2008年11月アーカイブ

B0012P6BY6.jpg『セクシー地帯』(1961) 82分 日本

監督:石井輝男 製作:大蔵貢 企画:佐川滉 脚本:石井輝男 撮影:須藤登 美術:宇寿山武夫 音楽:平岡精二
出演:吉田輝雄、三原葉子、三条魔子、池内淳子、細川俊夫、沖竜次、鳴門洋二、高城美佐、佐々木孝子、九重京司

『セクシー地帯』と書いて『セクシーライン』と読む。
 とにかくオープニングクレジットと『The End』が素晴らしい。写真のコラージュにスタッフ・キャスト名は手書き文字。モノクロ映画なのでこれがまた雰囲気を増して、金はかかってないんだろうがセンスを感じる。
 秘密クラブの会員証を掏った女スリと関わった男が買春組織事件に巻き込まれていく。男は銀座に本社がある大企業の普通のサラリーマン。恋人は同じ会社で働くOLだが裏では取引先の相手を肉体で接待する特別要員でもあり、陰謀によって殺される。新東宝の作ったお色気映画だが、ヌードのシーンも胸や尻は巧妙に隠されており今となっては地上波で放映しても問題なさそう。セリフはやばいのがあるが。
 犯罪映画も多く手がけた石井輝男の手腕が冴え、洋画のフィルムノワールを観ているかのよう。スリ役が男女逆だが『拾った女』(1953)にちょっと似ている。フラーの方がドライだが、作風にもどこか共通点がある。そういえばどちらも自分で脚本も書くことが多い人。
 石井輝男脚本なんでかなり無理矢理な展開ありまくりで、だからこそ石井輝男。破綻しててもそれを感じさせずに突き進む。
 サブタイトルで使った『CALL GIRL・SEXY LINE』とはオープニングタイトルで『セクシー地帯』の後ろに書かれている言葉。外国で公開されたかは知らないが、もしそんなことがあったとしたらこれが洋題として使われたのかも知れない。
 お金がないのでやたらとロケの多い映画。そのおかげで1961年当時の銀座を始めとした東京中心部の様子を観ることが出来る。石井輝男は早撮りな人だったそうだが、この作品なんかごく少ない日数で撮影されのだろう。
 背中合わせに縛られ床に転がされた二人が、隠し持ったナイフで後ろでの縄を切ろうとするシーンを、モゾモゾ動いたりハァハァ呼吸する音の映像が細かいカットで構築している。性交シーンの暗喩なんだろう。女性が「初めてエレベーターに乗った時みたいだった」なんてセリフに思わずニャマリ。
「彼氏からトランジスターラジオって呼ばれてるのよ」「そりゃいったいどういう意味だい?」「すごく感度が良いらしいのよ」……“トランジスターグラマー”という言葉も連想させますしイカすやり取りだ。今となってはトランジスターラジオと言われてもピンと来ない人も多いだろうが(言っとくがオレもそうだ。小さな頃からトランジスターラジオなんて当たり前。それ以外に触れたことのあるのは、小学生の時に作ったゲルマニウムラジオぐらい)、現代風に言うならば「彼氏から地デジって呼ばれてるのよ」とか「彼女から光ファイバーって呼ばれてるぜ」なんかだろうか。
“地デジ”はともかく男性で“光ファイバー”ってのはつまり“早い”ってことで……ピーッ!ここは下ネタ禁止!教育的指導。
 ちなみに、現在『レッドクリフ PART1』が絶賛公開中のジョン・ウーもパブリッシャーカルチャー板『男たちの挽歌』シリーズのDVDに特典として収録されたインタビューで「石井輝男の影響を受けている」と語っている。『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』(1969)や『徳川いれずみ師 責め地獄』(1969)のインパクトが強すぎるのでとかくカルト監督の側面ばかり語られがちな石井輝男だが、ギャング物などの犯罪映画の存在を忘れちゃいけない。高倉健の代表作の一つ『網走番外地』シリーズで監督・脚本を務めたことももちろんだ。

B0011YNN4Y.jpg『ゴジラ対メカゴジラ』(1974) 84分 日本

監督:福田純 製作:田中友幸 原作:関沢新一、福島正実 脚本:福田純、山浦弘靖 撮影:逢沢譲、美術:薩谷和夫 編集:池田美千子 音楽:佐藤勝 特技監督:中野昭慶
出演:大門正明、青山一也、田島令子、平田昭彦、松下ひろみ、小泉博、今福正雄、ベルベラ・リーン、岸田森

 スカパー!日本映画チャンネルで11月は昭和ゴジラが一挙放送。12月は平成ゴジラ、1月はミレニアム・ゴジラが予定されている。無茶な企画だな。
 録画しておいたのをこのところほぼ毎日一本で観ているのだが、正直そろそろ惰性モード。前作の『ゴジラ対メガロ』(1973)は過去の作品からの映像の使い回しが多くて、自衛隊員が道を走っているところは前に観たカットだし、怪獣が襲ってくるというので逃げる群衆のシーンは人々の衣装が明らかに一昔前。いわるゆバンクってやつだ。
 ところがこの『ゴジラ対メカゴジラ』はゴジラマニアって訳じゃないんで気づいていないだけかも知れないが、過去からの使い回しは見あたらず、しかも特技監督がコミック『宇宙家族カールビンソン』の原住民の一人“ショウちゃん”のモデルである中野昭慶だから、昭慶がドッカンバッカンと盛大に炎を上げる。ほんと、爆発シーンが好きな人なんだろう。

 今回は久しぶりにゴジラが人類に牙を剥く。それを制止しようとしたアンギラスと戦いになり、右上腕部の皮膚がちょっと剥がれ金属のような銀色が見える。実は地球征服を企む宇宙人がスペースチタニウムを素材にして作り上げたロボットのゴジラ、その名もメカゴジラなのだ。子供が名付けるパターンが多いが今回の命名者は科学者の平田昭彦。一作目の1954年版ゴジラで演じた芹沢博士から比べるとさすがに年を取って顔もも丸みを帯びているが理知的な雰囲気でやはり学者役が似合う。それもそのはず、この人は東京大学法学部出身の才人。『ゴジラ ミニラ ガバラ オール怪獣大進撃』(1969)でコミカルなおもちゃコンサルタント役を演じた“死神博士”で有名な天本英世も東京帝国大学(現東大)法学部に籍を置いていた人だ。中退だそうだけど。
 大部屋などの下積みから力を付けてスターになった俳優や、歌舞伎などの古典芸能出身の俳優など色々な人がいる。日本最大の暴走族“ブラックエンペラー”の総長だったという過去を持つ宇梶剛士や、暴力団組長の安藤昇までいて、そんな人たちが協力して芝居をし映画を作り上げる役者という人生は面白そうだ。
 まぁ、東大出だから才能があるってわけではなく、あの色んな意味で有名な、というかあれな意味で有名な『デビルマン』(2004)の監督である那須博之も東大経済学部卒。『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズの頃はそれなりに面白かったんだけど、人生最後が『デビルマン』だからなぁ。

