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『プレステージ』 全てがトリック

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『プレステージ』(2006) THE PRESTIGE 130分 アメリカ

監督:クリストファー・ノーラン 製作:クリストファー・ノーラン、アーロン・ライダー、エマ・トーマス 製作総指揮:クリス・J・ボール、ヴァレリー・ディーン、チャールズ・J・D・シュリッセル、ウィリアム・タイラー 原作:クリストファー・プリースト 脚本:クリストファー・ノーラン、ジョナサン・ノーラン 撮影:ウォーリー・フィスター 衣装デザイン:ジョーン・バーギン 音楽:デヴィッド・ジュリアン
出演:ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン、スカーレット・ヨハンソン、パイパー・ペラーボ、レベッカ・ホール、デヴィッド・ボウイ、アンディ・サーキス

 ファーストカットは林の中に転がる大量のシルクハット。そして、二人の若きマジシャンの憎しみと対立のドラマが始まる。

 重要な人物として、実在した天才科学者ニコラ・テスラ(デヴィッド・ボウイ)が登場する。この人を知っているかどうかで楽しみ方がぐっと変わってくるのでちょっと説明。
 この人は交流電流を発明した人で、直流電流を支持したエジソンと激しく対立した。エジソンが交流電流を非難するために、処刑用の電気椅子を交流電流にして「交流電流は危険だ」と主張したというエピソードを聞いたこともある。
 かなりな変人でもあったらしく、永久機関の研究にも熱心だったとか。「これが永久機関だ」と称する物を作ったが、「偽物だろ、それ」と言われて怒って壊してしまい本当に永久機関だったのかは闇の中というのもニコラ・テスラのエピソードじゃなかったかな。(違ったらすまん)ならば、この作品での出来事もあったのかもな、と思ったりもする。
 この部分を受け入れられるか、受け入れられないかで評価が変わってくるだろう。『タイムマシン』の作者H・G・ウェルズが実際にタイムマシンを作っていて、現在にやってくるという映画『タイム・アフター・タイム』があったが、そんな感じで観ればいいのかと。

 監督が『メメント』のクリストファー・ノランだけに、やたら時間軸が飛びまくる。タイプとしては好きではないのだが、面白いのでよし。
 内容がらストーリーについて述べないが、19世紀末のロンドンが舞台というのは単なる懐古趣味ではなく、様々な設定などから必要として決められたものだ。
 主人公のマジシャン二人が「そこまで確執を持たなくてもいいだろうに」とも思うが、細かな描写を重ねていって、ラストへと突入していく様子は面白かった。
 語り手的役割の「老いてもなお元気」なマイケル・ケインや、久しぶりに観たデヴィド・ボウイなど脇がしっかりしていてうれしい。
 ラストに到るまでの人物や事柄の描写がしっかりしているのでオチも活きる。
 舞台の上も、私生活も、人生そのものがトリック。

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