『ディープ・インパクト』(1998) DEEP IMPACT 121分 アメリカ
監督:ミミ・レダー 製作:リチャード・D・ザナック、デヴィッド・ブラウン 製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、ジョーン・ブラッドショウ、ウォルター・F・パークス 脚本:マイケル・トルキン、ブルース・ジョエル・ルービン 撮影:ディートリッヒ・ローマン 美術:レスリー・ディレイ 衣装デザイン:ルース・マイヤーズ 編集:ポール・チチョッキ、デヴィッド・ローゼンブルーム 音楽:ジェームズ・ホーナー
出演:ロバート・デュヴァル、ティア・レオーニ、イライジャ・ウッド、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、マクシミリアン・シェル、リーリー・ソビエスキー、モーガン・フリーマン、カートウッド・スミス、チャールズ・マーティン・スミス
「地球に隕石(彗星)が衝突する!」と言った映画では同じく1988年にブルース・ウィリスの『アルマゲドン』があるが、そちらがヒーロー物のアクション映画だったのに対し、『ディープ・インパクト』は終末を題材にした群像劇に仕上がっている。
彗星を発見した少年イライジャウッド、そのニュースを追い続ける女性テレビキャスターのティア・レオーニ、そして彗星爆破任務のため宇宙船に乗り込む老宇宙士のロバート・デュバル。大きくこの三つのストーリーに分かれ、それぞれの主人公が顔も合わせぬまま人類絶滅(E.L.E.=Extinction Level Event)へ刻一刻と時間は過ぎていく。
監督のミミ・レダーは『ピースメーカー』などを観る限りでは好みの監督ではないのだが、こいつは面白かった。
人類が破滅を迎えるかもしれないという事柄を淡々と描いている。いくらでもパニック映画として撮ることが出来たろうに、懸命にそれを回避して、家族や人の繋がりを中心とした作品となっている。
いきなり「彗星衝突!」に持ち込むのではなく、ある議員の辞職を浮気がらみだろうとニュースキャスターが調べていたら、とんでもない事実につながっていくあたり、かなりの緊張感だ。
実際にこんなことが起こったら、各地で暴動が発生するのだろうが、あくまで淡々として進んでいく物語。パニック映画を期待して観るとちょっと肩すかしかもしれない。はっきりとした「この人が主役」というのもいないので、誰かに感情移入して映画を観る人にもひょっとしたら不評かも。
如何に終末を回避するかではなく、終末を迎えた時に人々はどうするのか? 最終的なテーマはそこだと思うのだが、もう少し突っ込んで描いて欲しかった。人々も冷静に過ぎる。刹那的欲望に走る人、個人用シェルターなどを買ってなんとしてでも生き延びようとする人、絶望のあまり自殺する人なんかが実際には出そうだが、そこまでやるとテーマから外れるか。
そもそも、アメリカ以外の国はどうなってるの? ま、アメリカ映画だしな。
ロバート・デュバルにカートウッド・スミス、それからすぐに死んでしまうがチャールズ・マーティン・スミスと個人的豪華キャストが勢揃い。特に、最初は若手宇宙船クルーからお荷物扱いされていたロバート・デュバルが、危機においてリーダーシップを取っていくところが良い。ジジィかっけぇ。
個人的には、小惑星が衝突するというので、じゃあ地球を動かして衝突軌道から外してしまおうという『妖星ゴラス』がアイディア的に一番。あれはよくぞ、思いついたよなぁ。
コメント (2)
東森さん
この映画で印象的なのは、失明した飛行士にロバート・デュバルが本を読んであげるシーンです。その際に、他の乗員が
本を持ってきてないことを嘆くセリフがあります。私はそのシーンで、「宇宙飛行士はインテリだし、未来になっても、本ぐらいは持ってくだろう・・」とは思い、不自然に思いましたが、最近のPCやipodなどの普及を見てると、あながちそうだとはいいきれない感じがします。この映画では、黒人大統領でしたが、これも実現しそうだし。技術と生活の進歩は私たちの想像力を超えてますね。
Posted by: ネスカフェ | 2007年12月12日 23:42
日時: : 2007年12月12日 23:42
ネスカフェさん
あのシーンは疑似父息子を感じさせて、良いシーンですね。
ただ、無重力だと分厚いハードカバーを読んでも手が疲れないが、ページがふわふわしてちょっと読みにくいんじゃないかと思ったりもします。若手飛行士たちが本を持ってきていないというのは、世代間の断絶を現してるってことでいいんじゃないでしょうか。しかも、ロバート・デュバルが持ってきたのは現代文学の古典『白鯨』と『ハックルベリィ・フィンの冒険』ですし。
黒人大統領と女性大統領のどちらが先に誕生でしょうか。女性大統領というのは映画で観た記憶がありません。『エアフォース・ワン』に女性副大統領が出ていたような記憶が……
Posted by: 東森時音 | 2007年12月13日 19:57
日時: : 2007年12月13日 19:57