 ゴジラの皮膚をかぶっていた時は本物そっくりな生き物的な動きをしていたが、その皮膚が全てはがれメカゴジラ完全体になると突然動きがちょっとロボットぽくなる。性能落ちてないか。だが、虹色っぽいビームや手や足の指ミサイルなどでゴジラピーンチ!
 そこへ助けに現れるのが、琉球に伝説として伝わる守護神“キングシーサー”だ。このキングシーサーが妙に可愛い。
 言い忘れていたが、今作は翌年に沖縄海洋博を控えていることもあり沖縄がメインの舞台となっている。オレは沖縄に行ったことはないが、父が一時期単身赴任で行っており、たまに母も遊びに行っていた。料理で出てくる魚がカラフルなんで驚いたが、食ったら美味かったそうだ。父はそこで泡盛を覚えて、今でもたまに飲んでいる。すまん、どうでもいいことだな。
 人間そっくりに変身した宇宙人の正体は顔面が緑色のゴリラ的生命体。死ぬと変身が解けてゴリラに戻るのだが、死に顔がワンカットのまま緑色のスライム状の物で覆われ(合成)、その後ゴリラになる。初歩的なモーフィングと言ってもいいんじゃなかろうか。
 宇宙人の地球征服司令官はブランデーグラスを片手に酒らしき物を飲んでいるシーンが多いのだが、中に入っている液体はよく見ると緑色をしている。
……青汁?
 慣れない地球に来て、しかも司令官の重責もあって健康に気を遣っているのだろうか。
 メカゴジラのデザインはスペースチタニウム板を鋲で留めた辺りは好きなんだが、鼻がブタなんだよな。沖縄の人は豚肉をたくさん食べるそうだから、それに合わせたのか?ないない。
 原作にSF作家の福島正実が名を連ねているのにも注目。東宝は『マタンゴ』(1963)でもこの福島正実や星新一といったSF作家を起用してSF映画作りを目指したこともあった。優れた作品もあったのだが、観客のウケは今一つで日本映画界にSF映画が根付いたとは言えないだろう。大ヒットした小松左京の『日本沈没』や『復活の日』もディザスター映画として受け入れられていた印象がある。
 そもそもSFはあまり日本人好みではないのだろうか?萩尾望都のコミック『ウは宇宙船のウ』を久しぶりに読んで、これまた20数年ぶりにレイ・ブラッドベリを読み返し始めたのだが、三洋堂というここらでは大きな書店に行ってもSFコーナーは小さく、置かれているのもほんの少し。過去の名作なんてポツ、、、、、ポツだけ。80年代前半にSF小説にはまり、そこからSF映画、映画へと進んできたオレにとっては寂しい限り。

 日本のクリストファー・リーこと岸田森が主人公達を助けるインターポールの捜査官として登場するが、どうもサイコな人に見えてしょうがない。怪優だからなぁ。でも好き。というかだから好き。『ダイナマイトどんどん』(1978)のコミカルなインテリヤクザのような役も似合っていた。43歳での死はあまりにも早すぎる。

B0007TFBDK.jpg『英空軍のアメリカ人』(1941) A YANK IN THE R.A.F. 98分 アメリカ

監督:ヘンリー・キング 製作:ダリル・F・ザナック 脚本:カール・タンバーグ、ダリル・F・ザナック、ダレル・ウェア 撮影:レオン・シャムロイ 音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:タイロン・パワー、ベティ・グレイブル、ジョン・サットン、レジナルド・ガーディナー、ドナルド・スチュアート、ラルフ・バード、リチャード・フレイザー

 第二次大戦当初、アメリカはまだ中立状態でドイツ軍と戦っているイギリスに直接爆撃機を輸出できなかったため、いったんカナダを経由させていた。そんな中、パイロットである主人公のタイロン・パワーは自ら爆撃機の操縦桿を握って大西洋を越え、そのままイギリス空軍入りしてしまう。かなり無茶というか考えなしの男なのだ。
 ロンドンでは空襲訓練が行われており、怪我人役の人が運び込まれる救護所を覗いたタイロン・パワーは、かつてアメリカで付き合っていた元恋人ベティ・グレイブルと一年ぶりに再会する。
 考えなしなんでいきなり熱いキスをするタイロン・パワー。ベティ・グレイブルも思わずそれを受け入れるが、唇が離れると、

「あんたなんかに会いたくなかった(んだからね)」

 今さらな単語だが、“ツンデレ”かよ。
 (んだからね)はオレが勝手に脳内補完したんだが、この女性はタイロン・パワーに内心デレデレなクセして、他の男性に「彼とは惰性で付き合っているの」と話して郊外にある彼の実家に泊まりに行ったり、タイロン・パワーと男性の背広に同じ花を挿したりとなかなか態度をはっきりさせない。正直、嫌な女じゃないかとも思うが、恋の駆け引きシーソーゲームってヤツなんだろう。サブタイトルは勢いで『空駆けるツンデレ娘』としてしまったけど、ベティ・グレイブルが軍用機の乗って飛ぶシーンはない。「嘘、大袈裟、紛らわしい」とJAROに電話しないでね。
 このロマンスが大きなパートを占めていて、戦争映画としてはちょっと物足りない。サーチライトで照らされる中ドイツ国内に厭戦ビラを投下したり、終盤には大量の敵味方が入り乱れての戦闘機による空中戦はあるが、『空軍大戦略』『633爆撃隊』などの空中戦を期待しないこと。
 登場する爆撃機は『633爆撃隊』のデハビランド・モスキートよりは大きく、銃座もあるが『メンフィス・ベル』のB-17と比べると遥かに小さい。ビジネスジェット機を二回りぐらい小さくしたぐらいだろうか。
 1941年という第二次大戦時に作られた映画なので戦争の悲惨さなどはほとんどなく、登場人物達も結構呑気に描かれている。製作のダリル・F・ザナックは『わが谷は緑なりき』(1941)などのジョン・フォード作品や『史上最大の作戦』(1962)などで知られる名プロデューサーだ。戦意高揚映画としての側面も大きいのだろう。それにしても同じ年にこの『英空軍のアメリカ人』と『わが谷は緑なりき』を製作してるのか。極端な人だな。
 原題の“YANK”はヤンキーのYANK。タイロン・パワーは確かにジョークを欠かさない陽気とタフぶりを兼ね備えている。『633爆撃隊』のクリフ・ロバートソンもタフだったが、あっちは強面な面構えだったのに対し、タイロン・パワーは二枚目。これじゃツンデレ彼女もデレデレになるか。

