« 『モータル・コンバット2』 無駄な動きこそ戦闘員のアイデンティティ | メイン | 『ジャッカー』 闘う男ロイ・シャイダー、死す »

『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』 アメコミヒーロー同士の結婚生活ってどうなるんだろう?

B000ZINY1E.jpg『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』(2007) 4: RISE OF THE SILVER SURFER 92分 アメリカ

監督:ティム・ストーリー 製作:アヴィ・アラッド、ベルント・アイヒンガー、ラルフ・ウィンター 製作総指揮:マイケル・バーナサン、クリス・コロンバス、ケヴィン・フェイグ、スタン・リー、マーク・ラドクリフ キャラクター創造:スタン・リー、ジャック・カービー 原案:ジョン・ターマン、マーク・フロスト 脚本:マーク・フロスト、ドン・ペイン 撮影:ラリー・ブランフォード 衣装デザイン:メアリー・E・ヴォクト 編集:ピーター・S・エリオット、ウィリアム・ホイ、マイケル・マカスカー 音楽:ジョン・オットマン
出演:ヨアン・グリフィズ、ジェシカ・アルバ、クリス・エヴァンス、マイケル・チクリス、ダグ・ジョーンズ、ジュリアン・マクマホン、ケリー・ワシントン、アンドレ・ブラウアー、スタン・リー、ローレンス・フィッシュバーン

 1は観ていて退屈でしたが、2はバカ度が増していて面白い。ファンタスティック・フォーの活躍シーンも増えて、SFXもパワーアップ。そして何より、シルバーサーファーが渋格好いい。声はローレンス・フィッシュバーンだったんだね。そら渋いわ。ファンタスティック・フォーは脇役で、シルバーサーファーが実質的な主役だなこりゃ。最大の敵との戦いでは、ファンタスティック・フォーは何の役にも立ってないし。
 最終的な敵は、惑星のエネルギーとそこで活動する生命体のエネルギーを根こそぎ奪って完全に死滅させてしまう、その名もギャラクタス。ギャラクな上にタスですよ、なんかナムコ系ですな。相手のスケールデカすぎ。見た目は地球よりも大きいんだから、宇宙規模ですよ宇宙規模。手下のシルバーサーファーですら、ファンタスティック・フォーを軽く手玉に取る強さ。シルバーってだけに全身銀ピカのシルバーサーファーは、鏡のように周りの様子を反射している。要は『ターミネーター2』のT-1000なんだが、アメコミにシルバーサーファーが登場したのは1966年とこちらが先。予告編のCGではT-1000からあまり進化してないんじゃないかと不安だった。で、本編を観てみると、「うーん、やはりあんまり進化してないのかも」。実際には写り込みなどがより高度な物になっているのだろうが、オレとしてはあまり差は感じられなかった。
 前作以上にアクションシーンが増え、ファンタスティック・フォーはロンドンの大型観覧車崩壊の危機などでそれぞれの能力を活かして大活躍。シルバーサーファー捕獲という任務には失敗するが、多くの人命を救う。前作ではゴムのように伸び縮みするMr.ファンタスティックの能力が有効に使われていなかったが、今回はロープ代わりになったり、遠くにある本をひょいっと取ったり、ついには美人のお姉ちゃん二人の身体に伸ばした腕を何重にも巻き付けてLet'sダンス!
 ダンスのシーンは独身お別れパーティーでの出来事。いわゆるバチェラーパーティーってヤツだ。Mr.ファンタスティックとインビジブル・ウーマンもついに明日が結婚式。その前夜にヒューマン・トーチとザ・シングが企画したバカ騒ぎパーティーだ。美人を前にビッグバンの説明を始めるなど野暮なMr.ファンタスティックも次第に乗ってきて、ついにはステージでダンスを披露して両手に花なところを、軍からの要請で駆けつけてきたインビジブル・ウーマンに目撃されるってのはお約束。
 どうもこの二人、何度も結婚式を執り行おうとしては事件が起きて中止を繰り返してきた様子。インビジブル・ウーマンは今度こそ結婚するわよ!と燃えているのだが、ニューヨークのビル屋上で行われた結婚式はシルバーサーファーの襲来でまたもや中止。そして、こんな調子でまともな結婚生活や子育てが出来るのかしらとマリッジブルーに突入してしまう。
 それもそうだ。アメコミのヒーローは、これは日本のヒーローもそうだが、ほとんどの場合は正体を隠して変身したり衣装を身にまとって活躍している。それに対して、ファンタスティック・フォーは正体から住む場所まで知れ渡っていて、外出すればパパラッチに狙われテレビや新聞に毎日のように取り上げられる存在なのだ。芸能人ならば、自ら望んでその地位に登り詰めたわけだが、ファンタスティック・フォーの場合はあくまでも宇宙での実験中に発生した事故が原因で日常を奪われてしまったのだ。
 だが、そこら辺の悩みのシーンで映画の流れが中断されることもなく、話はテンポ良く進んでいく。この辺りを「人間が描かれていない」と指摘する人もいるが、それがメインで撮られた映画じゃないのだから何故気にするのかとも思う。そりゃ描いていないより描いていた方が良いのかもしれないが、娯楽映画として重要なのはまず面白いかどうかだろう。オレはこの作品を観終わった時点で、心に別段残った物はなかったが、92分間楽しませてくれただけで満足だ。
 映画の盛り上がりは秘密兵器ファンタスティックカーの登場辺りで頂点を迎える。ファンタスティックカーは三つに分離合体する機能付き。ただ、分離合体のギミックは少々物足りなくて、単に前・中・後ろの分かれるだけ。ここら辺は日本のアニメや特撮の方が凝った物を作りそうだ。
 全員の手を重ねて「おう!」と気合いを入れるシーンはよく見るが、それに全員の力を集中させるという具体的な意味合いを持たせたところが良いね。

 日本の駿河湾で始まった映画は、日本のどこかで行われた強引な結婚式で終結する。いや、終盤は中国での戦いだったので結婚式も中国という可能性は大きい。女性は和服を着てるし、桜が咲き乱れる風景には何故だか鳥居もあるが、ハリウッド映画なので例によって単にアジアということでごっちゃなのかも。まぁ、気にするな。
 ニューヨークの結婚式で招待状を持っていない白髪の客が係員に追い返されるが、「名簿に名前があるはずだ、確認してくれ。オレはスタン・リーだ」と叫んでいる。エンドクレジットによるとやはり原作者・製作のスタン・リー本人。1922年生まれだそうだから85歳のはずだが、アップはないのではっきりと顔が分かるわけではないが60代ぐらいにしか見えなかった。ひょっとするとこの人自身もアメコミヒーローと同じで、いつまで経っても年を取らない特殊能力の持ち主なのかも。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.jion-net.com/mt/mt-tb.cgi/4851

コメント (2)

出たがりなのか、周りが背中を押すのかは知りませんが、スタン・リーは自作の映画にちょくちょく出てるようですね。『スパイダーマン』シリーズにも出てるし、『F4』前作ではレギュラーキャラの郵便配達役。今作ではついに本人役ですか!(わたしはまだ未見)。

東森時音:

とみさわさん

『銀河の危機』でのセリフ回しが上手だなと思っていましたが、あの郵便配達人もスタン・リーでしたか。やっぱ出たがりなんだと思います。
苦労して作り上げてきたアメコミが今ではハリウッド映画でヒット作を連発するようになって嬉しくてしょうがないんでしょう。その気持ち分かります。

コメントを投稿 携帯電話からは投稿出来ません