『ハンテッド』(2003) THE HUNTED 95分 アメリカ
監督:ウィリアム・フリードキン 製作:ジェームズ・ジャックス、リカルド・メストレス 製作総指揮:ショーン・ダニエル、デヴィッド・グリフィス、ピーター・グリフィス、マーカス・ヴィシディ 脚本:デヴィッド・グリフィス、ピーター・グリフィス、アート・モンテラステリ 撮影:キャレブ・デシャネル 音楽:ブライアン・タイラー
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ベニチオ・デル・トロ、コニー・ニールセン、レスリー・ステファンソン、ジョン・フィン、ホセ・ズニーガ、ロン・カナダ、マーク・ペルグリノ、ロニー・チャップマン、レックス・リン、エディ・ヴェレツ、ジェナ・ボイド
登場人物は何人も出ているし、上には出演者の名前も記載してあるが、トミー・リー・ジョーンズとベニチオ・デル・トロ以外は忘れて良い。ほんと、脇役だから。
ストーリーもあれこれあるが、忘れて良い。トミー・リー・ジョーンズとベニチオ・デル・トロが戦うというだけの映画だから。
ベニチオ・デル・トロは殺人術やサバイバル技術を叩き込まれたアメリカの特殊部隊隊員。その彼も、地獄のごとき戦場を渡り歩いている内に心が病み、もはや戦場でしか生きられない男になってしまった。
その様に彼を教育したのがトミー・リー・ジョーンズ。父親のようにトミー・リー・ジョーンズを慕っていたベニチオ・デル・トロだが、彼の悩みはトミー・リー・ジョーンズには通じず、ベニチオは不安定になる一方だった。
そして、ついに作戦任務中に民間人もためらわずに殺すようになってしまったベニチオを抹殺すべく、アメリカ政府は殺し屋を送り込む。だが、その殺し屋は返り討ちに遭ってしまい、FBIが捜査に乗り出す。そして、事件の不可解さから、FBIはトミー・リー・ジョーンズに協力を依頼する。
こうして、トミー・リー・ジョーンズとベニチオ・デル・トロの戦いが始まる。
二人ともナイフの専門家。標的に音もなく忍び寄り、音もなく殺す。
徹底したナイフへのこだわり振りが渋い。鉄片を焼き鈍してから研ぎあげで手製のナイフを作ったり、断片が鋭い岩の縁を根気よく割って『はじめ人間ゴン』のような石器ナイフも作る。
ひたすらに逃げるベニチオ・デル・トロを、執拗にトミー・リー・ジョーンズが追う。時には車、時には電車、そしてなにより走る。撮影時、トミー・リー・ジョーンズはすでに五十半ばを過ぎていたが、それでも走る。やはり、走る男は格好いい。
ベニチオが戦場で味わった地獄について説明不十分だったり、彼の恋人とその娘が登場するがまったく活用されていないなど、脚本に粗は多い。
だが、擬似的な父と息子の命がけの戦いが燃えるではないか。ラストの、二人のナイフによる対決も、血しぶきは飛ぶものの、決して派手ではなく地味に痛そうだ。
そしてトミー・リー・ジョーンズは、罠にかかった狼を大自然に返してやるように、文明社会の罠に陥った殺し屋を自由にしてやるのだ。
コメント (2)
ビデオで鑑賞した。ベニチオが戦場で精神を病んでしまい現在に至るまでの部分の描写が弱いように思う。トミーが追跡者として森林に入り込んでいく過程がいきなりやってきてしまい、もう少し下準備が欲しかった。肝心のナイフに関して、特殊部隊での格闘訓練の模様、自前でナイフを製造する場面なんかはもう少し時間をかけてもよかったように思う。ランボーⅡのようにナイフの手入れをする場面などあってもよいのだ。戦場で敵司令官を殺傷するシーンはあんなもんだろうけど、もう少し「ナイフ」を魅せて欲しかった。
Posted by: YesWeCan | 2008年05月11日 19:01
日時: : 2008年05月11日 19:01
YesWeCanさん
ベニチオがなぜ狂ってしまったのかは確かに弱いですね。憶測するしかないんですが、なにか一つ大きな事件でもあったことにしてくれれば分かりやすいんですが。
ナイフの描き方はハリウッド映画としてはあんなところかと。ナイフファンには納得がいかないかもしれませんが、映画内で銃を手入れするシーンはあまり観たことがありませんし、それと比べれば充分にマニアックでしょう。
Posted by: 東森時音 | 2008年05月11日 20:52
日時: : 2008年05月11日 20:52