Hatenaでwashburn1975さんがやられている企画に参加。
オールタイムとはなっていますが、オレはその日の気分でコロコロ変わるのでとりあえず今現在のベストテン。
順位は付けられなかったので順不同です。
■秋刀魚の味/小津安二郎(1962)
20年ほど前の学生時代に初めて小劇場で観たときは衝撃だった。昔は日本もこんな映画を撮ってたんだ。
■西鶴一代女/溝口健二(1952) 『雨月物語』とどっちかで迷ったけど、この作品での田中絹代の美しさが決め手。市川崑の『映画女優』で吉永小百合が田中絹代役を演じてたけど、格が違うよ、格が。
■浮雲/成瀬巳喜男(1955) 人間の業とやるせなさを描いた映画としては一級品。ヘビーなんで体調がよいときしか観られません。
■直撃地獄拳 大逆転/石井輝男(1974) 石井輝男がカラテ映画ブームに乗じて作り上げたハチャハチャスラップスティックコメディ。前作ではまだ格闘技をしていたが、今回はギャグまたギャグの連打。千葉真一の軽快な動きがギャグのテンポを引っ張る。徳川いれずみ師 責め地獄 (1969)とで迷ったが、個人的好みでこちらに。カルト度はいれずみ師の方がさらに高い。
■殺人狂時代/岡本喜八(1967) 最初はビン底メガネに無精ひげの冴えない仲代達矢が殺し屋集団“人口調節審議会”に狙われるウチにどんどん格好良く強くなっていく。はたしてその理由は?ミステリーとしての面白さ、殺し屋・溝呂木を演ずる天本英世とのスペイン式対決で佳境を迎える。その間間に挟まるギャグの数々。
■もっともあぶない刑事/村川透(1989) テレビ版は一切観ていないあぶない刑事だが映画は全部観てる。一作目は観終わった後に38度を超える熱を出して寝込むほどの出来だったが、これは傑作。村川統も全盛期の勘を取り戻した感じ。倒しても倒しても復活してくるターミネーターの様な敵がいるが苅谷俊介なのでなんか単に柄の悪いオジさん。
■丑三つの村/田中登(1983) 津山三十人殺しをヒントにした、第二次大戦時に徴兵検査で肺病のため落ちた青年が、閉鎖的な村の中で憎しみをつのらせついに猟銃を手に大爆発して村人を殺しまくり。主人公を演じた古尾谷雅人は徴兵検査に引っかかったにしては体格が良すぎるが、何を考えているのか良くわからない演技が良い。虐殺シーンの弾着シーンではトビー門口の名テクニックが炸裂。
■鴛鴦歌合戦/マキノ正博(1939) もう戦争が迫ってましたが、こんな楽しい映画も作られてました。オペレッタ映画、今で言うミュージカルだが舞台は江戸時代。「こ~れこれこれ、この茶碗」「僕は陽気な殿様」など登場人物が歌う。軽快で実に愉快。マキノでは血煙高田の馬場(1937)のどっちにするかで悩んだ。
■ヒルコ 妖怪ハンター/塚本晋也(1991) 何だ、塚本は普通の映画も撮れんじゃん。と思ったがその後またアングラに行ったまま。妖怪ハンターの映画化の話しを聞いて稗田役が沢田研二というので「ああ、悪くないキャストだな」と思ったら、原作の稗田像を思いっきりぶち壊してくれたが、その壊しっぷりと沢田研二の情けなさがここまでやればOK。古墳の位置に気づくときのダイナミックな視点の移動が未だにゾクリとする。
■野獣の青春/鈴木清順(1963) 日本ハードボイルド映画のぶっちぎりナンバーワン。ベースはダシール・ハメットの『血の収穫』だろう。何か目的があって犯罪組織に接触する宍戸錠やサドの小林昭二、サイコな川地民夫などキャストがキレまくり。映画館のスクリーン裏がヤクザの事務所になっているなどセットも素晴らしい。「クソして寝ろ」と投げつけられるタオル。下から突きつけられる猟銃。そしてやりきれない苦い結末。ハードボイルドである。『東京流れ者』と迷ったがやはり渡哲也よりオレとしては圧倒的に宍戸錠。
コメント (2)
お久しぶりです。
先頃、しばらく更新が止まったときには終わってしまったかと心配になりましたが、復活良かった。
