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『バタリアン』 リビングデッドが帰ってきたぜ

B000QUTRVM.jpg『バタリアン」(1985) THE RETURN OF THE LIVING DEAD 91分 アメリカ

監督:ダン・オバノン 製作:トム・フォックス 原案:ジョン・ルッソ、ルディ・リッチ、ラッセル・ストライナー 脚本:ダン・オバノン 撮影:ジュールス・ブレンナー 音楽:マット・クリフォード
出演:クルー・ギャラガー、ジェームズ・カレン、ドン・カルファ、トム・マシューズ、ビヴァリー・ランドルフ、ジョン・フィルビン、リネア・クイグリー、ジュエル・シェパード

 今はなき地方の東宝洋画系劇場で観た。当時の名古屋は二本立てで、『バタリアン』の同時上映は『コマンドー』だったと記憶している。若い女性観客層などまったく想定していない趣味の濃い二本立てだ。

『バタリアン』シリーズの記念すべき第一作目。
ジョージ・A・ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』は事実で、映画化される際には軍の圧力があってストーリーが変更された。
 そしてゾンビを作り出すのがこの薬品、トライオキシンだと、標本会社の社員が地下室に放置してあった容器をバンと叩く。
 すると、トライオキシンガスが漏れ出し、標本の死体や、裏の墓地に埋まっていた死体がゾンビになって暴れ出してしまった。

 冒頭から、「この映画は全て実話である。よって、登場する地名、人名はすべて本物である」との大嘘。
 ゾンビ物にコメディを本格的に持ち込んだのは、この『バタリアン』が初めてじゃないだろうか。ロメロの『ゾンビ』シリーズのパロディとオマージュに満ちあふれている。原題には『THE RETURN OF THE LIVING DEAD』と“LIVING DEAD』の文字があるが、これはちゃんとロメロの許可を得た物らしい。
 走るゾンビは、当時として画期的だった。ノロノロウロウロのゾンビが走る。首を切っても生きてる。おまけにしゃべる。かなり掟破りだ。

 墓場でストリップをしていたパンクなネエちゃんが、ゾンビに襲われてゾンビになってしまう。その全裸ゾンビがまた人を襲う。
「観たか? オールヌードじゃん」
「いいオッパイだよなぁ」
 と友達と盛り上がっていると、
「あんなの、特殊メイクのスーツ(ボディスーツ)だろ」
 と冷静な一言を放つヤツが。

 ……みんな、そんなことは分かってんだよ。それを気づかない振りをして、青春の一ページを楽しんでたんだよ。
 お前はガキの頃、『ゴジラ対ヘドラ』(1971)のボディペインティングのシーンを観て「裸だ、裸だ」と騒がなかったか?思い出すに野暮なヤツだ。

 小市民な労働者と、無職のパンクスグループが主な登場人物。パンクスはありきたりな描写だが、標本会社の社員や葬儀社の男がジタバタして笑わせてくれる。
 ゾンビが出てきても、「警察に連絡したら問題になる。軍に連絡したら会社が潰れる」とオタオタしているうちに問題はどんどん大きくなって、ついには地区一帯がゾンビだらけ。
 隠し通そうとしてかえって問題が大きくなってしまう。『赤福』偽装事件や、『吉兆』偽装事件も、この『バタリアン』事件を先に観ておいて教訓にすれば良かったろうに。
 恋人がゾンビになってしまった女性と天井裏に立てこもった葬儀社の男が、いよいよという時に銃をゾンビに向けるのではなく、そっと彼女の後頭部に押し当てるのは隠れた名シーン。恋人に生きたまま脳みそを食われるぐらいなら、いっそのこと楽にしてあげようというのだ。
 容器の中に入っていた死体の皮膚が解けてタールマンになるオープニングクレジットも趣がある。1は明らかにそれ以降の『バタリアン』シリーズとは出来が違う。

1については既に書いていたと思ったので、順番が最後になってしまったが、これにて『バタリアン』シリーズの終了。

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コメント (2)

おつかれさまでした。
バタリアンは1作目しか見てないです。
といいつつ、その1作目も公開時に見たっきりなので、
まったく内容を忘れてました(オッパイだけは覚えています)。
ゾンビものはあんまり熱心に追いかけてないんですが、
今後はもう少し見ていこうと思います。

東森時音:

とみさわ昭仁さん

ふと気がついたら『バタリアン5』まで作られていたのには驚きました。
5作品続けて観ると、さすがにゾンビについてはしばらくお腹一杯です。
と言いつつ、「最近、『死霊のはらわた』シリーズを観てないよな」とDVDラックを眺めながら考えたりして。

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