 製作年度が年度なんで日本未公開。映画スターであるタイロン・パワー主演作なのに戦後になっても公開されなかったが、この出来ならば仕方ないか。1941年製作、製作ダリル・F・ザナック、主演タイロン・パワーと揃った闘牛士映画『血と砂』(1941)は1952年になってから日本で公開されているがこちらはテクニカラー作品。モノクロでスタンダード画面の『英空軍のアメリカ人』とは力の入れ方が違ったのだろう。
『えいくうぐんのあめりかじん」か「いぎりすくうぐんのあめりかじん」と読むのか迷ったが、どちらにしてもア行なんで今回はすんなり。

B000HOL7II.jpg『633爆撃隊』(1964) 633 SQUADRON 101分 イギリス

監督:ウォルター・E・グローマン 脚本:ハワード・コッチ、ジェームズ・クラヴェル 撮影:エドワード・スケイフ 特撮:トム・ハワード 音楽:ロン・グッドウィン
出演:クリフ・ロバートソン、ジョージ・チャキリス、マリア・ペルシー、ハリー・アンドリュース

「この映画はモスキート爆撃隊の活躍にヒントを得て制作された」ってな文章が映画のオープニングに表示される。“モスキート”って“蚊”のモスキート?あんまり強そうな爆撃隊じゃないなと思ったら登場した爆撃機は二人乗りの小型の物。戦闘機とさほど大きさは変わらなそうだ。
 デハビランド・モスキートというこのイギリス製の爆撃機は金属不足のためもあって木製で、レーダーに写りにくい利点はあったそうだが、防弾性能は低そうだ。小さく細い、そしてプーンと飛んできて爆撃すると急いで逃げ去っていく。そこが蚊なんだろうか。

 舞台は第二次大戦のヨーロッパ戦線。ドイツ軍がミサイルのために特殊燃料をノルウェーのフィヨルドにある工場で製造していた。谷間にあるその工場は岩の壁に挟まれており天然の要塞と言える。しかも、ドイツ軍の対空砲火が常に空に狙いを定めている。
 クリフ・ロバートソンを隊長とする633爆撃隊は、工場の上にある巨大な岩に爆弾を何発か、計算では12発を打ち込むことでその岩を落下させて工場を破壊するという作戦に取り組む。
 爆撃機乗り達は訓練を重ね、爆撃寸前に対空砲を破壊するため、ノルウェーから逃亡してきてイギリス軍に協力していたジョージ・チャキリスはパラシュート降下で現地に乗り込み、レジスタンスと合流して準備に取りかかる。
 しかし、ジョージ・チャキリスはドイツ軍に捕らえられ、レジスタンスも壊滅しており対空砲はそのままであることが判明する。それを知らされた時、爆撃隊はすでに目的地近くであった。

 最近では『スパイダーマン』のベン伯父さんとして知られるクリフ・ロバートソンはなんでも航空機の免許を持っているそうだ。この作品の前に取ったのか、その後なのかは不明だが、タフな軍人として頼りになりそうな面構えだ。実際に海軍少尉の経験もあるそうだ。個人的には『エスケープ・フロム・L.A.』(1996)で悪役として登場するファシスト的アメリカ合衆国大統領が一番印象に残っている。憎たらしいぞ。
 そういう命令を受けたわけではないのに特攻のように死んでいく爆撃機乗り達は欧米の戦争映画では珍しい。そして大きな犠牲を払いながら成功させた作戦も、地獄のヨーロッパ戦線においては小さな出来事。これから始まるノルマンディー上陸作戦の前では軍記にわずかに触れられるだけのことでしかない。
 とりあえず、あの岩の存在を考えると燃料工場を造るには危険な場所なんで、ドイツ軍はもうちょっと立地条件を考えた方が良い。オカルトマニアのヒットラーが風水でも使って決めたのか?
 それから、タイトルの読み方は『ろくさんさんばくげきたい』で良いのだろうか?とりあえず『ラ行』に分類しておいたが、『しっくすすりーすりーばくげきたい』とかだったらどうしよう?

B0011YNN44.jpg『ゴジラ対ヘドラ』(1971) 85分 日本

監督:坂野義光 製作:田中友幸 脚本:馬淵薫、坂野義光 撮影:真野田陽一 美術:井上泰幸 編集:黒岩義民 音楽:真鍋理一郎 特殊技術:中野昭慶
出演:山内明、木村俊恵、川瀬裕之、柴本俊夫、麻里圭子、吉田義夫、鈴木治夫、勝部義夫、岡部進、渡辺謙太郎

 スカパー!の日本映画専門チャンネルでゴジラ特集をやっており、それで観た。これで二度目だ。最初に観たのは公開時の劇場にて。オレが生まれて始めて映画館で観た映画だ。しかし、これっぽっちも憶えていない。そりゃそうだ、二歳児だったんだから。
 “「東宝チャンピオンまつり」の一作として、『帰ってきたウルトラマン』、アニメ『いなかっぺ大将』『みなしごハッチ 傷だらけのバレリーナ』『日本むかしばなし わらしべ長者』と共に上映された。”んだそうで、3つ上の姉がこのチャンピオンまつりを観たいと言うことで母親に連れられて行ったようだ。オレは途中で泣きだし、母親がロビーに連れ出してあやしたと聞いたことがある。
 で、今回観直して思ったのは、「そりゃ子供泣くわ」であった。

