『沈黙の追撃』(2005) SUBMERGED 96分 アメリカ
監督:アンソニー・ヒコックス 製作:マイケル・P・フラニガン、ダフネ・ラーナー、デヴィッド・ヴァロッド、パウル・デ・ソウサ 製作総指揮:ボアズ・デヴィッドソン、ダニー・ディムボート、アヴィ・ラーナー、スティーヴン・セガール、トレヴァー・ショート 脚本:アンソニー・ヒコックス、パウル・デ・ソウサ 撮影:デヴィッド・ブリッジス プロダクションデザイン:カルロス・ダ・シルバ 衣装デザイン:エルヴィス・デイヴィス 音楽:ガイ・ファーレイ
出演:スティーヴン・セガール、ヴィニー・ジョーンズ、ゲイリー・ダニエルズ、ウィリアム・ホープ、クリスティーン・アダムス、ニック・ブリンブル、アリソン・キング、P・H・モリアーティ、ロス・マッコール、スティーヴン・ダコスタ、ピーター・ヤングブラッド・ヒルズ、アダム・フォガティ、ウィリアム・タプリー
格闘アクションは少ないが、それを感じさせない脚本だ。次から次へと展開が変わり、飽きている暇がない。
脚本と担当したのは監督も務めたアンソニー・ヒコックス。『ワックス・ワーク』(1988)でデビューして、『サンダウン』(1991)や『ヘルレイザー3』(1992)などを手がけている。
今回の敵は麻薬でもなければ武器売買でもない。マインドコントロールを操るマッドサイエンティストとの戦いだ。
被験者を台にくくり付け、器具で無理矢理に目を開かせて暴力と恐怖に満ちた映像を見させるという、スタンリー・キューブリックの『時計仕掛けのオレンジ』方式で、心を思うままに支配する。そして、何かのきっかけを元に暗示が発動して、人を殺すなどの行為を自在に取らせることができる。事後催眠というヤツで、チャールズ・ブロンソン主演ドン・シーゲル監督の『テレフォン』で扱っていたのと同じようなやつだ。
悪の基地へと乗り組むために、刑務所に収容されていた元特殊部隊チームが恩赦を受けて出所し再び再結成する。
爆発物のプロ。狙撃のプロ。情報収集のプロなどがいて、それぞれの紹介シーンでモノクロの静止画になるのがむやみにかっこいいい。
このほかにも、ドンドンドンと三拍子でアップになっていくなど独特なカット割りが多い。ちょっと多すぎて、多少は鼻につく感じではある。
最初から最後までチームで動き、チームで戦う。そのおかげでセガールの負担が減り、格闘シーンが少ないのが気にならないというのもあるだろう。
特に『ミーン・マシーン』や『スナッチ』などに出演していたタフガイのヴィニー・ジョーンズの投入は大きい。ヴィニー・ジョーンズは元プロのサッカー選手だけに肉体能力が高い。派手な格闘はそちらにまかせて、セガールはリーダー役に徹している。
セガール映画にファンが求めているのは、もちろんセガール本人によるアクションだろうが、様々な理由でそれが難しくなってきたのならば、アクションの出来る人を脇に置いて、アクションパートを部分的に任せるという手はありだろう。
今回のセガールは、多少身体の動きにキレが戻ってきた感じでもある。
原題の『SUBMERGED』は潜水中といった意味だ。作中に潜水艦内のシーンはあるが、そちらよりもどこの誰がマインドコントロールされているか分からず、そいつが人々の中に潜水するかのように隠れているという意味だろう。