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『DENGEKI 電撃』 本部長「貴様は首だっ!」

B000OIOJXM.jpg『DENGEKI 電撃』(2001) EXIT WOUNDS 101分

監督:アンジェイ・バートコウィアク 製作:ダン・クラッチオロ/ジョエル・シルヴァー 製作総指揮:ブルース・バーマン 原作:ジョン・ウェスターマン 脚本:エド・ホロウィッツ/リチャード・ドヴィディオ 撮影:グレン・マクファーソン 音楽:トレヴァー・ラビン/ジェフ・ローナ
出演:スティーヴン・セガール/DMX/イザイア・ワシントン/マイケル・ジェイ・ホワイト/ビル・デューク/ジル・ヘネシー/トム・アーノルド/ブルース・マッギル/デヴィッド・ヴァディム/エヴァ・メンデス

『沈黙の戦艦』(1992)が大ヒットしたスティーヴン・セガールだが、その後のタイトルに“沈黙”が含まれる作品群は正直今一つな出来だった。
『沈黙の陰謀』(1998)のネイティブ・アメリカン(インディアン)や『沈黙の要塞』(1994)のイヌイット(エスキモー)など少数民族を登場させたり、『沈黙の要塞』『沈黙の断崖』では環境破壊を行っている企業を相手に戦ったりする。制作も兼ねているセガール自身が問題意識として持っている事柄を織り込んだと思われるが、アクション映画としては面白い方向性を模索する努力は買う。しかし、環境保護について延々壇上で説教しておきながら、実はその前のシーンでアラスカの油田施設をセガール自身が木っ端みじんに吹き飛ばしていた。おいこら、お前が一番環境破壊してるんだろ!
そんな感じで、1994年以降のスティーヴン・セガールは行き詰まっていた感があるが、そこから復活したのがこの刑事映画『DENGEKI 電撃』だ。

セガールがデトロイト警察の警官を演ずる今作は『沈黙の戦艦』のような大規模な作品ではない。相変わらずセガールは強いが、そのため警察においてはみ出し者となっており、あまりに暴力に走りすぎるというので署長の命令で「暴力的衝動を抑えきれない人」向けのセラピー集会に参加させられてしまう事になる。
10人ほどのセラピー集会で自分の暴力行為を告白してついには泣き出した男や、それに対して拍手を送る連中を見てうんざりした顔のセガールがなかなか良い。どの映画でも“強すぎる”セガールだが、その強すぎることを上手く笑いにつなげひいては常にムスッとしたセガールキャラに人間味を持たせている。
そのセラピーで知り合ったテレビ番組のホストが『トゥルーライズ』(1994)でシュワルツェネッガーの相棒を演じていたトム・アーノルド。図々しいけど実は小心者という味が出ている。
新しくセガールと組む事になった黒人警官が『トゥルー・クライム』(1999)のイザイア・ワシントン。なんか、『トゥルーなんとか』という映画に出てた俳優ばっかり使ってない?次は『トゥルー・ロマンス』か『トゥルー・ナイト』か。えっ、『トゥルーラブストーリー』?
ラッパーでもあるDMXは個人的にどうでもいいんだが、その仲間の太った黒人アンソニー・アンダーソンが面白い。芸風はどの映画でも変わらない人だが。
そして最初は嫌な奴っぽかったが最後には大活躍の本部長が格好いい。『プレデター』(1987)でシュワルツェネッガーの部下の一人だったビル・デューク。悪徳警官をショットガンで撃ち倒して「貴様は首だ!」の一言。
こういった具合にセガールを中心にして周りに魅力的な人物を配置し、ワンマン映画になりがちなところを上手く回避している。
これ以降のセガール作品は大作路線は止めてきっちりB級映画に徹するようになった。『奪還』(2002)や『撃鉄』(2003)などなかなか面白い。特に『撃鉄』は妙なカット割りが胡散臭くて良い。
もっとも個人的には『沈黙の要塞』なんかも実は好きだ。

ちなみにジェット・リーの『ブラック・ダイヤモンド』(2003)は監督のアンジェイ・バートコウィアク、トム・アーノルド、DMX、アンソニー・アンダーソンなどなどほとんど同じ顔ぶれ。
エンドクレジットが流れる中、トム・アーノルドとアンソニー・アンダーソンがダラダラとバカ話をくっちゃべってるところまで同じ。これがほんとーにどうでもいい話。『DENGEKI 電撃』を観てると10倍笑える。

ジョエル・シルヴァーが製作にあたって「そのポニーテールは止めてくれ」と条件を出したらしい。
そのため、この作品では微妙に襟足は長いものの、トレードマークであったポニーテールはない。
セガール曰く、あれは武士の髷をイメージした物だそうで、かなり思い入れがあったそうだが、それを切ってまでして出演しただけあってか、映画もヒット。消えてしまう可能性もあったセガールは見事に返り咲いた。
これから、現在に至るまでのセガール第三期が始まる。

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コメント (4)

借金で首回らぬ:

1992年の作品は「沈黙の戦艦」ですよ

東森時音:

借金で首回らぬさん

『沈黙の艦隊』になっておりました。ご指摘ありがとうございます。
訂正しておきました。

76:

今日、電撃見て気になったんだけど、
あの女の署長さんはどうなったんだ?
死んだの?

東森時音:

76さん

車が激突したシーンを観る限りでは死んだんじゃないでしょうか。その後も登場しませんし。
これでセガールの怒りがさらに燃え上がったと言うことなんでしょう。
でも、すでに怒りまくってるんで殺す必要はなかったと個人的には思います。

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