『ロケットマン!』(2006) DYNAMITE WARRIOR 103分 タイ
監督:チャルーム・ウォンピム 製作総指揮:ソムサック・デーチャラタナプラスート 原作:チャルーム・ウォンピム 脚本:チャルーム・ウォンピム、ユッタポン・ピーラユッタポン 撮影監督:タナチャット・ブンラー
出演:ダン・チューポン、パンナー・リットグライ、プティポン・シーワット、カンヤパック・スワンクート、サマート・ティップタマイ
時代は過去のタイ。映画の冒頭で農作業用の牛を運ぶ牛飼い(カウボーイ)を襲い、その胸元を調べては牛を奪っていくロケットマン。おおっ、これは西部劇ではないか。イタリアの西部劇がマカロニ・ウエスタンで三池の撮った日本の西部劇がスキヤキ・ウエスタンだそうだから、これはトム・ヤム・クン・ウエスタンといったところだろうか。とりあえず意味なく「パクチー!」と叫んでおく。
ロケットマンは胸元にある特徴のある牛飼いを捜し求めている。そう、それは北斗七星の形に並んだ傷跡……いや、それ違うから。とにかく、胸元に刻印のある男を捜している。なぜならば、そいつがロケットマンの両親の敵だからだ。
ロケットマンはムエタイの達人でもあるが、その名の由来通り得意な武器はロケットだ。ロケット花火のでかいヤツを撃ちまくる。ロケット(花火)乱射乱射乱射乱射乱射ーっ!うわっ、特大のロケット花火の上に乗って飛んでるっ!飛びますかキミはーっ!
ラストにはもちろん敵の親玉との一騎打ちもある。吹き荒れる砂嵐がやはり西部劇を感じさせる。登場人物の多くがカウボーイハットを思わせる帽子(麦わら)を被っているのもやはり西部劇。
映画の洗練度としては同じタイ映画でトニー・ジャー主演の『トム・ヤム・クン』と比べても明らかに劣るが、面白い映画を作りたいという作り手の意志がズンズン伝わってきて、そのエネルギーが嬉しい。1970~80年代の香港映画が持っていた勢いに近いだろう。発展途上だからこそ持ちうる力というのもあるのだ。
主人公たちのムエタイが見事で、肉体能力だけではなく、格闘技としての技を存分に味合わせてくれるアクションはやはり見応えがある。向かい合って立っている敵の後頭部に膝蹴りを決めるってスゴッ!
登場人物に妖術使いやオカマさん、そして日本語吹き替えでは「ミーはなになにザンス」とトニー谷のトニングリッシュの敵役のバカさかげんなどがタイを感じさせる。というか、どんなタイの印象だそれは。腹が減ると敵を殺して人肉を喰ってしまう悪役や、刃物でぶった切られる腕や足もなるほどタイ映画かなって感じ。
ヒロインが平成ガメラシリーズの藤谷文子にちょっと似てる気がするのはオレだけ?