『アトランティスのこころ』(2001) HEARTS IN ATLANTIS 101分 アメリカ
監督:スコット・ヒックス 製作:ケリー・ヘイセン 製作総指揮:ブルース・バーマン、マイケル・フリン 原作:スティーヴン・キング 脚本:ウィリアム・ゴールドマン 撮影:ピョートル・ソボチンスキー 編集:ピップ・カーメル 音楽:マイケル・ダナ
出演:アンソニー・ホプキンス、ホープ・デイヴィス、デヴィッド・モース、アントン・イェルチン、ミカ・ブーレム、アラン・テュディック、アダム・ルフェーヴル、トム・バウアー、セリア・ウェストン、ティモシー・レイフシュナイダー、ウィル・ロスハー
原作が文庫本としては厚めかつ上下巻の長編小説なので、映画化するには無理矢理詰め込むか描きたいところを抜き出して再構築するか、大きく分けて二つの方法になる。この作品は後者だ。
写真家ボビー・ガーフィールドの元に宅配便で古びたグローブが届く。そして少年時代の友人が死んだことを知ったボビーは30年も前に離れたままの田舎町へと帰る。そしてすっかり荒れ果てた昔暮らしていた家を訪れ、30年前の思い出が甦る。
原作は『スタンド・バイ・ミー』に組織から追われる超能力者という『ファイアスターター』的な要素を加えた作品だったが、映画では少年時代のボビーと謎の力を持つテッド(アンソニー・ホプキンス)の年の差を超えた友情と、幼なじみの少女との淡い恋愛に焦点を当てている。
個人的には小説と比べると全体に物足りない感じがあるが、観終わった後で爽やかさと穏やかさの残る映画ではある。
遺言でボビーにグローブを残した友人ハリーが影の薄い存在になっているのが残念だが、その分をテッドや母親との関わりをじっくりと力を入れて描いている。ただそのせいか政府組織やテッドの超能力が浮いてしまっている。これでは超常現象的な物がなくても作品として成り立つのではないかとも思うが、それはもはやキング原作ではなくなっているだろう。
良心的ではあるが野心に欠けた作品といったところか。
すでに亡くなってしまった二人の人物写真がそれぞれ一枚ずつ効果的に使われ、大人になったボビーが写真家になった理由ともなっている。
コメント (4)
この作品は「オーロラの彼方へ」同様に人に薦めています。けれど、この頃は歳取ったのか独りで観るにはちと辛いですね。「ビッグ・ウエンズデイ」とか「スタンバイ・ミー」もそうですが「子供の頃の想い出」がテーマの作品はハート・ウォーミングである反面哀しくなり独り身には私にはもはや限界かな。
Posted by: オンリー・ザ・ロンリー | 2008年03月14日 23:44
日時: : 2008年03月14日 23:44
オンリー・ザ・ロンリーさん
>「ビッグ・ウエンズデイ」とか「スタンバイ・ミー」もそうですが
過ぎ去ったあの日は決して帰ってくることがないというのがテーマの一つですからね。『スタンド・バイ・ミー』は学生時分に観ましたが、スティーヴン・キング原作特集で観直した時はやはり感想が変わっていました。10年後に観るとまた変わっているのでしょう。
Posted by: 東森時音 | 2008年03月14日 23:53
日時: : 2008年03月14日 23:53
東森さん
私は主人公の少年が誕生日に図書カードをもらうシーンが印象に残ってます。経済的な点もあって、「おかあさんはお金になるものはくれない」と愚痴る少年に、ホプキンスが「書物は人間の叡智だ。素晴らしいではないか」と諭すシーンが好きですね。この辺がくさくならないがキングらしさなんでしょうね。
Posted by: ネスカフェ | 2008年03月18日 23:36
日時: : 2008年03月18日 23:36
ネスカフェさん
小説を先に読んでいたので、テッド役がアンソニー・ホプキンスに決まったと聞いたときはミスキャストじゃないのかなと思ったのですが、映画は作品自体が原作とは違うイメージになっていたのでしっくりきました。ホプキンスの穏やかな語り口が良かったですね。
大人向けの本も借りられる図書カードということでしたがアメリカはそういう仕組みになっているんですね。子供に関しては親がちゃんと判断をして本人に責任を持たせる。ただ親が認めてくれないと子供が好きな本を読めないという不自由さもありそうですが。
Posted by: 東森時音 | 2008年03月19日 22:40
日時: : 2008年03月19日 22:40