 オープニングは公害で汚れきった海から始まる。ゴミが大量に浮いていて、死んだ魚も混じっている。死体のようなマネキンも浮かんでいる。そこへ「水銀コバルトカドミウム?」と不気味な主題歌『かえせ!太陽を』が流れる。ここからすでに怖い。
 この頃のゴジラシリーズは完全に子供向けだったのだが、『ゴジラ対ヘドラ』は公害に対するメッセージ色が強く、“アングラ”というクラブではボディペインティング(実際にはボディースーツを着ての撮影だが)の女性が踊っており、主要人物の青年はダンサーも客も全員が魚の顔になった幻覚を見る。悪夢の世界だ。
 敵のヘドラは宇宙から落ちてきた小さな生命体が公害を吸収して成長したもの。地球上にいる生物は炭素系生物だが、ヘドラは鉱物で形成されたまさに異星生物。最初は水中で活動し、成長して陸上に上がり、ついには飛行形態へと変化する。空を飛びながら硫酸ミストをまき散らし、大量の死者を出し金属はボロボロに腐食する。ヘドラの犠牲になった人間は肉が溶けてしまい骸骨となって道に転がっている。怖い。
 終盤の、ゴジラとヘドラの対決はまさに死闘。これまでの怪獣プロレスとは一線を引く血みどろの戦いで、ゴジラもヘドラも片目を失いのたうち回りながらも争いを続ける。ヘドラの身体に手を突き刺して丸い物体を引きずり出すゴジラは『必殺仕事人』の念仏の鉄かの様。
 ヘドラの正体を解明した海洋学者もまだそれほど大きくなかった頃のヘドラにアクアラングで潜水中に襲われ右目を失っており、この作品の象徴であると同時に、第一作目の芹沢博士への記憶が呼び起こされる。

 テレビ画面がいくつも並ぶ画面分割や、ヘドラが暴れ回るアニメーションなど実験的映像も多く、かなり好き勝手に作っている印象だ。おそらく、当時の子供たちの人気は高くなかったのではないだろうか。だが、ヘドラを倒し人間たちを睨みつけてからいずこへと無く去っていくゴジラの姿は、あれから37年を経たオレを唸らせる物があった。

redcliff-ost-tw.jpg『レッドクリフ Part I』(2008) RED CLIFF 赤壁 145分 アメリカ/中国/日本/台湾/韓国

監督:ジョン・ウー アクション監督:コリー・ユン 製作:テレンス・チャン、ジョン・ウー 製作総指揮:ハン・サンピン、松浦勝人、ウー・ケボ、千葉龍平、チン・ウェン・ハン、キム・ウデク、ユ・ジョンフン、ジョン・ウー 脚本:ジョン・ウー、カン・チャン、コー・ジェン、シン・ハーユ 撮影:リュイ・ユエ、チャン・リー 美術:ティム・イップ 衣装デザイン:ティム・イップ 音楽:岩代太郎
出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、フー・ジュン、中村獅童、リン・チーリン、ユウ・ヨン、ホウ・ヨン、バーサンジャプ、ザン・ジンシェン、トン・ダーウェイ、ソン・ジア、チャン・サン

『三国志』最大の見せ場である『赤壁の戦い』を映画化!と言って良いのかな?
 オレは柴田錬三郎版『三国志』と横山光輝版『三国志』、さらに片山まさゆきの『SWEET三国志』と白井恵理子の『劉備くん』『玄徳くん』シリーズを読んでいる。『SWEET三国志』は張飛が海パン一丁にサングラスのボディビルダーで魯粛はその名前から魚人間のギャグストーリーマンガで、『劉備くん』『玄徳くん』はギャグ4コマだが、物語やキャラクターはちゃんと三国志している。日本で一番有名なのは吉川英治版だろうが、途中までしか読んでいない。どうもこの人は文体などが好きじゃないのだ。司馬遼太郎版と北方謙三版はそのうち読んでみたい。
 で、「言って良いのかな?」としたわけは、これらで知っている『赤壁の戦い』にかなり大幅なアレンジが加えられているからだ。小説では孔明と周瑜、曹操の腹の探り合いや策略に騙し合いが大きなウェイトを占めていてそこが魅力でもある。しかしそれを丁寧に描いていたら2部作では収まらずに10部作ぐらいになってしまいそうだし、なにより映画の醍醐味はアクション。そこで心理戦の部分は大胆に切り捨てて、孔明と周瑜をライバルよりも友人として描き、後半には原作である『三国志演義』にはない陸上での合戦を出して見せ場としている。水上戦はPARTIIを待とう。
『赤壁の戦い』では本来、玄徳や関羽、張飛などの出番はほとんど無いが、その合戦に彼らを登場させ大暴れさせる。周瑜も馬を駆っての戦う。
 この改変がオレは成功していると思うが、熱心な三国志マニアは気に入らないかも知れない。でも活字と映像は違うのだ。

 周瑜役のトニー・レオンはジョン・ウーの最高傑作『ハードボイルド/新男たちの挽歌』(1992)で組んだ仲で美男子だったという周瑜を好演。その演技派であるトニー・レオンを相手に一歩も引かない金城武がこれまた魅せてくれる。日本語演技の金城武と中国語演技の金城武はなぜこんなに違うのだろうか。
 中村獅童はアクションも頑張っているがどうも力を入れすぎな感じがある。そういう役なんだろうが、この人はどの作品でも同じようにしか見えない。
 善人でちょっとおとぼけな玄徳に、スケールの大きな物語の悪役にふさわしい曹操、後に玄徳の後妻となるじゃじゃ馬姫の尚香なども魅力的に描けている。関羽に張飛など外見からしてまさにはまり役。
 曹操を相手にするために手を組んだ周瑜と孔明だが、それぞれ別の主君に使える身であり、状況が変われば敵同士となる。その一筋縄ではいかない複雑な関係がジョン・ウー向きの題材なので、PARTIIでどうなるか楽しみである。
 ジョン・ウー作品なのでもちろん白い鳩が飛ぶ。ジョン・ウー作品なのでもちろん二挺拳銃……は西暦208年が舞台なので登場しないが玄徳の家臣である趙雲が二刀流で戦う。

be69054f.jpg『1408号室』(2007) 1408 104分 アメリカ

監督:ミカエル・ハフストローム 製作:ロレンツォ・ディボナヴェンチュラ 製作総指揮:ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン、リチャード・サパースタイン、ジェイク・マイヤーズ 原作:スティーヴン・キング 脚本:マット・グリーンバーグ、スコット・アレクサンダー、ラリー・カラゼウスキー 撮影:ブノワ・ドゥローム 編集:ピーター・ボイル 音楽:ガブリエル・ヤーレ
出演:ジョン・キューザック、サミュエル・L・ジャクソン、メアリー・マコーマック、トニー・シャルーブ、ジャスミン・ジェシカ・アンソニー

