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『ブラザーズ・グリム』 似てない兄弟

B000LRZF7K.jpg『ブラザーズ・グリム』(2005) THE BROTHERS GRIMM 117分 アメリカ/チェコ

監督:テリー・ギリアム 製作:チャールズ・ローヴェン、ダニエル・ボブカー 製作総指揮:ジョン・D・スコフィールド、クリス・マクガーク、ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン、ジョナサン・ゴードン 脚本:アーレン・クルーガー 撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル プロダクションデザイン:ガイ・ディアス 衣装デザイン:ガブリエラ・ペスクッチ、カルロ・ポジオリ 編集:レスリー・ウォーカー 音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演:マット・デイモン、ヒース・レジャー、モニカ・ベルッチ、ジョナサン・プライス、レナ・ヘディ、ピーター・ストーメア、リチャード・ライディングス、マッケンジー・クルック、ロジャー・アシュトン=グリフィス、ローラ・グリーンウッド

『ブラザーズ・グリム』じゃなくて『グリム兄弟』だろ、と思ったが、観終わった感想としては、「うん『ブラザーズ・グリム』で正解だ」だった。
 とりあえず、マット・デイモンとヒース・レジャーが兄弟ってのは無理だ。似てないにもほどがある。
 テリー・ギリアムが監督だというので、グリム兄弟を幻想的な映像で観せてくれるんだろうなと考えていたが、ドイツ各地で語られているおとぎ話を集めて本にまとめたグリム兄弟が、何故か亡霊と戦っている。ゴースト・バスターズか、こいつらは?
 そんな無理矢理な設定がさらに一ひねりしてあって、その点は面白かった。
 テリー・ギリアムのファンタジーというと、『ほらふき男爵の冒険』を映像化した『バロン』(1989)が思い出されるが、あれと比べると正直落ちる。テリー・ギリアムが自分の趣味を抑えて撮った感じがある。
『ラマンチャの男』がトラブル続きで製作中止になり、久しくメガホンを取っていなかったギリアムが、興行的成功を第一にと考えたのだろうか。

 動き回る樹木、ミイラ化した女王、カラスの群れなど、幻想的な映像もどこかで観たような物で、目新しさは感じられない。狼男の変身、というか変形のシーンはちょっと面白かった。最後は「愛の力」で勝利するが、冒頭の幼き日のグリム兄弟で語られた“魔法の豆”をラストで活かせたのではないか。
 テリー・ギリアムを期待してみると物足りないが、娯楽映画としては多少グロテスクな部分はあるが成立している。
 赤ずきんやリンゴを持った老婆など、グリム童話の断片が時折挿入されてはいるが、ストーリーはオリジナル。日本に当てはめるとしたら、柳田國男が民間伝承を集めるために立ち寄った山村で妖怪退治をするとかになるんだろうか。『蟲師』(2006)になったら困るな。

 イマイチな男性俳優陣をフランス軍将軍役のジョナサン・プライスが締めてくれる。
 それにしても、アメリカ人ってフランス人が嫌いだよね、実は。

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