『ブルーベルベット』(1986) BLUE VELVET 121分 アメリカ
監督:デヴィッド・リンチ 製作:フレッド・カルーソ 製作総指揮:リチャード・ロス 脚本:デヴィッド・リンチ 撮影:フレデリック・エルムズ 音楽:アンジェロ・バダラメンティ
出演:カイル・マクラクラン、イザベラ・ロッセリーニ、デニス・ホッパー、ローラ・ダーン、ホープ・ラング、プリシラ・ポインター、ディーン・ストックウェル、ジョージ・ディッカーソン、ブラッド・ドゥーリフ、ジャック・ナンス
父親が発作で倒れたため、ニューヨークの大学に通っている主人公ジェフリー(カイル・マクラクラン)が、田舎町に帰ってくる。
そして、父親を見舞いに病院に行った帰り、原っぱである物を見つける。
それは、切断された人間の左耳だった。
そして、ジェフリーはある事件に巻き込まれていくことになる。いや、警察に届けたところで終わりにしておけばいいのに、好奇心によって自ら事件に飛び込んでいったのだ。
ストーリーや人物はシンプルな作品だ。
切断された耳や、女性歌手(イザベラ・ロッセリーニ)の謎はすぐに解ける。そもそもリンチは、謎が解けるとか解けないといったことにはあまり興味がないんじゃないだろうか。
太った女ばかりを揃えた店や、女性歌手のアパートが印象に残っているが、それ以上に強烈なのがデニス・ホッパーの「そりゃないだろ」な変装だ。
デニス・ホッパーが一人でイカれた悪党として突っ走っているが、カイル・マクラクランやイザベラ・ロッセリーニが結局は普通の人だったりするので、不条理さはあまり感じられない。
やる気のなさそうなカーチェイスや、やる気のなさそうな銃撃戦が登場するが、それでいてデニス・ホッパーがサイレンサー付きのオートマチックピストルを使うシーンでは、スライドを固定させてブローバックさせず、一発ずつ手でスライドを動かして廃莢して発砲時の音を低減させているなど、意外なところで凝っている。
デヴィッド・リンチにとってまたもや転機となる作品で、その後の『ツイン・ピークス』や『ワイルド・アット・ハート』へと繋がっていき、リンチカラーをイメージ付けることとなる。