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『けだもの組合』 消えた絵画でドタバタだ

518m7qYQuaL._AA240_.jpg『けだもの組合』(1930) ANIMAL CRACKERS 97分 アメリカ

監督:ヴィクター・ヒアマン 原作:ジョージ・S・カウフマン、モリー・リスキンド、バート・カルマー 脚本:ピエール・コリングス 脚色:モリー・リスキンド 撮影:ピエール・コリングス
出演:グルーチョ・マルクス、チコ・マルクス、ハーポ・マルクス、ゼッポ・マルクス、マーガレット・デュモント、リリアン・ロス、ルイス・ソーリン、ハル・トンプソン、ロバート・グレイグ

 マルクス兄弟主演第二作目。こちらも舞台劇の映画化である。
 危機に陥った恋する若い男女を、マルクス兄弟がドタバタしている内に結果的に救うことになるのは前作『ココナッツ』と同じで、マルクス兄弟映画の基本スタイルになっている。
 大富豪の未亡人がパーティを開き、そこで展示される10万ドルの絵画が偽物とすり替えられ、しかも偽物が二枚登場してついにはどれがどれやらの大騒ぎになる。
 未亡人を演ずるマーガレット・デュモントはマルクス兄弟映画の常連で、財産狙いのグルーチョに毎度毎度口説かれている。

 『ココナッツ』にあった群舞はなくなったが、コーラスは健在。チコによるピアノの演奏と、ハーポによるハープの演奏があるが、少々長すぎるように感じる。スター映画なので主演者の見せ場を大きく取ったのだろうが、やはりここら辺は第二次大戦前の映画という感じだ。
 意味がありそうでまったくないことを延々と喋り続けるグルーチョと、ダジャレ好きなチコ。そして前作以上に暴走してヨレヨレのコートから生魚から懐中電灯までとあらゆる物を取りだし、美女と見るや追いかけ回すハーポの芸人振りが楽しい。あっ、そういえばゼッポも出てたな。
 グルーチョはアフリカ帰りの探検家という設定で、腰ミノだけの黒人男性に担がれた駕籠に乗って登場する。今となってはやばいネタだ。

 ただし、暴走するマルクス兄弟を演出側が抑えきれず、映画としてまとまりに欠ける部分がある。ストーリー的なまとまりは元より求めてはいないが、これではただの出し物だ。マルクス兄弟と対等に立ち向かう監督が登場するのはもう少し先のこととなる。
 DVDはユニバーサルから発売されていて、ユニバーサルの旧作映画ではありがちなのだが日本語字幕の出来が悪い。気づいただけでも誤植は何カ所かあり、男性のセリフの語尾が女性の物になっていたりと、Mr.だれだれ Mrs.だれかれというのも違和感がある。だれだれさんやだれだれさまでいいじゃないか。
 個人的には日本語を習得したアメリカ人が翻訳したか、日本の翻訳家見習いにバイトで頼んだんじゃなかろうか?と考えている。

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