 遅れに遅れての公開。このままビデオダイレクトになるかと心配していた。
 主人公のマイク(ジョン・キューザック)は幽霊が出るというホテルなどに行っては体験記を書くオカルト作家。だが本人は幽霊など信じていない様子。
 そんな彼が、謎のハガキで幽霊が出るというドルフィン・ホテルの1408号室のことを知り、開かずの間となっているその部屋に泊まるため支配人(サミュエル・L・ジャクソン)を強引にねじ伏せて1408号室に一泊することが出来た。
 ごく平凡なホテルの部屋にしか見えない1408号室。だが、奇妙な出来事が少しずつ起こり始め、次第に大きくなっていく。

 8割方ジョン・キューザックの一人芝居のジョン映画。ショッキングで思わずビクッとするシーンはあるが、純文学を書いていた作家が何故オカルト作家に転向したか。オカルトを信じていないのに実は信じたがっている理由が心にじんときた。人は何故幽霊に興味を持つのか。それは死後の世界があると信じたいからなのだ。
 原作でマイクが使っているのはソニー製のマイクロテープレコーダーなのだが、MGM映画のためかサンヨー製品に変更されている。ライバルの映画会社関連の商品を使いたくなかったんだろうか。
 壁に掛けられた女性と子供の絵が途中でその様子を変え、楳図かずおのマンガに登場する「ヒーッ!」にそっくりな顔になる。怖いシーンだがつい笑ってしまった。
 幽霊の出る旅籠譚だった原作にさらに「深い愛情ゆえの喪失感」という要素を付け加えている。それが上手く成功しておりホラーが苦手な人にもお勧め。

img439dcb33zik9zj.jpg『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』
(2008) TROPIC THUNDER 107分 アメリカ

監督:ベン・スティラー 製作:ベン・スティラー、スチュアート・コーンフェルド、エリック・マクレオド 原案:ベン・スティラー、ジャスティン・セロー 脚本:ベン・スティラー、ジャスティン・セロー、イータン・コーエン 撮影:ジョン・トール 編集:グレッグ・ヘイデン 音楽:セオドア・シャピロ
出演:ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニー・Jr、ブランドン・T・ジャクソン、ジェイ・バルチェル、ダニー・マクブライド、スティーヴ・クーガン、ビル・ヘイダー、ニック・ノルティ、ブランドン・スー・フー、レジー・リー

『ゲームセンターあらし』の主人公あらしが静電気を発生させてゲーム機を操る技ですな。って、それはエレクトリックサンダーだっつーの。とりあえず、いきなり卑怯な技で笑わせてくれます。

 ベトナム戦争時、捕虜になったアメリカ兵を救助するために敵地に侵入した特殊部隊のほとんどが戦死しながらも任務をやり遂げた作戦があった。そのエピソードを映画化することになったが、ベトナムロケのスケジュールは押しているし予算は足りない。おまけに役者はワガママで妙なヤツ揃いと来ている。
 その作戦で数少ない生き残りの原作者(ニック・ノルティ)とパイロテクニシャン(爆破SFX担当者)が一計を案じ、監督をそそのかしてジャングルの中に隠しカメラを仕掛け、彼らをそこに放り出す。隠し撮りの要領で臨場感溢れる映像を撮ろうというわけだ。
 ところが、前に立って一歩踏み出した監督が吹き飛ぶ。彼らは「これは俺たちを驚かせ本気にさせようということだな」と思うが、実は埋設されていた本物の地雷に吹き飛ばされてしまったというとんでもない勘違い。
 彼らの前に麻薬密造組織が現れるが、敵役の役者だと信じ込んだ彼らは空砲しか撃てないM-16などで戦いを始める。はてさていったいどうなることやら。

 監督・脚本・主演ベン・スティラーの俺映画。コメディ畑から育ってきた人だが、デビュー以前から自主映画を撮っていたなど映画製作の意欲は強いようだ。俺映画は一歩間違えると本人の思いこみだけの作品になってしまうが、コメディに強いだけあって客観視する能力に長けているようで、共演者にもちゃんと見せ場を作りその魅力を引き出し、内容も一方的に語るだけではなく観客に理解させようとしている。そして最後には自分が一番美味しいところを取っていっても嫌味にならない。才人である。
 粗筋を聞いた時はビル・マーレーの『知らなすぎた男』の様な徹底して勘違いしたままかと思ったが、途中から彼らは腹をくくり結構本気の戦争映画になっている。ドッカンドッカン大爆発につぐ大爆発。
 死体を使ったグロテスクなネタや、幼い子供を放り投げるなどどぎついギャグもあるので好みに合わない人もいるだろうが、スター俳優としての盛りを過ぎ、挽回しようとした映画は大コケの上に批評家の評価も最悪。そんな主人公のベン・スティラーが自信を取り戻し役者として再生する物語でもある。
 ヤク中でデブのコメディ系俳優役のジャック・ブラックや、役作りにのめり込みすぎるロバート・ダウニー・Jrなどメンツが濃い濃い。ロバート・ダウニー・Jrがあれこれそれっぽいことを一々重苦しく言うのが笑える。しかし、見事なぐらい女性の登場シーンが少ない。
 ラストは人が多く集まるある会場だが、そこにはジョン・ヴォイトが。ほとんどチラッとしか映らないカメオ出演のような物だけど。そういえばベン・スティラーとジョン・ヴォイトは『ズーランダー』で親子を演じていたか。
 ネタ、内容、メンツなどなど女性にはあまりウケないだろうなというのは個人的偏見。
 トム・クルーズも出てるそうだけど分からなかった。というか、帰ってきて調べたらこんなの分からんわ。トム・クルーズファンは怒るのかなぁ。
 断じておバカ映画ではない、バカ映画である。

Hatenaでwashburn1975さんがやられている企画に参加。
オールタイムとはなっていますが、オレはその日の気分でコロコロ変わるのでとりあえず今現在のベストテン。
 順位は付けられなかったので順不同です。

■秋刀魚の味/小津安二郎(1962)
20年ほど前の学生時代に初めて小劇場で観たときは衝撃だった。昔は日本もこんな映画を撮ってたんだ。

■西鶴一代女/溝口健二(1952) 『雨月物語』とどっちかで迷ったけど、この作品での田中絹代の美しさが決め手。市川崑の『映画女優』で吉永小百合が田中絹代役を演じてたけど、格が違うよ、格が。

