『ゴールデンボーイ』(1998) APT PUPIL 112分 アメリカ
監督:ブライアン・シンガー 製作:ジェーン・ハムシャー、ドン・マーフィ、ブライアン・シンガー 原作:スティーヴン・キング 脚本:ブランドン・ボイス 撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル 音楽:ジョン・オットマン
出演:ブラッド・レンフロー、イアン・マッケラン、ブルース・デイヴィソン、イライアス・コティーズ、ジョー・モートン、デヴィッド・シュワイマー、ヘザー・マコーム、ジョシュア・ジャクソン、アン・ダウド
『ユージュアル・サスペクツ』(1995)で注目を集めたブライアン・シンガーが次に撮ったのがこの作品。
アメリカに住む成績優秀で運動も得意、しかも眉目秀麗な高校生が、バスの中で見かけた老人(イアン・マッケラン)が第二次大戦中に強制収容所で数多くのユダヤ人を殺害した元ナチス親衛隊員(SS)であることに気づき、ホロコーストへの興味からその老人に近づいていく。最初は老人を脅して当時の話を聞き出していたが、次第に老人の中に潜んでいた怪物が目覚めていく。
原題の『APT PUPIL』は優秀な生徒といった意味。頭の良い少年は老人からどんどん吸収し、ついには彼自身も怪物となってしまう。
イアン・マッケランは同じくブライアン・シンガー監督作の『X-MEN』に登場しているが、そちらでは強制収容所の中にいた人間。正反対だ。
心臓発作で担ぎ込まれた病院の病室で隣のベッドに寝ていた男が老人の正体に気づくシーンが印象に残る。必死になって病室を抜け出して誰かいないかと杖をつきながら廊下を進む。その杖を持つ左腕の内側には青い文字で数字が入れ墨されている。ユダヤ人が強制収容所でナチスに入れられた物だ。ここらへんのテンポが『ユージュアル・サスペクツ』のラストとほぼ同じ。
ラストが原作から大きく変更されていて、少年も怪物になったとはいえせいぜいスクールカウンセラーを脅迫するぐらいであまり大したことはしない。
もっともテキサス大学タワー乱射事件っぽい原作のラストを映像化するのは様々な理由で難しいか。
ちょっと物足りなく感じるようならば『原作』も是非。さらに破滅的で救いの欠片もない物語だ。