『沈黙の断崖』(1997) FIRE DOWN BELOW 104分 アメリカ
監督:フェリックス・エンリケス・アルカラ 製作:スティーヴン・セガール、ジュリアス・R・ナッソー 共同製作:ロナルド・G・スミス 製作総指揮:ウィリアム・S・ギルモア、ジェブ・スチュアート 脚本:ジェブ・スチュアート、フィリップ・モートン 撮影:トム・ホートン 音楽:ニック・グレニー=スミス
出演:スティーヴン・セガール、マージ・ヘルゲンバーガー、クリス・クリストファーソン、ハリー・ディーン・スタントン、スティーヴン・ラング、レヴォン・ヘルム、ランディ・トラヴィス、クレイ・ジーター、ジョン・ディール
『沈黙の要塞』で原油流出事故について大演説を繰り広げながら、自ら油田採掘基地を吹き飛ばしたセガール。
今回は、化学廃棄物不法投棄をテーマにしながら、ラストには廃棄物が山と積まれた廃坑を吹き飛ばして、容器は破壊される。どう見たって地下水に有毒廃棄物がだだ漏れだ。その調査に来たのに、さらに汚染を拡大してどうするよセガール。
でも映画なんだからそんな細かいこと気にするな。現実なら気にしろ。つか、相変わらず後のことを考えずにやりすぎ。
悪役のクリス・クルストファーソンがさすが魅せてくれる。最近ならば『ブレイド』シリーズで主人公ウェズリー・スナイプスの相棒で、武器を開発している人と言えば分かりやすいだろうか。カントリーミュージックの大御所としても有名である。
サム・ペキンパーの『ビリー・ザ・キッド21才の生涯』(1973)ではビリー・ザ・キッドを演じて映画デビュー。目茶目茶良い映画なので、観てない人は観るべし、観るべし。
さらに、セガールに情報を提供する現地の人として名優ハリー・ディーン・スタントンが登場する。老けたなー、ってのが最初の印象だが、主人公側の登場人物として色々と無茶な映画に多少なりとも重みを与えてくれる。
彼ら名俳優を脇に、環境保護官役のセガールが強い。例によって強い。先のその地の調査にあたった環境保護官の友人が殺されたことの復讐もあって、やたらに強い。
セガールは音楽が好きでギターのコレクションもしているそうで、劇中ではギターの腕前も披露してくれる。そう言えば、『死の標的』では音楽も共同担当していたな。
捜査の途中で知り合った女性が、その兄の精神的支配下におかれていて、どうやら近親相姦的臭いがする辺りなど、人間関係はセガール映画としては比較的複雑だ。あくまでも“比較的”だけれども。
肉体的アクションだけではなく、トレーラーによるカースタントも面白い。
アメリカ南部らしい、家のポーチとそこに置かれた揺り椅子が印象に残る。
西部劇的記憶でもあるのだ。
不法投棄でどれだけ罰金を負わされても、それ以上に儲かるからどうでもいいと言い放つクリス・クルストファーソン。
最近の“伊勢の名物”など日本企業の不祥事を見るに付け、社会の裏行為をしている企業や保健所とか経済産業省とか厚生労働省その他もろもろにもセガールが現れないかと、ちょっと思ったりもする。そうなったら、日本中血まみれになるだろうけどな。下手したら、オレも合気道で一撃だ。