■浮雲/成瀬巳喜男(1955) 人間の業とやるせなさを描いた映画としては一級品。ヘビーなんで体調がよいときしか観られません。

■直撃地獄拳 大逆転/石井輝男(1974) 石井輝男がカラテ映画ブームに乗じて作り上げたハチャハチャスラップスティックコメディ。前作ではまだ格闘技をしていたが、今回はギャグまたギャグの連打。千葉真一の軽快な動きがギャグのテンポを引っ張る。徳川いれずみ師 責め地獄 (1969)とで迷ったが、個人的好みでこちらに。カルト度はいれずみ師の方がさらに高い。

■殺人狂時代/岡本喜八(1967) 最初はビン底メガネに無精ひげの冴えない仲代達矢が殺し屋集団“人口調節審議会”に狙われるウチにどんどん格好良く強くなっていく。はたしてその理由は?ミステリーとしての面白さ、殺し屋・溝呂木を演ずる天本英世とのスペイン式対決で佳境を迎える。その間間に挟まるギャグの数々。

■もっともあぶない刑事/村川透(1989) テレビ版は一切観ていないあぶない刑事だが映画は全部観てる。一作目は観終わった後に38度を超える熱を出して寝込むほどの出来だったが、これは傑作。村川統も全盛期の勘を取り戻した感じ。倒しても倒しても復活してくるターミネーターの様な敵がいるが苅谷俊介なのでなんか単に柄の悪いオジさん。

■丑三つの村/田中登(1983) 津山三十人殺しをヒントにした、第二次大戦時に徴兵検査で肺病のため落ちた青年が、閉鎖的な村の中で憎しみをつのらせついに猟銃を手に大爆発して村人を殺しまくり。主人公を演じた古尾谷雅人は徴兵検査に引っかかったにしては体格が良すぎるが、何を考えているのか良くわからない演技が良い。虐殺シーンの弾着シーンではトビー門口の名テクニックが炸裂。

■鴛鴦歌合戦/マキノ正博(1939) もう戦争が迫ってましたが、こんな楽しい映画も作られてました。オペレッタ映画、今で言うミュージカルだが舞台は江戸時代。「こ?れこれこれ、この茶碗」「僕は陽気な殿様」など登場人物が歌う。軽快で実に愉快。マキノでは血煙高田の馬場(1937)のどっちにするかで悩んだ。

■ヒルコ 妖怪ハンター/塚本晋也(1991) 何だ、塚本は普通の映画も撮れんじゃん。と思ったがその後またアングラに行ったまま。妖怪ハンターの映画化の話しを聞いて稗田役が沢田研二というので「ああ、悪くないキャストだな」と思ったら、原作の稗田像を思いっきりぶち壊してくれたが、その壊しっぷりと沢田研二の情けなさがここまでやればOK。古墳の位置に気づくときのダイナミックな視点の移動が未だにゾクリとする。

■野獣の青春/鈴木清順(1963) 日本ハードボイルド映画のぶっちぎりナンバーワン。ベースはダシール・ハメットの『血の収穫』だろう。何か目的があって犯罪組織に接触する宍戸錠やサドの小林昭二、サイコな川地民夫などキャストがキレまくり。映画館のスクリーン裏がヤクザの事務所になっているなどセットも素晴らしい。「クソして寝ろ」と投げつけられるタオル。下から突きつけられる猟銃。そしてやりきれない苦い結末。ハードボイルドである。『東京流れ者』と迷ったがやはり渡哲也よりオレとしては圧倒的に宍戸錠。

B001CUUMFK.jpg ようやく『スピード・レーサー』のレンタルが始まって借りてきました。
 ウォシャウスキー兄弟は『マトリックス』シリーズであったうっとおしさがなく、とにかく楽しんで作っている。観客にもとにかく楽しんでもらいたいというのが伝わってくる。
 日本のタツノコプロの往年の自動車レースアニメ『マッハGoGoGo』のハリウッドでの実写リメイク。あちらでは昔からテレビで『スピード・レーサー』のタイトルで放映されており何度も再放送を繰り返す人気番組でウォシャウスキー兄弟もファンで自ら企画しての映画化だったそうだ。
 映画は面白かった。ちゃんと覆面レーサーも出てくるし、弟やペットのチンパンジー、主人公の父親までアニメそっくり。
 ただ、ただし。ただしただしただし、この日本語吹き替えはなんとかならんのか?。調べてみると主人公の男女以外は有名で実力派の声優さんが占めているようだ。だけどだけどだけどだけど、主人公のスピード・レーサーがひどい。棒読みというより木と奉が分かれて変形して不幸読み。担当したのはジャニーズのKAT-TUNというユニットの赤西仁というアイドルらしい。ジャニーズ事務所に恨みはないが、これはひどいひどいひどいひどい。
 これまでにも色んな芸能人吹替を聞いてきたが、間違いなく間違いなく間違いなくワーストワン。ワーストのナンバーワンというよりむしろオンリーワン。初テレビ放映時の『スター・ウォーズ エピソード4新たなる希望』の渡辺徹と大場久美子と松崎茂にも耐えぬいたオレが映画が終わったときにはすでに9割方死んでいた死んでいた死んでいた。
 なら字幕版で観ればいいじゃないかと言われるかも知れないが、ここまでくると意地である。それに、ちゃんと最後まで聞いてないのに批判したとジャニーズマニアの人から文句を付けられるかも知れない。
 赤西仁のファンの皆様。彼のアイドルとしての才能と魅力についてはまったく知りませんが、洋画吹替の声優としては最低です。
『ザ・シンプソンズ』劇場版みたいにDVDではちゃんとした声優版でリリースされるとか、『TAXi4』みたいに芸能人吹替版と3までと同じ声優が吹き替えた声優版の2種類の音声が入っているとかそのぐらしてくれ。マジでマジでマジで。
 ヒロイン役の上戸彩も下手でしたが、陰に隠れてしまいましたな。
 でもほんと、話題を集めるための芸能人吹替は止めて欲しいなぁ?。やるならせめて青春映画とかラブコメに限定してくれ。アクションとコメディは止めろ。『ターミネーター3』もひどかったよなぁ。

B00186Y9L6.jpg『クラッシュ!!!』(2008) CRUSH AND BURN 86分 アメリカ

監督:ラッセル・マルケイ 製作総指揮:ロバート・ハルミ・Jr、ラリー・レヴィンソン 脚本:フランク・ハンナ、ジャック・ロジュディス 撮影:マキシモ・ムンジ 音楽:ジェフ・ローナ
出演:エリク・パラディーノ、マイケル・マドセン、デヴィッド・モスコー、ピーター・ジェイソン、デヴィッド・グロー、ヘザー・マリー・マースデン、ミレリー・テイラー

