『恐喝(ゆすり)』(1929) BLACKMAIL 82分 イギリス
監督:アルフレッド・ヒッチコック 製作総指揮:ジョン・マクスウェル 脚本:ベン・レヴィ 撮影:ジャック・コックス 音楽:キャンベル・コネリー
出演:アニー・オンドラ、サラ・オールグッド、チャールズ・ペイトン、ジョン・ロングデン、ドナルド・カルスロップ、シリル・リチャード
ヒッチコック初のトーキー作品にして、イギリス初のトーキー。トーキーというのは声や音が入っている物で、サイレントの対義語だな。
撮影開始時はサイレントで撮っていたが、途中からトーキーを導入したらしい。どのような順番で撮影されたかは知らないが、冒頭のある男が逮捕されるシーンは明らかにサイレントで撮られている。
刑事を恋人に持つ女性が、遊び心から画家の家に遊びに行く。ところが、画家の目当ては彼女の肉体で、強引に迫ってきた画家を、彼女はナイフで刺し殺す。
人目を避けて画家のアパートから逃げ出した彼女だが、一人の悪漢がそれを見ていたばかりに、彼女と刑事はゆすりられることになる。
主人公の実家は雑貨屋を営んでいて、そこへ買い物に来たオバさんが「ナイフ事件知ってる。まったくナイフで刺すなんてねぇ。イギリス人だから殴り殺すならば分かるけど、ナイフで刺すなんて理解できないわ」とナイフを連発する。その度に、ドキッと怯える主人公。すでにトーキーを使いこなしている。
建物最上階から吹き抜けの階段を、見下ろしたヒッチコック的カットも登場する。
殺人の起きた晩にアパートの近くを怪しい人物がうろついていたという目撃証言が上がるが、その人相書きはゆすりの悪漢そのもの。
そして、悪漢は逮捕されるがパトカーから抜け出して、大英博物館に逃げ込む。
ちょうどそのころ、良心の呵責に耐えられなくなった主人公は、自首するために警察を訪れる。
そして、ラストは悪漢が大英博物館で逃げ回ったあげくに屋根から落ちて死亡し、主人公の告白はどさくさで無視されてしまうという灰色決着。