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『いんちき商売』 令嬢誘拐事件でドタバタだ

51V5QIbvpSL._AA240_.jpg『いんちき商売』(1931) MONKEY BUSINESS 78分 アメリカ

監督:ノーマン・Z・マクロード 原作:サム・J・ペレルマン、ウィル・B・ジョンストン 撮影:アーサー・トッド
出演:グルーチョ・マルクス、チコ・マルクス、ハーポ・マルクス、ゼッポ・マルクス、セルマ・トッド、トム・ケネディ、ルース・ホール、ロックリーフ・フェローズ

 前2作はニューヨークで舞台出演として平行して撮影された。
 そして3作目の『いんちき商売』から拠点をハリウッドに移し、本格的に映画の世界に乗り出した。
 なるほど、確かに前2作が舞台劇を引きずっているのに対し、この『いんちき商売』ではぐっと映画らしくなっている。

 三人の兄に対して自分があまりに目立っていないのが嫌になったのか、末の弟のゼッポはマルクス兄弟を抜けたがるようになっていたそうだ。
 そのためか、ヒロインと恋に落ちる青年役を演じ、ラストでは悪漢との一対一での殴り合いとこれまでに比べるとセリフと出番が増えた。
 しかし、兄三人が他の俳優とは置き換えることが出来ないのに対し、ゼッポの役は美男子俳優なら誰でもよいとも言えるもので、わだかまりは残ったままだった。

 前半は四人が密航した豪華客船の中で、彼らを捕まえようとする船員たちとのドタバタな追いかけっこがメインで、ギャグも豊富で楽しい。身を隠すために人形劇に紛れ込むハーポは絶品だ。
 後半は船がアメリカはニューヨークに到着し、豪邸で開かれる仮装パーティーと、対立する犯罪組織同士の争いに片方の娘(ヒロイン)が巻き込まれて誘拐され、彼女を救出してハッピーエンドとなる。
 前半と後半でテンポも食い違い、ちぐはぐな印象はぬくめない。あえていうならば、後半は舞台時代のマルクス兄弟を引きずっているのではないだろうか。
 この作品でマルクス兄弟は全米映画興行成績を塗り替えて歴代トップとなり、名実共にスターとなったそうである。

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