『沈黙の標的』(2003) OUT FOR A KILL 90分 アメリカ
監督:マイケル・オブロウィッツ 製作:ランドール・エメット、ジョージ・ファーラ、ダニー・ラーナー、スティーヴン・セガール 製作総指揮:ダニー・ディムボート、アヴィ・ラーナー、トレヴァー・ショート 脚本:デニス・ディムスター、ダニー・ラーナー、スティーヴン・セガール 撮影:マーク・ヴァーゴ 編集:ロバート・A・フェレッティ 音楽:ロイ・ヘイ
出演:スティーヴン・セガール、ミシェル・ゴー、コーリイ・ジョンソン、チョーイ・ケン・ベー、トム・ウー、マイケル・ジュニア・ハーヴェイ、マイケル・J・レイノルズ、レイ・チャールソン
今回の敵は世界の麻薬密売を独占しようとしているチャイニーズ・マフィア。
ボスと6人の幹部の7人が、なにかある毎にパリに集まって会議をやっているのが笑える。今時、古い体質の中小企業だってそんなにこまめに会議をしないぞ。特撮物の悪の幹部もしょっちゅう幹部が顔を揃えて会議をやっているが、どうやらこのチャイニーズ・マフィアも含めて、悪の組織の方がマメなのかも知れない。
セガールは考古学の教授。だが、その前身は古美術専門の怪盗だった。怪盗引退後、その知識を活かすべく考古学の道を選んだのだ。これで、考古学者なのにやたらと強いことにちゃんと説明が付く。というか、問答無用の強引さ。
助手や妻を殺されたセガールは、組織を壊滅すべく戦いを始める。敵がチャイニーズ・マフィアだけに、カンフーを使う殺し屋がセガールの元に次々と送られてくる。少林寺風の僧侶や、猿拳使いの理髪師など、個性的な敵がセガールを襲う。
その殺し屋たちには腕に文字が入れ墨されていて、それが手がかりになって物語は進む。この入れ墨が、そこらにあったマジックで殴り書きをした様ないい加減な物。これはもうちょっとなんとかならなかったものか。
ちなみに、謎は大して謎になっていない。
銃撃戦は少なく、セガールが銃を使うシーンはほとんどない。DVDのパッケージは拳銃を構えたセガールの姿だが、作品のイメージとは違う。「無敵」ってのは確かだが。
セガールの登場シーンが凝っていて、発掘中の遺跡を上空から捉えた空撮から、カメラが自在に動いて最後には岸壁に掘られた一室へと1カットで入っていく。途中まではミニチュアで、砂吹雪を利用してカットを上手く切り替え、セット撮影へと繋げたもので、アルフレッド・ヒッチコックの『バルカン超特急』のオープニングを少々思い出させる。
このシーンを始めとして、個性的なカット割りが多用されている。スローモーションで飛んでいくアサルトライフルの銃弾とか、宙を舞う麻雀パイ、路上などを疾走するカメラ。これらは好き嫌いが分かれるだろう。オレ的には問題なし。