過去のエントリなども相変わらず参考にさせていただいています。
こちらの「もっともあぶない刑事」のエントリを読んで、村川透作品を見ました。松田優作との作品群と、この「もっともあぶない刑事」。僕は「蘇る金狼」が一番かな。
このブログの、更新するたびに変わるサブタイトルのひとつ、「ねぇ、ジュピター~」も「金狼」よりなんですねー。
「直撃地獄拳大逆転/石井輝男」はうちの近くのレンタル屋にあって、パッケージの千葉真一のインパクトに気になってました。これは是非見てみよう。
マキノ正博は以前教えていただいた「血煙高田の馬場」を見るべく、とりあえず「浪人街」と「崇禅寺馬場」を見ました。「浪人街」はとても良かった!藤田進が生き生きした顔で覚悟を決め、戦いの地に助太刀に向かうところはちょっと鳥肌なくらいの熱いシーンでした。マキノ監督の、きちんとしていて、かつ豪快に撮れる手腕が一辺で好きになりました。
溝口健二は初期からレンタルできるものを極力片っ端から見て、ちょうど今「雨月物語」まで。「雨月物語」が好きだなぁ。あと僕が最初に見た、初期のほうの「祇園の姉妹」も印象的。
にしても溝口の画は素晴らしい(映画ファンには言われつくしていることでしょうけど)。長いカットで、かつ構図の完璧に決まる気持ちよさは、世界的にもアンゲロプロスと双璧ではないでしょうか。その上で溝口映画は、生き生きとした登場人物の演技も素晴らしい。アンゲロプロスはもっと人物を突き放して叙事的なので、同じ長いカットでもちと性質が違いますね。
岡本喜八はどれも良かったから難しいなぁ。意外なところでは、「大菩薩峠」が内容的には素晴らしくてベストと言ってもよいくらいだと思うんですよね。ただストーリー的に前半部分しか映画化できなくて尻切れトンボ、ってことが本当に悔やまれる。
鈴木清順もウマイから面白いものばかりで迷います。僕が見た中では、悩んだ結果「刺青一代」を推します。完璧な映画ではなく、いびつなところも残りますが、それも清順らしいと言えなくもないし、なにより画の美しさが素晴らしかった。
高橋秀樹と宍戸錠なら、僕も宍戸錠ですけどねー。
うーん、他に挙げられているものもまだまだ見たいものだらけだ。まだまだ映画ファンの人と対等にベストを語れるほどには見れていません。のでこれからもお世話になります!
Posted by: 行かない旅 | 2008年11月24日 07:47
日時: : 2008年11月24日 07:47
行かない旅さん
ちょっと入院してました。2週間もの間に渡って1本の映画を観ないというのは久しぶり。
おかげでスカパー!の録画が溜まって消化するのが大変です。
私はハリウッド映画で育って、映研時代にヌーベルバーグなどヨーロッパ映画も観るようになりましたが日本映画はそれほど観ていません。多く見積もっても9:1ぐらいの割合です。いや、もっと少ないですね。
だから私もベストを語れるほどではないんですが、ネット上の知り合いが参加していたので便乗してみました。
読み直してみると鈴木則文を入れ忘れているのに気づきました。『コータローまかりとおる』はぜひとも入れたかった。そうそう、クレージーキャッツ物からも一本入れたかった。
小津や溝口はいかにも映画通ぶってる感じなので入れたくなかったのですが、学生時代に先輩から無理矢理観させられた時の衝撃が忘れられなくて。
19日におよそ20年振り、2回目の生落語として春風亭昇太の独演会を聞きに行きました。
目の前で観る落語はたまにテレビで見かけるものとはまったく違っている物のようであり、その面白さに興味を持ちました。
映画と読書で時間を食いつぶしていますが、ひょっとしたら落語にもちょっと足を踏み入れるかも。その時は落語に詳しい行かない旅さんのブログを参考にさせていただきます。
こちらこそよろしくお願いします。
Posted by: 東森時音 | 2008年11月24日 09:06
日時: : 2008年11月24日 09:06