 このところテレビ用映画ばかり撮っていたラッセル・マルケイが2007年に『バイオハザード3』で劇場用映画に帰ってきたと思ったらまたテレビ用映画に戻ってしまった。
 二年ぶりにロサンゼルスに戻ってきた天才自動車泥棒。犯罪者仲間の古い友人や仲間と再会し仕事に加わるが、実は今の彼は……。上手くやれば『ステート・オブ・グレース』になったストーリーだが、そんなの無理無理。
 思い人を誘拐されて人質にされ、高級自動車泥棒を余儀なくされるというのは同じラッセル・マルケイの『ブロンディー/女銀行強盗』とちょっと似てるかも。
 自動車博物館の特別室という一種の密室から貴重な車を盗み出す方法は『ルパン三世』風で面白いが、あまり活かされていないのが残念。
『CRUSH AND BURN』(『クラッシュ!!!』)というタイトルの割にはカーチェイスのシーンとカークラッシュは少ないが、そこは予算の少ないテレビ用映画だから仕方ない。盗むシーンでは高級車が登場するがクラッシュする車はそれほど高くなさそう。好きじゃない映画だが『60セカンズ』などと比べて明らかに見劣りがするが仕方ない。
 役者陣では『レザボア・ドッグス』や『キル・ビル』シリーズのマイケル・マドセンが存在感を放っているぐらい。自動車工場のオヤジも良いかな。あとは主人公からヒロインまで含めて魅力のあるキャストは少ない。
 オープニングで使われる画面分割が画面に凝るラッセル・マルケイらしいといえばらしい。DVDのパッケージで「カーアクション物だな」と思って借りると「外した」と思うかなぁ。
 トヨタのプリウスもちょっと登場しますが、高級自動車という扱いではない。当たり前か。スポーツカーも盗むのでミッション車の登場も多い。オレはAT限定ではないのでミッション車も運転して良いのだが、半クラッチの感触などとっくに忘れていてもう無理。坂道発進なんか絶対に出来ない。オートマはパソコンのCUIからGUIへの発明並の進歩だ。昔はMS-DOSでコマンドをキーボードで打ち込んでいたけど、今さらCUIには戻れない。ミッション車にも戻れない。

B000KQGN32.jpg『ブロンディー/女銀行強盗』(1993) THE REAL McCOY 105分 アメリカ

監督:ラッセル・マルケイ 製作:マーティン・ブレグマン、ウィリー・ベアー、マイケル・S・ブレグマン 製作総指揮:オートウィン・フレイヤームス、ウィリアム・オズボーン、ゲイリー・レヴィンソン、ウィリアム・デイヴィス、脚本:ウィリアム・オズボーン、ウィリアム・デイヴィス 撮影:デニス・クロッサン 音楽:ブラッド・フィーデル
出演:キム・ベイシンガー、ヴァル・キルマー、テレンス・スタンプ、ゲイラード・サーテイン、ザック・イングリッシュ、レイノール・シェイン

 ファーストカットはアトランタの夜景を空撮で捉えた物で、「ATLANT UNION BANK」と屋上にネオンサインが飾られているビルの上をグルグルとカメラが回った後、そのまま壁面にそって降りて一つの窓に1カットで近づいていく。
 このカメラワークに、ラッセル・マルケイがハリウッドデビューした『ハイランダー』の冒頭を思い出した。あちらではプロレスを行っている大きな屋内ホールをカメラが飛び回りそして観客席に座る主人公のクリストファー・ランバートまで1カットで寄っていく。クレーン撮影では不可能と思われるこの映像を可能にした技術はワイヤーでカメラを吊って行ったそうだ。『ブロンディー』の場合はどうやったのだろうか?人は映っていないカットだしミニチュアか?
 ともあれ『ブロンディー/女銀行強盗』という邦題は情けない。3流お色気映画みたいではないか。『ピカソトリガー』系あたり?まぁあちらはあちらでそれなりに好きなんだが、この映画にはてんで似合っていないタイトル。

 天才的金庫破りのマッコイが6年振りに仮出所で刑務所から出てくる。警察でマッコイとすれ違った男(ヴァル・キルマー)が「今の美人誰?」「マッコイだよ」「マジ!マジで本物のマッコイ!?」と係員とやり取りするが、その時の「本物のマッコイ」が本来の原題である『THE REAL McCOY』。
 元夫に会いに行くが、夫から「息子にはお前は死んだと伝えてある。彼のためだ、お前はもう俺たちの前に顔を出さないでくれ」と伝えられる。
 出所して息子に会うことだけを生き甲斐に過ごしてきた彼女にとって受け入れがたい内容だったが、そこをなんとか堪える。しかし、仮出所の身の彼女に世間は冷たく、職安や企業を回ってもなかなか仕事が見つからない。そこで履歴書に嘘を書きなんとか工場勤めを始めるが、その嘘がバレて解雇され保護観察官からは今度問題を起こしたらまた刑務所に逆戻りだと釘を刺される。彼に好意的に接してくれるのは彼女を尊敬して声をかけてきたヴァル・キルマーだけ。
 そんな弱り目にたたり目な彼女に、かつてのボス(テレンス・スタンプ)が1千数百万ドルの仕事をもちかけてくる。ATLANT UNION BANKに忍び込み、その大金庫から有り金全部持ちだそうというのだ。もう犯罪とは手を切った彼女はその仕事を断るが、息子をボスに誘拐されて無理矢理引き受けさせられる。難攻不落の要塞のような大金庫をいかにして陥落させるのか?

