『四銃士』(1974) THE FOUR MUSKETEERS 107分 イギリス
監督:リチャード・レスター 製作:ピエール・スペングラー、イリヤ・サルキンド 脚本:ジョージ・マクドナルド・フレイザー 撮影:デヴィッド・ワトキン 音楽:ラロ・シフリン
出演:オリヴァー・リード、リチャード・チェンバレン、フランク・フィンレイ、マイケル・ヨーク、ラクエル・ウェルチ、フェイ・ダナウェイ、チャールトン・ヘストン、ジャン=ピエール・カッセル、クリストファー・リー、シビル・ダニング
前作『三銃士』と同時に撮影されたのでキャスト・スタッフともほぼ同じメンツ。何故か音楽だけミシェル・ルグランからラロ・シフリンに変更になっている。ラロ・シフリンは好きだが、このシリーズに関してはミシェル・ルグランの楽曲の方が合っていた。
ストーリーはそのまんま続き。念願かなってダルタニアンは銃士となり、アトス、アラミス、ポルトスの三銃士と合わせて四銃士となる。愛人のコンスタンスとの仲も良好で人生を満喫するダルタニアンだが、リシュリュー枢機卿の陰謀が再び襲いかかる。
前半は軽快なテンポで物語は進む。凍った池(川?)の上でダルタニアンがロシュフォールとその部下たちとつるつる滑って転んだりの戦いはほとんどコント。氷に穴が開いて水にはまりこみ困った顔のロシュフォール(クリストファー・リー)なんてのはなかなかお目にかかれない。
四銃士だけの内緒話をするために、フランス軍と解放軍が戦う前線で互いの中央にある無人地帯の城壁に「ちょっとあそこで朝食を取ってくる」とでかけ、大砲の弾丸が飛び交う中、本当に食事をしながらついでに城壁を攻めてくる敵をやっつける。前作では意外に活躍シーンがなかったアトス、アラミス、ポルトスの三人も今作では剣劇などで存分に腕を振るう。
四銃士の主人公は、血気盛んで熱血漢で惚れっぽいダルタニアン、何か過去がありげでニヒルな酒好きのアトス、聖職者を目指していて銃士は仮の姿と言いながら女好きのアラミス、そして派手好きでホラ話が得意なポルトスとそれぞれに魅力的なキャラクターがきっちり書き分けられていて、それぞれの個性が互いに引き立て合っている。
今となってはありきたりなキャラ付けかもしれないが、アレクサンドル・デュマが『三銃士』を書いたのは1800年代前半から半ば頃だから、現在作られている作品がその影響を受けていて当たり前に見えるのかもしれない。
後半にはいると物語はかなりシリアスになってくる。以下、大いにネタバレを含む。これ書いとかないと1993年版の『三銃士』に繋げられないんだよね。
コンスタンスは一度は毒婦ミレディーによって誘拐されるが、四銃士の活躍で救出され修道院に匿われる。しかし、その居場所を知ったミレディーの手にかかりコンスタンスは命を落とす。
コンスタンスの死を知り怒りに狂ったダルタニアンはロシュフォールと対決し、激しい戦いの後ついにロシュフォールを倒す。修道院の聖堂の中で繰り広げられるこの戦いはアクションの激しさと長目の時間でシリーズ最大の見せ場。『スター・ウォーズ』でクリストファー・リーが演じたドゥークー伯爵の戦いはスタントマンが演じた物にクリストファー・リーの顔を合成したと聞いたことがあるが(真偽は不明)、『四銃士』ではクリストファー・リー本人が実際に剣を振るって戦っている。クリストファー・リーは1922年生まれだから撮影当時はなんと50過ぎ。だが、その動きの華麗さは年齢を感じさせない。ここで前作のオープニングで父から「ここぞという時にだけ使え」と言われていた必殺の秘技を使うのかと思ったが違った。というか、その秘技は前作でロシュフォール相手に使ってあっさり避けられてたな。
そしてなんとミレディーの正体は伯爵だったアトスの元妻だった。しかし、狩りの最中に落馬して肩に犯罪者の刻印が押されているのを見つけたアトスがミレディーを絞め殺し、その後爵位を捨てて銃士となったのだ。これでアトスが時に見せる影の意味だったのだ。ところがミレディーは死んではおらず、裏社会をのし上がりリシュリュー枢機卿の手先となったのだ。ミレディーの正体を掴んだ四銃士は彼女を死刑と決め首切り役人に刑を執行させミレディーは最後まで悪女のまま命を落とす。
こうしてリシュリュー枢機卿の陰謀は四銃士によってまたもや打ち砕かれたのだ。
『三銃士』の回で書いたがコンスタンスは下宿屋の妻でダルタニアンとは不倫の愛人関係。それなのに真っ昼間の大通りで平気な顔してデートしている。前作では登場した下宿屋のしょぼくれたオヤジは妻を寝とられただけではなく出番まで無し。
その上、ダルタニアンは正体は知らないとはいえミレディーと寝るし、彼女の侍女とまで寝る始末。いくら若いとはいえなぁ。それで「コンスタンスを愛している」とか言われてももう一つ説得力が......まぁ17世紀フランスが舞台だから現代日本の倫理をあてはめてもしょうがない。
ちなみにこれから20年後が舞台の『新・三銃士/華麗なる勇者の冒険』(1989)という続編も作られている。監督はもちろんリチャード・レスター。日本では劇場公開されず、ビデオが発売されただけ。DVDにはなっていない。レンタル開始時にさっそく観ましたが相変わらずのリチャード・レスター節。ダルタニアンの召使い(レスターの『HELP!』にも出てた『三・四銃士』と同じ人)が食堂で料理をかっぱらうシーンから始まるんだったかな。昔のことなんで細部は忘れてるが、結構面白かった。世間の評価は低いようだが。








『大脱獄』(1970) THERE WAS A CROOKED MAN 127分 アメリカ




『死海殺人事件』(1988) APPOINTMENT WITH DEATH 103分 アメリカ



