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『ザ・スタンド』 人類に明日はあるのか

4163193901.jpg『ザ・スタンド』(1994) THE STAND 360分 アメリカ

監督:ミック・ギャリス 製作総指揮:リチャード・P・ルビンスタイン、スティーヴン・キング 原作:スティーヴン・キング 脚本:スティーヴン・キング
出演:ゲイリー・シニーズ、モリー・リングウォルド、ロブ・ロウ、ルビー・ディー、ドリス・ロバーツ、ローラ・サン・ジャコモ、ジェイミー・シェリダン、マット・フルーワー、オシー・デイヴィス、ミゲル・ファーラー、ショウニー・スミス、キャシー・ベイツ、 エド・ハリス、スティーヴン・キング

 原作自体が辞書並みの厚さで上下巻ということもあってか、TV用映画として作られたこの作品はなんと360分もの長尺物となった。つまり6時間である。当然、テレビ放送時には何度かに分けて放送された物だが、これを2月21日の祝日を利用して一気に見た。何年か前にビデオレンタルで観たことがあり、中盤以降はあまり面白くなかったなという印象だったので、途中で停止してしまうとそのままになってしまう可能性がある。だから一気観だ。レンタル屋には字幕版しかなかったのでながら見もできない。

結論
・『ザ・スタンド』原作を読んでいない人は観るな。いまいちな印象が残って、せっかくの原作を読まないままになってしまってはもったいない。

・『ザ・スタンド』原作を読んだ人は観るな。あれだけの大作で、しかも読み応えのある作品だ。せっかっくの感想を映像版でほにゃららにしてしまってはもったいない。

 細菌兵器研究所から細菌兵器が漏れ出し、それが広まっていく序盤は面白い。
 インフルエンザに似た症状を発症して、数日で死んでしまうこの病気には「スーパーフルー」や「キャプテン・トリップス」という名前が付けられ、民間人は軍用細菌兵器であることなど知らず、今年の風邪は症状が重いなと寝込んでいる内に死んでしまう。
 小松左京の『復活の日』にも少し似た感じでスーパーフルーが世界を(といっても登場するのはアメリカだけだが)滅ぼしていく様は怖ろしい。特に自暴自棄になった人々の行動は迫真の怖さだ。
 そんなスーパーフルーに免疫力を持つ人がわずかながらにいて、黒人老婆の夢を見る者と、悪魔的雰囲気を持つ男を夢に見る者に分けられた。そして神の声を聴く黒人老婆の元へと集まったフリーゾーンのグループと、男の元に集まったラスベガスのグループの二つの派閥が出来た。
 神の側と悪魔の側はついに決戦の時を迎えるのである。

 主人公を演ずるゲイリー・シニーズやヒロインのモリー・リングウォルド(うわっ、懐かしぃ)など劇場用映画でも活躍できる人たちだから見応えはある。しゃべるとバカっぽいロブ・ロウを聾唖者役に配役することで言葉を奪ってしまったキャスティングも良い。
 ラジオのDJを演ずるキャシー・ベイツや軍の高官を演ずるエド・ハリスはゲスト出演だ。それぞれに一つのセットだけでの出演で登場時間も短い。撮影は一日以内で終わっただろう。
 製作、脚本にもキング自身が関わっているのだから、映画に出ないはずがない。フリーゾーン側の住人として登場。割と出番も長目。

 終盤の悪魔側の男が正体を現したら本当に悪魔なので笑ってしまう。
 顔が人間のそれから悪魔へとモーフィングで変わるが、監督のミック・ギャレスは同様のSFXをキング原作『スリープウォーカーズ』(1992)でもやってたな。

 最後には人類に希望を残して物語は終わる。
 徹底的にダメだという気はないが、6時間の長さの意味がない。内容的には4時間ぐらいの印象しか受けなかったが、だったら4時間でやればいい。演出側が6時間という長さを持てあましてしまっているのが最大の弱点だ。

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