『イントゥ・ザ・サン』(2005) INTO THE SUN 94分 アメリカ
監督:ミンク 製作:フランク・ヒルデブランド 製作総指揮:スティーヴン・セガール 原案:スティーヴン・セガール、ジョー・ハルピン 脚本:トレヴァー・ミラー、スティーヴン・セガール、ジョー・ハルピン 撮影:ドン・E・ファン・ル・ロイ 音楽:スタンリー・クラーク
出演:スティーヴン・セガール、マシュー・デイヴィス、大沢たかお、エディー・ジョージ、ウィリアム・アザートン、ジュリエット・マーキス、ケン・ロウ、豊原功補、寺尾聰、伊武雅刀、ペース・ウー、栗山千明、山口佳奈子、大村波彦、本田大輔、コロッケ
セガールが日本に帰ってきた。血と火薬の匂いを振りまきながら…
セガールの動きにキレが戻ってきた。もちろん、全盛期とは比べものにならないが、アクションシーンをすべてスタントマンがやっていた頃と比べると数段マシだ。
カメラはセガールに寄り気味のアップが多く、引いたショットが少ないので全体が映らずごまかしている部分もあるが、連続手技は健在だった。
体重も少し絞ったようで、アゴの肉などが減ってすっきりしている。
オープニングにまったく意味がないが、気にするな。
東京都知事立候補者が暗殺されることに意味がないが、気にするな。
セガールの相棒としてFBIの若い白人捜査官が同行するがほとんど活用されないまま消えてしまうが、気にするな。
日本の東京を舞台に、急速に力を付けつつある若手ヤクザ組織と旧来からのヤクザ組織の戦い、その渦中に飛び込んでいくCIAエージェントであるセガールの姿を描く。
昔気質のヤクザに伊武雅刀、財界の大物に寺尾聰、そしてクラブのコメディアンにコロッケと、なかなかの大物を揃えている。えっ?コロッケ?
もの足りないのが、若手ヤクザのトップを務める大沢たかおだ。本人は『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』のジョン・ローンや『ブラック・レイン』の松田優作を気取っているつもりかも知れないが、とてもじゃないが及ばない。どう見ても、いきがっているだけのチンピラがいいところだ。
じゃあ誰ならばいいかと言われると、日本の芸能界には詳しくないオレは困ってしまうわけだが、もういっそのことセガール剣太郎にしてしまって、夢の親子対決にしてしまってはどうだろうか。劇中で藤谷文子のアップもあることだし。といっても、テレビに『ガメラ 大怪獣空中決戦』が映っているだけだが。てか、ヤクザが『ガメラ』観てんなよ。
任侠映画とくれば、ラストは敵本拠地への殴り込み。
セガールとその仲間は、正々堂々と正面の門から殴り込む。
そして、日本刀と長ドスによるチャンバラが始まる。
テレビの時代劇を観れば分かるが、チャンバラは格闘アクションと比べると肉体的能力が必要とされない。おかげでセガールは大活躍。ヤクザどもをバッタバッタと斬り捨てる。
そして、愛した女を殺したヤクザを見つけ、「叩き殺してやる!」と叫ぶ。そして、峰打ちで頭をめった打ちにして、本当に叩き殺す。日本刀の使い方としては微妙に間違っている気がするが、セガールの怒りを感じさせる。
ついには、ラスボスの大沢たかおと対決するのだが……三船敏郎や勝新太郎が生きていたらなぁ。
えっ?間違った日本の描写が多すぎて頭に来るって?
……あのねぇ、そんなことを気にしていたらセガール映画は観られませんよ。というか、正しいことを伝えるために作った映画じゃなければ、そんなのどうでもいいんです。
「こいつはヘロインだ。日本ではシャブと呼ばれている」なんて、ダウナー系ドラッグとアッパー系ドラッグを同じ物だと言ってしまうのはちょっとどうかと思いますが、アメリカの観客にはシャブ(覚醒剤)は馴染みがないでしょうから、これでいいのでしょう。
ならば、コカインにすればという意見もあるでしょうが、ミャンマーから密輸してくるというアジアっぽさを重視するとヘロインになってしまうのでしょう。