『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』(1975) MONTY PYTHON AND THE HOLY GRAIL 92分 イギリス
監督:テリー・ギリアム、テリー・ジョーンズ 製作:マーク・フォーステイター 脚本:グレアム・チャップマン、ジョン・クリーズ、テリー・ギリアム、テリー・ジョーンズ、エリック・アイドル、マイケル・パリン 撮影:テリー・ベッドフォード 音楽:ニール・イネス
出演:グレアム・チャップマン(山田康男)、ジョン・クリーズ(納谷吾郎)、テリー・ジョーンズ(飯塚昭三)、テリー・ギリアム(古川登志夫)、エリック・アイドル(広川太一郎)、マイケル・パリン(青野武)、パッツィ・ケンジット
日本語ナレーター:藤村俊二
先日紹介した『ライフ・オブ・ブライアン』はキリスト誕生期のイスラエルを舞台に宗教をギャグにしたドクっ気の強い作品だったが、『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』は西暦932年、イギリス伝説の英雄アーサー王をギャグにして、その部下である円卓の騎士たちが聖杯探求の旅をするシッチャカメッチャカ映画。ドクっ気は相変わらずあるが、『ライフ・オブ・ブライアン』よりは初心者向き。
主人公のアーサー王を演ずるのはブライアンも演じたグレアム・チャップマン。名門校ケンブリッジで医学を学んでいる最中にコメディにのめり込んでパイソンズ結成時からのメンバーとなった。というか、パイソンズってジョン・クリーズもケンブリッジだし、マイケル・パリンはオックスフォード、この作品で共同監督を務めたテリー・ジョーンズはケンブリッジで中世文学を専攻していてい中世に関する専門書まで出している。この作品ではテリー・ジョーンズの中世趣味が前面に押し出されて実はかなり史実に忠実らしい。ぬかるみだらけの道にボロ切れのような服の人々、大衆は愚昧でそれを率いるのが我らがイギリスの王アーサー……のはずなんだけど。ちょんちょん。ここで時代考証をちゃんとやって衣装や小道具も凝ったりするからただでさえ少ない予算が、さらに足りなくなるんだよな。
まずはオープニングクレジットから笑わせてくれる。最初は普通にキャストやスタッフの名前が連なって出てくるのだが、そのうち「ヘラジカがさぁ」「うちの妹が噛まれてもうたいへんなわけ」とか言い出して、字幕責任者が首にされる。これでようやくまともなクレジットになるかなと思ったら「でまたヘラジカなんだけどさぁ」。ついにはラマ、ラマづくしでメキシカンににぎやかなクレジットに突入。笑ったけど、ラマんとこでの赤黄の激しい点滅は目が疲れるぞ。
パカランパカランと馬に乗ったアーサー王が丘を越えてやってくるのだが、姿が見えてくると実は馬に乗った格好だけして、従者にココナツの殻で蹄の音を立てさせているだけ。イギリス各地を旅して、ついに円卓の騎士を揃え、神からイエス・キリストが最後の晩餐で使った杯、“聖杯”を探し出すよう命を下される。いわゆる聖杯探求だ。聖杯探求で今だと一番知られているのは新作も間近なインディ・ジョーンズシリーズの三作目『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』だろうか。
で、聖杯があるらしいフランス人の城に交渉に行くが、バカにされっぱなしでまるで話にならない。やはりイギリス人とフランス人は仲が悪い。そして最後は牛を丸々一頭投げつけれるなどして撤退。
「この敗北は、アーサー王にとって手痛い物でした」
と、とつぜん現代の歴史学者がマイクを片手に道ばたで解説を始めるが、通りかかった騎士に「怪しげなヤツ」ってんで斬り殺されてしまう。これが、衝撃のラストへの伏線なのだっ!こんなラスト観たことないっ!!!!
一人何役もやりながら妙な連中がどんどん出てきて映画は進む。女々しい王子が隙あらば歌い出そうとすると(どこからか音楽も流れ始める)、粗暴な父が出てきて「歌うんじゃない」の繰り返しのギャグなんか大好きだね。この突然歌い出そうとして止められるってギャグはディズニーの新作『魔法にかけられて』の予告でもやってたな。
地上最強の怪物の正体や、ツバメの種類などの知識や、PCRPGゲーム『ウィザードリィ』に登場した“ホーリーグレネード”という武器は映画に出てきた“聖なる手榴弾(ホーリーグレネード)からパクッたんだろとか色々。『ウィザードリィ』かぁ……20年ほど前に1~3、特に1にはのめり込んだなぁ。
オレが持っているDVDは2002年のユニバーサル インターナショナル版だが、この5月21日に発売されたソニー・ピクチャーズエンタテインメントは日本語吹替で原語のままの部分が増えているらしい。岩に刻まれたアリマタヤのヨセフの遺言「アア~」は原語だそうだが、ウチのは日本語。原語なのは女ばかりの城でちょっとあるだけだね。でも、昔観たビデオ版だとサー・ロビンの吟遊詩人が歌う詩も日本語だった気がするんだ、不確か。