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『SF/ボディ・スナッチャー』 莢人間には気をつけろ

B001671JOW.jpg『SF/ボディ・スナッチャー』(1978) INVASION OF THE BODY SNATCHERS 115分 アメリカ

監督:フィリップ・カウフマン 製作:ロバート・H・ソロ 原作:ジャック・フィニイ 脚本:W・D・リクター 撮影:マイケル・チャップマン 音楽:デニー・ザイトリン
出演:ドナルド・サザーランド、ブルック・アダムス、レナード・ニモイ、ジェフ・ゴールドブラム、ヴェロニカ・カートライト、ケヴィン・マッカーシー、ドン・シーゲル

 ジャック・フィニイのSF小説『盗まれた街』の二度目の映画化。ドン・シーゲル監督の『恐怖の街』も良いが、出来や怖さではこの『SF/ボディ・スナッチャー』が一番だ。
 サンフランシスコに降り注いだ雨。その翌朝から、他の植物に寄生して小さく綺麗な花があちこちで咲いていた。思わずつみ取って家の中に飾った人も多かった。ところが、夜になって人々が寝付くと、ベッド横に置いた花瓶の花から触手が伸びてきて人間に絡みつく。花から生じた緑色の莢の中から素体が出てきて、寝ている人間の肉体や記憶などのデータをコピーして複製人間が作成される。そしてコピーし終わると元の人間は……
 『インベージョン』ではハッピーエンドにするために同じ肉体に上書きコピーされる方式に変更されていたが、『SF/ボディ・スナッチャー』ではオリジナルには戻れないとかなり悲惨なことになっている。元の人間がどうなるのかは映画の冒頭に近い部分でそれとなく示されている。終盤になってはっきりとするが、取りあえずゴミ収集車をチェックだ。
 親しい友人や知人がいつの間にかエイリアンに入れ替わっているというのが怖い。特に、その友人知人を演じているのがMr.スポックのレナード・ニモイやハエ男のジェフ・ゴールドブラムなので素で不気味だ。サヤインゲンは美味いが莢人間は恐ろしい。
 エイリアンの侵略に気づき、何とか手を打とうとする主人公がこれまた曲者俳優ドナルド・サザーランドで、ラストの衝撃と絶望を表すシーンにはうってつけ。
 特殊メイクなどのSFXも効果的で、中でもある男が複製中に近くにいた飼い犬も触手に巻き込まれてしまって生み出された人面犬の出来は秀逸。人面犬という怪物のことはオレが子供の頃に聞いたことはなかったが、ひょっとしたらこの映画が元で流行ったのかも知れない。オレらの頃は口裂け女だったな。あれの元ネタはなんだろうか?戸川昌子?いやいや。

 ドナルド・サザーランドが街をさまようシーンでは不安定に揺れる手持ちカメラの映像が使われている。バックではサザーランドが複製人間についてあちこちの機関へ電話してはすげなく扱われる音声が流れ、深まりつつある不安を強調している。冒頭の、ブランコに乗っている牧師だか神父だかの視点で、左右に揺れる映像の意味はあんまり分からんが。これから起こる恐ろしい事件を象徴していたのか?単に面白そうだからやったのかも。

 途中で、サザーランドが運転する車にすがりついてきて「奴らが来る。奴らが来るぞ」と恐怖の叫びを上げる男が登場する。『インベージョン』では女性だったが、この男を演じているのが『恐怖の街』で主人公を演じたケヴィン・マッカーシーだとか。
 終盤近くでサザーランドをヒロインを乗せるタクシーの運転手はなんとドン・シーゲル。『恐怖のメロディ』でもそうだったが、以外と演技が上手い。

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コメント (2)

ネスカフェ:

ケビン・マッカーシーといえば、ジョー・ダンテの常連みたいな感じですね。「インナー・スペース」にも出てましたが、2004年の「ルーニー・チューンズ」というコメディ映画では研究所に迷い込んで繭を抱きながら、「侵略されるぞ」と訴えているギャグを披露していました(彼だけモノクロなのがさらにおかしい)この映画に出てくるブルック・アダムスはキレイですよね。私は「デットゾーン」の頃が印象的だった分、この映画の清楚さにはちょっとビックリでした。しかし、子持ちの役とはいえ、「デッドゾーン」の所帯じみた感じはこの映画の5年後と考えると、年月はやはり残酷です。はい

東森時音:

ネスカフェさん
『ルーニー・チューンズ』は観ていないんですが、ジョー・ダンテ作品だったんですね。全編アニメの映画だと思って見落としていました。近い内に借りてきます。
ブルック・アダムスはそれぞれ二十代、三十代ですから、やはり三十の壁は大きいのでしょうか。

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