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『スティーヴン・キング 8つの悪夢:解剖室#4』 やめろぉ、俺はまだ生きてるんだっ!

B000TZF99I.jpg『スティーヴン・キング 8つの悪夢:解剖室#4』(2006) NIGHTMARES AND DREAMSCAPES: FROM THE STORIES OF STEPHEN KING オーストラリア/アメリカ

監督:ミカエル・サロモン 製作:マイク・ローブ 製作総指揮:ビル・ヘイバー、ポーラ・ワグナー 原作:スティーヴン・キング 脚本:エイプリル・スミス 撮影:ベン・ノット、ジョン・ストークス 音楽:ジェフ・ビール
出演:リチャード・トーマス、ロバート・マモーネ、グレタ・スカッキ、マーティン・ヴォーン

 河豚の毒にあたった人の体験談をどこかで読んだことがある。中島らもが引用していたんだったかな?
 意識はあるのだが、指の一本を動かすことも瞬きをすることも出来ない。
 しかし、意識ははっきりしている。
 そして、自分の枕元に集まった人々が、「葬式はどうしようか」と話し合っているのが聞こえたというのだ。

 この作品の主人公は、ゴルフ場で倒れ、たまたま居合わせた老人医師に心臓マヒによる死亡と判断された。
 そして、病院の解剖室に運ばれ、後は検視を待つだけなのだが、実は毒ヘビに噛まれて身動きが出来ないだけで、意識はある。そして、自分が生きていることをなんとか検視医に伝えようとするが、瞳孔すら開いたままだ。
 そして、いよいよ彼の胸に切開用のメスが迫る。

 映画はアップになったジッパーが閉められるところから始まる。
 なんだこりゃと思ったが、死体袋のジッパーだった。主人公の一人称視点だったのだ。
 もちろん、小説は一人称小説。
 自分がこの立場におかれたらかなりイヤだ。いや、目茶目茶イヤだ。死が迫ってくるのに、叫ぶことものたうち回ることも出来ない。怨霊や殺人鬼は登場しないが、立派なホラーである。
 かなり下品なオチはテレビでは無理じゃないかなと思ったが、多少の深読みが必要な感じで上手くごまかしてある。そのまま映像化したら成人指定だ。

 日本では事件性のない心臓マヒが原因とされる死体を、わざわざ解剖して死因の特定はしないだろう。
 そもそも、検察医自体の数がかなり少ないと聞く。だから、この作品のような「死んでないのに解剖される」ということはまずないと思われる。
 土葬はごく一部の地域に限られているから、エドガー・アラン・ポーの『早すぎた埋葬』の心配もない。
 だが、火葬場の職員が火葬炉から焼き終えた骨を引き出した時に、時折、中で死体が生き返って暴れた後を見つけるという。
 『早すぎた火葬』と言ったところか。もっとも、これは単なる都市伝説の一つだろう。
 『早すぎた鳥葬』だったら、いやだよなぁ。ゆっくりとした死なんてもんじゃないぞ。

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