 キム・ベイシンガーがキレイ。キム・ベイシンガーのためにある映画だ。1953年生まれだからもう40歳ほどなのだがもう少し若く見える。39歳ぐらい?って変わんねーよそれ。まぁ35歳ぐらい。
 男は情けないヤツばかり。元夫もボスも最後はあっけない。ヴァル・キルマーは三枚目風なおとぼけキャラが入っていて、キム・ベイシンガーよりも格下。でも素顔は金髪の二枚目なので二人が並ぶとスクリーンに映える。
 息子はまだ小学低学年ぐらいだが、ラジコンを一人で改造してしまう腕の持ち主。キム・ベイシンガーが金庫破りや銀行に侵入するために各種電子機器の取り扱いに長けており、その血を引いているのだろう。
 ヴァル・キルマーが愛車のトランザム(?)を洗いながら、「これは世界一速い車なんだ」と自慢していると「日産のフェアレディZの方が速いよ」とつっこむ。キム・ベイシンガーには悪いが可愛くないガキだな。ちょっとむかついて「アメ車が最高だ?」とホースで水をかけるヴァル・キルマーの方が可愛いぞ。

B00005G0DM.jpg『タロス・ザ・マミー/呪いの封印』(1998) TALOS, THE MUMMY 120分 アメリカ

監督:ラッセル・マルケイ 製作:ダニエル・ジャクブ・スラデック、ジェフリー・ホワイト 製作総指揮:シルヴィオ・ムラグリア、ロメイン・シュローダー 脚本:ジョン・エスポジート、ラッセル・マルケイ、キース・ウィリアムズ 撮影:ガブリエル・ベリスタイン 音楽:ステファノ・マイネッティ
出演:クリストファー・リー、ジェイソン・スコット・リー、ルイーズ・ロンバード、ショーン・パートウィー、リセット・アンソニー、マイケル・ラーナー、ジャック・ダヴェンポート、オナー・ブラックマン、シェリー・デュヴァル

 クリストファー・リーは冒頭のエジプトでの発掘現場の学者としてちょっと出演しているだけ。新しい墓を見つけて仲間と共に中にはいるが、錯乱を起こしてその墓を爆破して本人もしまう。もちろんここからはクリストファー・リーの出番はなし。
 そして数十年後、再び発掘が再開され、墓の中が調べられ、そこに収められた主がタロスという人物であったことが判明する。タロスのミイラはイギリスはロンドンに運ばれ展示されるが、ある日突然行方不明になってしまう。
 その頃、ロンドンの街では猟奇殺人が多発していた。人が襲われては眼球だけをえぐり出されて殺されるとか、肺だけを取られるとか行ったケースなのだ。もうお分かりだろうが、ミイラは人間を襲って生身のパーツを集めて復活を謀っていたのだ。
 もっとも重要なのは心臓。そしてその心臓の持ち主は意外な人物だった。

 ラッセル・マルケイとしてはごく平凡。ミイラ物としても平凡。
 ミイラは細い布状態で移動し人を襲うのだが、古い亜麻布なので真っ白ではなく黒っぽく汚れている。CGIでその布が移動し迫ってくる様子はどうみても昆布が襲いかかってくるようにしか見えない。返り討ちにして味噌汁の出汁を取ってやろうかという感じだ。
 特に、風呂場に侵入してお湯まみれになったミイラの布は本当に昆布。そう言えば、ミイラってかつては漢方薬の材料として使われてたんだよな。なんだ、ミイラなんて人間は食っちゃうんだな。

 ラストで「この人物が実は」というちょっとしたドッキリはあるが全体的に退屈。ミイラが怖くないってのはさすがにつらい。
 地下駐車場で男がミイラに襲われるシーンで『ハイランダー』をちょっと思い出したが、派手なアクションになるわけでもなくあっと言う間に終わる。
 ラッセル・マルケイの長所であるテンポの良さと切れの良いアクションがないので、凡作ホラーの範疇を出ていない。
 猟奇殺人事件を追い超自然の世界に巻き込まれていく刑事役のジェイソン・スコット・リーが好演していたのが救いか。

pepsiwhite.jpg コンビニにはあまり行かないので見つけるのが遅れ、さらに身辺がゴタゴタしてついには2週間ちょっとサイトの更新も滞っていたので紹介が遅れたが、ペプシが社運を賭けて発売した新製品!、いや社運は絶対に賭けちゃいないのがこの『ペプシホワイト』だ。

 以前にキューリ味の『ペプシアイスキューカンバー』やハワイの海のような鮮やかな青色の『ペプシブルーハワイ』を取り上げたが、これでウチで取り上げるのは3商品目。前2商品は期間限定でとっくに市場からは姿を消している。復活を希望する声も少ないだろう。というかそもそもないかも。
 他にも『ペプシレッド』などペプシは思いつきとしか思えない新商品を打ち出してくれる。だからこうしてネタにも使える。愛飲してるのは『ペプシNEX』だが、こういうのも一度は買う。二度買うことはこれまでのところほとんどない。

 『ペプシホワイト』はその名の通り白い。アメリカではアフリカ系アメリカ人つまり黒人の大統領が誕生したがこちらは黒い。タイミング的には『ペプシブラック』を出すべきだったんじゃないかと思うが、それは単に普通のペプシだ。
 見れば見るほど白い。絶対に白い。これが白じゃないという奴がいたら相手になってやる。表に出ろ、白黒つけてやる。

 さて、能書きはそれぐらいにして、キャップを捻って開ける。まずは匂いをかぐ。甘い匂いに乳酸菌系の香りが交じる。乳酸菌系?ちょっと嫌な予感がしてきた。
 一口ゴクリ。口の中にほどよい酸味が広がる。炭酸の泡が弾けプチプチした刺激を与えてくれる。二口ゴクリ、三口ゴクリ。ゴクゴクゴク……
……これ、『カルピスソーダ』じゃねぇ?いや違うな、『スコール』か。『アンバサ』かもしれない。
 外観から予想したとおりの味。『ペプシブルーハワイ』のようなあまり見ない色で勝負というわけでもなく、『ペプシアイスキューカンバー』のような「なんだよこの味!グエ」といったような罰ゲーム的ネタも仕込まれていない。どうしちゃったんだよペプシ?こんなまともなのお前らしくないぞ。こんな普通に売れる商品作ってどーすんの?
 あえて特色を上げるとしたら白系乳酸菌炭酸飲料としてはちょっとドライ風味ってことか。
 ペプシの開発室しかっりしろよ。『ペプシアイスキューカンバー』を出した時点で進む道は決まってしまったんだから、ナス味でも椎茸味でも出せよ。鹿児島にはサツマイモジュースがあるっていうぞ。

ちょいとわけありで

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ちょいとわけありで、2週間ほどネット環境から遠ざかっておりました。
なければないでなんとかなるというか、そんな呑気な状況ではありませんでした。
新聞と公衆電話とテレビが唯一の情報ライフライン。
諦めて素直に本を読んでいました。
レイ・ブラッドベリの『たんぽぽのお酒』『火星年代記』「何かが道をやって来る』などから
新潮ではなくソフトバンクから出ているクライブ・カッスラーのシリーズや
スティーブ・ハンターなどなど。
やっぱ、海外の翻訳物冒険小説やSFが好きなんかな。

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