『ICHIGEKI 一撃』(2004) OUT OF REACH 85分 アメリカ
監督:レオン・ポーチ 製作:フランク・ヒルデブランド、ジェームズ・A・ホルト、ジーナ・ポーリー 製作総指揮:スティーヴン・セガール、アダム・グリーンマン、カイェタン・コワルスキ、ヤツェク・サモイロヴィッツ 脚本:トレヴァー・ミラー 撮影:リチャード・クルード 音楽:アレックス・ヘッフェス
出演: スティーヴン・セガール、アイダ・ノヴァクスカ、アグニェシュカ・ヴァグネル、マット・シュルツ、ロビー・ギー、クシシュトフ・ピチェンスキ、ニック・ブリンブル、ミュラー・イルマズ
主人公ウィリアム(セガール)は森林に建てられた一軒家に住み、傷ついた動物の手当てをするなど自然保護活動をして暮らしている。
もちろんセガールのこと。隠遁生活に入る前は情報部か特殊部隊か、そんな仕事をしていたようだ。
悪人側がセガールのことを調べるが、「ヤツには過去がありません。まるで存在していないかのように真っ白です」と言っている。スパイ物などではありがちなセリフだが、そこまで徹底して過去を改竄できる力があるのならば、怪しまれない程度に偽造工作をすれば良いと思うんだが。ニセの職歴とか。、駐車違反の一件ぐらいはやってるとかさあ。
孤独なセガールにとって、唯一の他人との繋がりは、ポーランドの孤児院で暮らす少女との文通だ。「もうすぐ14歳になるので孤児院から出て行くことになる」との文面があるので13歳の少女だ。文通はもう何年も続いているらしい。
少女の才能を見て取ったセガールは、手紙を使って彼女に暗号の解読を教える。モールス信号風のもあれば、「これはゾディアック暗号だ」と言って『ゾディアック』事件で犯人が使った暗号もある。
その孤児院から何人かの少女が悪党どもに連れ去られる。院長も一味に含む児童人身売買組織の犯行だ。
少女からの手紙が途絶えたことを不審に思ったセガールはポーランドに行き、そして人身売買組織と戦うことになる。
少女が所々に残していった暗号を解いて、彼女の行方を追うという展開は、活かしきれていないが面白い。
悪党のボスがチェス好きで、大使館のパーティーを利用して、セガールの行動を読みながら罠を仕掛けているところも悪くない。
ただ、全体的に観るとストーリーが単調で盛り上がりに欠け、セガールの格闘アクションや銃撃戦が燃えてこないのが寂しい。
ラストの、素手でも銃でもなく、剣を使った戦いはセガール映画にあまりなかったもので、すれ違いざまの一太刀で決着が付くところを横から捉えたカットは日本の時代劇風である。
監督のレオン・ポーチは香港映画で活躍してきた人だが、ドラマ性の強い作品中心で、あまりアクションは得意ではない様子。
どんよりと曇って快晴とはほど遠い風景や街並み。歴史が深そうな建物など、ポーランドの重みがある映像は魅力的だ。
佳作『DENGEKI 電撃』をもじったタイトルだが、出来としてはかなり差がある。