんかなぁ……
 いや、どうせならオレはNASAを信じるぜ。ってわけで購入。
 ギコギコと20分ほどかけて切り終えた。端の部分には4センチほどの材木が入っているのでそこで苦労したが、そこを越えればあとはベニヤ板。かなりかがみ込まねばならない姿勢を除けば楽なもんだ。
doornoana.jpg
 一度穴から押し出してみたら意味が分かったようで、もう犬は勝手に出入りしている。微妙に冷たい空気が床を這うが、ドアを開けていた時と比べると天国。我慢できなくなったら薄い布でも垂らそうかなと考えている。

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