『ペット・セメタリー2』(1992) PET SEMATARY II 101分 アメリカ
監督:メアリー・ランバート 製作:ラルフ・S・シングルトン 原作(?):スティーヴン・キング 脚本:リチャード・アウッテン 撮影:ラッセル・カーペンター 音楽:マーク・ガヴァナー
出演:エドワード・ファーロング、アンソニー・エドワーズ、クランシー・ブラウン、ダーラン・フリューゲル、ジャレッド・ラシュトン、リサ・ワルツ、サラ・トリガー、ジェイソン・マクガイア、ジム・ペック
これまでは製作年度順に紹介してきたが、この作品だけそのルールから外れているのは存在すら忘れていたってのは秘密だ。
キング映画ではよくあるように、この作品は1作目の2匹目のドジョウを狙って作られた物で、キングの原作とはまったく関係なく、映画オリジナルで製作された物。キングは限りなくノータッチ。こだわりがあるんだか無いんだかよく分からない人だ。自分が原作の作品のみうるさいのかとも思うが、原作映画化作品もなぁ・・・
日本では1992年11月に公開された。オレが観たのは11月23日。祝日である。
新宿は歌舞伎町の映画館に観に行ったのだが、200~300人ぐらいは収容できそうな映画館に人の数は少なく、最前列の方に女学生の数人連れがいたぐらいだと記憶している。きっとエドワード・ファーロング目当てなのだろう。
そして場内がまだ明るいうちに、場内へのドアを開けて意外な人物が入ってきた。
当時、歌舞伎町にはタイガーマスクおじさんという人物がいた。ランニングシャツ姿にタイガーマスクのゴムマスクを被り、ラジカセでテーマ曲を鳴らしながら新聞配達をするおじさんだ。歌舞伎町の映画館にはよく行ったので夕刊を配達しているところを何度か見かけたことがある。
入ってきたのはそのタイガーマスクおじさんだったのだ。もちろんマスクは被ったまま。映画館の窓口の人はさぞ驚いただろうと思ったが、考えてみれば歌舞伎町では有名人だし、案外映画ファンで常連なのかも知れない。こういう人が普通にうろうろしているところが歌舞伎町の非日常振りを示している。でも、さすがに銀行にはいるときはマスクを脱ぐんだろうな。
オレよりも数列前に座ったタイガーマスクおじさんはマスクを被ったままだった。そのまま映画を観るのか?観づらいだろうにと思ったが、場内の灯りがフェードアウトしていくとおじさんはマスクを脱いだ。素顔を観るチャンス!と思ったが、オレは席を立たなかった。世の中には謎のままにしておいた方が夢があることも多い。
若松孝二の『われに撃つ用意あり』(1990)という作品にはジャイアンツの帽子を被り、巨人のテーマ曲を流しながら新聞配達をする人物を石橋蓮司が演じていた。あれはタイガーマスクおじさんのパロディあるいはオマージュだろう。考えてみれば映画の舞台は歌舞伎町のスナック(ゴールデン街だったか?)。あれは必然の出来事だったのかも知れない。
肝心の『ペット・セメタリー2』の方は、前作では父親が幼い息子を甦らせたのに対して、息子が愛する母親を甦らせるストーリーになっていた。マザコン息子である。