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『デューン/砂の惑星』 伝説の救世主

B00006AUVI.jpg『デューン/砂の惑星』(1984) DUNE 137分 アメリカ

監督:デヴィッド・リンチ 製作:ラファエラ・デ・ラウレンティス 製作総指揮:ディノ・デ・ラウレンティス 原作:フランク・ハーバート 脚本:デヴィッド・リンチ 撮影:フレディ・フランシス 特撮:キット・ウェスト 特殊効果:カルロ・ランバルディ、アルバート・ホイットロック 特殊メイク:ジャンネット・デ・ロッシ 音楽:ブライアン・イーノ、TOTO
出演:カイル・マクラクラン、ホセ・ファーラー、ポール・スミス、フランチェスカ・アニス、スティング、ユルゲン・プロフノウ、シアン・フィリップス、フレディ・ジョーンズ、ディーン・ストックウェル、リチャード・ジョーダン、ケネス・マクミラン、エヴェレット・マッギル、マックス・フォン・シドー、ブラッド・ドゥーリフ、リンダ・ハント、ヴァージニア・マドセン、シルヴァーナ・マンガーノ、ジャック・ナンス、パトリック・スチュワート、ショーン・ヤング

 映画化される数年前、オレが中学生の時に原作を読んだ。今はどうなっているのか知らないが、当時は石森章太郎(石ノ森章太郎)が表紙などのイラストを手がけていた。
 正直ね~、難しかった。人間関係を把握するだけでも一苦労。
 だが、原作を読んでいたおかげで、高校時代に封切りされた映画版を観ても、なんとかついて行けた。ストーリー面だけを見ると、原作を思いっきり縮めまくったダイジェストだもんな。

 映画の冒頭。夜空に皇帝のお姫様が浮かび上がる。この映像が、『エレファント・マン』のラストと繋がっていて面白い。
 そして、姫様が設定を語る語る。そんな、一度に言われても憶えられないって。で、一度フェイドアウトした姫様がまた戻ってきて、ひとしきり語った後でフェイドアウトしていく。
 これでようやく本編開始だなと思いきや、またまた姫様が戻ってくる。
「そうそう、言い忘れてましたが・・・」
 二度やったらギャグだろう。笑った。

 デューンとも呼ばれる惑星アラキスは、砂漠と岩ばかりで木の一本とも生えていない砂の惑星だが、宇宙で唯一スパイスが採れる場所だった。
 このスパイスは料理に使うわけではなく、精神に作用してその者の能力を引き出す。
 この世界でのワープは、機械による物ではなく、スパイスで奇形化した航海士が精神の力で空間を折りたたんで行うもの。
 主人公のポール(カイル・マクラクラン)もアラキスの大気に混ざったスパイスによって、次第に覚醒していき最終的には伝説の救世主となるのだが、このスパイスは原作が1965年に発表されたことなどから考えてもLSDなどのドラッグ(薬物)がそのモチーフだろう。
 アラキスはスパイスを求める帝国によって支配されている。砂漠の民の仲間となったポールが自らをムアディブと名乗り、ジハード(聖戦)という単語が出てくる点から、現代社会における石油でもある。
 反米的側面のある小説および映画なのである。

 合成などのSFX面では大いに不満も残るが、セットや衣装などの美術面が非常に凝っていて、その方面にはあまり明るくないオレでも心をひかれる物がある。
 10年ほど時代を間違えたようなSFXはわざとなんだろうか。それともしょせんカルロ・ランバルディだからなんだろうか。
 飛行機械のコントロールパネル一つを見ても、電子装置ではなく機械装置のデザインに統一されている。
 美術に興味がある人には、それだけでも必見だろう。
 登場人物は奇妙なのが多くて、特に敵側のハルコネン家の連中はうさんくさいヤツ揃い。皮膚病の親父は宙を飛んでる、スティングはパンツ一丁でポーズを取っている。いや、スティングは格好いいんだが、ほとんど出番なし。
 デヴィッド・リンチは世界観を作り上げるのに夢中になっている様子。リンチ曰く、「完全版は4時間半」になるそうだ。劇場公開版は半分の時間だから、無理があるのもしょうがないか。
 完全版はぜひとも観てみたいところだが、リンチはとうに興味を失っているだろうから、願い叶わずか。

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