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『ボディ・スナッチャーズ』 お前らも我々の仲間になって苦しみから解放されろ

B000V97J2C.jpg『ボディ・スナッチャーズ』(1993) BODY SNATCHERS 88分 アメリカ

監督:アベル・フェラーラ 製作:ロバート・H・ソロ 原作:ジャック・フィニイ 原案:レイモンド・システリ、ラリー・コーエン 脚本:スチュアート・ゴードン、デニス・パオリ、ニコラス・セント・ジョン 撮影:ボジャン・バゼリ 特撮:トム・バーマン 音楽:ジョー・デリア
出演:ガブリエル・アンウォー、メグ・ティリー、フォレスト・ウィッテカー、テリー・キニー、リー・アーメイ

『SF/ボディ・スナッチャー』と続けて観たのでオープニングクレジットに同じ名前があるのに気がついた。製作はどちらもロバート・H・ソロという人物。愛着がある原作なんだろうか。他には、原案が『悪魔の赤ちゃん』シリーズのラリー・コーエン、脚本が『死霊のしたたり』のスチュアート・ゴードンなどと、ホラー映画ファンにはお馴染みの名前もある。
 さてこれで三度目の映画化。今回はどんな味付けに仕上げてくれるのだろうか。

 主人公はティーンエイジャー。早く18歳になって家を出たいと言っている17歳の女の子だ。家を出たいその訳は、7歳の時に母を亡くし、現在では父が再婚してその継母との間に産まれたまだ小さな幼稚園児の男の子と四人家族になっていて、その中で自分が浮いた存在であることを感じているからだ。
 父は軍が保管している薬品などで環境汚染が発生していないかを調べるのが仕事だ。その都合でワシントンから南部の軍事基地を中心とした街に一家はやって来た。家庭内の不和、新しい土地での生活に対する不安。思春期の悩みを抱える主人公に、それどころではない恐怖が襲いかかる。

 しっくりといっていない継母が最初に乗っ取られたり、外部からは詳しいことが分からない軍隊内部でエイリアンが乗っ取り用の繭を作っていたりと設定は悪くない。だが88分という短めな尺のためか、母親が別人になってしまったことを父親など他人に信じてもらえないなど心理的な恐怖は抑えめ。どちらかというと、乗っ取られた人々がゾンビのように襲ってくる物理的な恐怖が前面に押し出されている。
 それでも、軍医(フォレスト・ウィッテカー)が基地の大将であるリー・アーメイらに「お前も仲間になるのだ」と迫ってこられて、乗っ取られるぐらいならばいっそのこと……などはゾクゾクくる。ところで、フォレスト・ウィッテカーを捉えるカットはどれも下からあおった物ばかりだがあれは何なんだろうか。登場シーンからすでに異常に気づいているので、孤立感と不安を演出しているのか。

 製作者が同じなだけあって、基本設定は1978年度版と同じ。ただし、緑色の莢だったのが川の中から採取してくる繭のような物体に変更されている。やはりゴミ収集車にはチェックだ。
 弟がもはやという衝撃の後、ラストをどのように締めくくってくれるのかと思いきや、ハッピーエンドではないがバッドエンドともちょっと違う物になっている。ラストこそが果てもない戦いという次の物語の始まりである。

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