『スティーブン・キングのデスペレーション』(2004) DESPERATION 132分 アメリカ
監督:ミック・ギャリス 製作:ケリー・ヴァン・ホーン 製作総指揮:ミック・ギャリス、スティーヴン・キング、マーク・セネット 原作:スティーヴン・キング 脚本:スティーヴン・キング 撮影:クリスチャン・セバルト 音楽:ニコラス・パイク
出演:トム・スケリット、スティーヴン・ウェバー、アナベス・ギッシュ、ロン・パールマン、シェーン・ハボーチャ、ケリー・オーヴァートン、マット・フルーワー、チャールズ・ダーニング
現段階ではこれが一番新しいキング原作の映像化作品。
メイン州などアメリカ北部を舞台にすることが多いキングだが、これは砂漠ばかりの西部のネバダで物語は進む。ざらついた乾いた砂埃混じりの風が陰惨でおぞましさを引き立てる。
デスペレーション(DESPERATION)とは荒れ果てた田舎町の名前で絶望という意味だ。町に動く人影はなく、凶暴で異様な保安官(ロン・パールマン)に殺された死体がいくつも転がるばかり。中盤には姿を消すロン・パールマンが不気味で良い。特殊メイク無しでそれ以上の効果を見せる稀なる俳優だ。
警察署の留置所に入れられた数人の人々が如何に脱出するかというサスペンスから、物語は次第に神と悪魔との戦いへとつながっていく。町にはチャイナピットと呼ばれる古い鉱山があり、掘り尽くされたとして捨てられていた。しかし近年になって再開され坑道の奥である物が発見されたことが発端だった。それは地獄に通じる穴と言ってもよい。
キングお得意の善と悪との戦いである。過去にトラウマを持つ男や不可思議な力を持った少年などはキングらしい登場人物だ。他にはアル中気味の老獣医としてチャールズ・ダーニングが出演している。最近姿を見なかったのでどうしたかと思っていたが80過ぎにしてはまだまだ元気そう。
導入部に比べると終盤がイマイチなのはいつものことだが、キング御用達監督ミック・ギャリスは心理描写はそれなりに得意なようだが、アクションは不得手な人のようなので今回に関しては致し方ないのかもしれない。どちらかというとクレイグ・R・バクスリー向きの題材ではないだろうか。
少年が過去に起きた坑道事故の詳細を潰れた映画館のフィルムビューアーで無声映画の映像で観るシーンは秀逸。
ピーター・ジャクソンという名の登場人物に「ロード・オブ・ザ・リング」は大好きだというのは分かりやすいネタだが、「一匹狼マッケードって古い映画であっただろう」というのはチャック・ノリスの『テキサスSWAT』のこと。そうか、キングもチャック・ノリス好きか?
原作は読んでいるが、132分ではちょっと細かい設定や人物描写が描き斬れていない感じ。ベトナム戦争で従軍記者の経験がある作家の過去や少年が如何に神から力を託されるなどラストに繋がる重要な伏線なのだがちらっと触られるだけ。倍とは言わないがせめて3時間は欲しかったところ。