『スティーヴン・キング 8つの悪夢:ロックンロール・ヘブン』(2006) NIGHTMARES AND DREAMSCAPES: FROM THE STORIES OF STEPHEN KING オーストラリア/アメリカ
監督:マイク・ローブ 製作:マイク・ローブ 製作総指揮:ビル・ヘイバー、ポーラ・ワグナー 原作:スティーヴン・キング 脚本:マイク・ローブ 撮影:ベン・ノット、ジョン・ストークス 音楽:ジェフ・ビール
出演:キム・デラニー、ウィリアム・マクナマラ、ダミアン・リチャードソン、トニー・リッカーズ
原作小説の邦題は『いかしたバンドのいる街で』だ。
ある夫婦が、オレゴンの道に迷ったあげく、『ロックンロール・ヘブン』という変わった名前の街にたどり着いた。
奇妙なのは名前だけではない。どの家にいっても、下の方から音楽の演奏が聞こえてくるのだ。
いったい何だろうと、縁の下を覗き込んだ夫婦は、そこに信じられない物を目撃する。
なんと、生バンドが床下の狭いスペースに潜り込み、腹ばいになってロックを演奏していたのだ。
これがほんとの『床下バンドのいる街で』というヤツである。
それはさておき、夫婦が迷い込んだのは確かに奇妙な街だった。
そこの住人は何かに怯えているようであり、元気なのは一部の人間だけだ。その元気な連中は、リッキー・ネルソンやジャニス・ジョップリンなど、すでに亡くなったロックスターにそっくりだった。
異常に気付いた夫婦は、街から抜け出して田舎道を車で走るが、パトカーに追いつかれてしまう。
そして、パトカーから降りてきた、ロックンロール・ヘブンの町長を名乗る男こそ、ロックの帝王と呼ばれたあの人物だった……
オールドロックファン必笑のエピソードで『8つの悪夢』は幕を閉じる。
ロックンロールの熱烈なファンであるキングらしいエピソードだ。
劇中で妻が「これはトワイライトゾーンの世界よ」と叫ぶが、まさにその通り。このシリーズ自体がキングによる『トワイライトゾーン』や『ヒッチコック劇場』のオマージュである。
『ロックンロール・ヘブン』ではロックロールスターが、囚人とした人々を相手に永遠に続くコンサートを続ける。
コメディ映画ファンのオレとしては、東西の今は亡きコメディアンによる舞台をぜひとも見てみたい。いかりや長介の「うぃーす」の挨拶で始まり、マルクス兄弟によるドタバタ、走り回るバスター・キートン、時計台からぶら下がるハロルド・ロイドに軍服姿で威張り散らすグレアム・チャップマン。黒いスーツに帽子とサングラスでバク転していくジョン・ベルーシに、植木等による歌。傘を回す海老一染之助・染太郎。ほんじゃまかほんじゃまかと言いながらナポレオンの帽子を作る早野凡平。とどめは林家三平のダジャレ
うん、永遠に続かれると困るな。やはり何事もほどほどが肝心だ。
締めはやっぱり、いかりや長介による「ダメだ、こりゃ」