『スティーヴン・キング 8つの悪夢:ロードウイルスは北に向かう』(2006) NIGHTMARES AND DREAMSCAPES: FROM THE STORIES OF STEPHEN KING オーストラリア/アメリカ
監督:セルジオ・ミミカ=ゲッザン 製作:マイク・ローブ 製作総指揮:ビル・ヘイバー、ポーラ・ワグナー 原作:スティーヴン・キング 脚本:ピーター・フィラルディ 撮影:ベン・ノット、ジョン・ストークス 音楽:ジェフ・ビール
出演:トム・ベレンジャー、マーシャ・メイソン
原題は『THE ROAD VIRUS HEADS NORTH』。
映画の邦題は『ロードウイルスは北に向かう』だが、新潮文庫の『幸運の25セント硬貨』に収録された小説版の邦題は『道路ウイルスは北にむかう』となっている。
『ロード』と『道路』。意味は同じだし、語感も似ている。良くできたダジャレだ。だが、少々出来すぎで、今一つ面白味に欠ける。やはり、ダジャレには「そりゃ無理だろ」という強引さが重要だとオレは思うのである。
翻訳者の白石朗氏は「そもそもダジャレじゃない」とおっしゃるかも知らないが。
主人公キンネルはメイン州はデリーに住む50歳の売れっ子ホラー作家。両親とも若くしてガンで失っており、自分もいずれはガンで死ぬのではないかと、ガン恐怖症に取り付かれている。
ボストンでのサイン会の折に、結腸の検査を受けた結果、異常が見つかり、来週にはその精密検査を行うこととなった。
不安に揺れる帰り道、ボロ屋で開かれているガレージセールに立ち寄ったキンネルは、そこで若くして自殺した無名作家の絵を見つける。獲物を狙う獣のような笑みを浮かべて、何かに向かって車を走らせる男を描いたその絵のタイトルは『ロードウイルスは北に向かう』。
惹き付けられるような物を感じて、キンネルはその絵を購入した。そして、その絵は、時間の経過と共に少しずつ変化していくのだった。
『8つの悪夢』も折り返しを過ぎた5話めとなる。主人公のキンネルを演ずるのはトム・ベレンジャーだ。
テレビ用映画ということもあり、あまり残酷な描写のなかったこのシリーズだが、『ロードウイルスは北に向かう』では、惨殺シーンや生首などが登場し、ショッキングな映像がある。
ぶった切られたようなラストは、原作とほぼ同じ。だが、原作が読書の想像力を刺激して余韻を残すのに対し、映画版は「それでどうなったの?」と感じる部分もある。やはり、小説と映画はメディアとして違うのだ。