『ブラッド・ダイヤモンド』(2006) BLOOD DIAMOND 143分 アメリカ
監督:エドワード・ズウィック 製作:ジリアン・ゴーフィル、マーシャル・ハースコヴィッツ、グレアム・キング、ダレル・ジェームズ・ルート、ポーラ・ワインスタイン、エドワード・ズウィック 製作総指揮:レン・アマト、ベンジャミン・ウェイスブレン、ケヴィン・デラノイ 原案:チャールズ・リーヴィット、C・ギャビー・ミッチェル 脚本:チャールズ・リーヴィット 撮影:エドゥアルド・セラ プロダクションデザイン:ダン・ヴェイル 衣装デザイン:ナイラ・ディクソン 編集:スティーヴン・ローゼンブラム 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー、ジャイモン・フンスー、マイケル・シーン、アーノルド・ヴォスルー、カギソ・クイパーズ、デヴィッド・ヘアウッド、ベイジル・ウォレス、ンタレ・ムワイン、スティーヴン・コリンズ、マリウス・ウェイヤーズ
舞台は中西部アフリカ。
政府軍と革命軍が争い、その戦闘資金としてダイヤが採掘され、密輸出することで武器や弾薬を得ていた。
血みどろのアフリカで採られたそれらのダイヤは紛争ダイヤと呼ばれ、日本も含む西側諸国でご婦人の首元や指を鮮やかに飾っているのだ。
その紛争地域で、一つの漁村が革命軍に襲われ、ソロモンという名の男が家族と離ればなれになり、ダイヤの採掘場で100カラットはある大きなピンクダイヤの鉱石を見つける。
この『ピンク』を巡って、ダイヤ密輸業者のアーチャー(レオナルド・ディカプリオ)、政府軍の大佐、紛争ダイヤの取材を試みる女性記者(ジェニファー・コネリー)などが絡み合い、裏切りと欲望のドラマが始まる。
アフリカの紛争や、その資金源となる紛争ダイヤや各種地下資源、などなど。アフリカが実際に抱える問題をストーリーの背景に背負い、さらにリアルな戦闘シーンが、時にそのあまりにもあっけなさが怖ろしい。
革命軍に連れ去られたソロモンの息子が、徹底した暴力的な教育を受け、一人の少年兵になっていくシーンは秀逸だろう。
長年、大佐(アーノルド・ヴォスルー)の元で働いていたアーチャーが、最後の最後で裏切り、銃で撃つ。大佐「これがアフリカか」、アーチャー「TIA」
だが、欲望と暴力。裏切りで彩られたこの作品のラストはごく当たり前の道徳映画としてエンドロールとなる。
そう、娯楽映画でもなく、社会派映画でもなく、その正体は道徳映画だったのだ。
ラストのアーチャーの行動はまたぞろの自己犠牲とは違うとは思う。正しい人生を生きたくなったのだろう。だが、それで様々な問題がいくつも解決では、少々肩すかしだ。最後に字幕でちょろっと語って終わりでは、安易さが感じられてならない。
ひたすらにダイヤを求めるレオナルド・ディカプリオや、正義感ではなく記者としてネタを追わずにはいられないジェニファー・コネリー。ダイヤによってもたらされる富に惹かれながらも、それ以上に行方不明の息子が大切なジャイモン・フンスー。
役者陣が高ポイントだっただけに、少々残念だ。
アフリカ内紛について知りたいならば、それに関する本や記事を読んだ方がいいだろう。
個人的に、この映画では上っ面をなぞっただけに過ぎないと感ずる。
世界には国際ダイヤモンド輸出機構(『パタリロ』より)の様な組織が現実にあり、市場に出すダイヤモンドの数をコントロールして、価格を維持しているという。
単に希少価値という意味では、ダイヤはさして高いものではないそうだ。
一般的な日本人がダイヤに関わる一番大きな機会というと、婚約指輪だろう。
例の「婚約指輪は給料3ヶ月分(欧米版では“2ヶ月”だったそうだ)」というのも、なにもそんな決まり事があるわけではなく、ジュエリー業界が勝手にそう言っているだけ。バレンタインデーみたいなものだ。
だからダイヤの婚約指輪を相手にプレゼントする意味などまるでない。