『トミーノッカーズ』(1993) THE TOMMYKNOCKERS 177分(120分) アメリカ
監督:ジョン・パワー 製作:ジェイン・ビーバー、ジェーン・スコット 製作総指揮:フランク・コニグスバーグ、ラリー・サニツキー 原作:スティーヴン・キング 脚本:ローレンス・D・コーエン 撮影:ダニー・バーストール、デヴィッド・エグビー 音楽:クリストファー・フランケ
出演:ジミー・スミッツ、マージ・ヘルゲンバーガー、ジョン・アシュトン、アリス・ビーズレー、ロバート・キャラダイン、ジョアンナ・キャシディ、アニー・コーレイ、クリフ・デ・ヤング、トレイシー・ローズ、E・G・マーシャル、ビル・ジョンソン
原作を読んだときに、これは『ドリームキャッチャー』でもそうだったんだが、「キングはSF好きなんだろうけど、SFは書けない人だな」というのがオレの印象だった。『トミーノッカーズ』もSFで進んでいくんだけど、最後の1/8ぐらいからいつものキング節が冴え渡る。
これは劇場用映画ではなくテレビ用映画なので予算も少ないせいかキャスティングも大物はいない。『ビバリーヒルズ・コップ1、2』で生真面目で小太りな中年警官をやっていたジョン・アシュトンとジョン・キャラダインの息子のロバート・キャラダイン。
そしてこれが一番有名な人かもしれない。元ポルノ女優のトレーシー・ローズ。男をたらし込む女性郵便局長役でさすがに色っぽいわ。
主役のジミー・スミッツは明らかにミスキャスト。あれだ、『スターウォーズ エピソード3』でレイアを引き取った人だ。アルコール依存症に悩むすっかり作品が書けなくなってしまった作家役なのだが、ロス市警の刑事だといったほうが似合う体格とゴツイ顔つき。しかも意外と明るくてポジティブであちこち走り回りやがる。そんなアル中いるか?
DVD化はされておらずレンタルビデオのみだが、本放送は177分だったのに対しビデオは120分なので1時間近くカットされている。おそらくは人間関係の部分を中心に削られたのではないかと思う。
物語はアメリカの田舎町。なんか毎回田舎町って書いてる気がするがそうなんだからしかたない。そこに住む女性作家が森を散策中に空き缶に蹴躓く。よくよく見るとそれは空き缶ではなく、より大きい金属の一部が地表に現れているだけだった。
翌日から作家はシャベルを担ぐと昼間は穴掘り、夜は突然閃いて作り上げたテレパシータイプライターで眠りながら小説を書くという生活を続ける。
おじいちゃんから「あそこはミクマク族曰く呪われた森だ」と呼ばれる西の森に遊びに行った子供は緑の光を目撃し、そして“トミーノッカーズ”からテレパシーで新しい手品の仕掛けを教えてもらうと物を消したり出したりできる装置を作り上げる。トマトやラジオを消している内は良かったが弟を消すと今度は戻ってこずに消えたままになってしまう。
町の人々の行動は次第に奇妙になっていくが、とどめとなったのは独立記念日の花火だった。色鮮やかな花火がいつしか緑一色となり、人々は魂を奪われたかのようにそれに見入った。
そして翌日から、町の人間が総出で森に物体を堀に行った。次第に全体が明らかになってくる物体の正体はピラミッドなのか、はたまた地球に落下した宇宙船なのか。
緑の光を見た日から人々が声ではなくテレパシーで会話をし始めたり、何もしていないのに歯が抜けたり、肌がゆるんでくるなど共通した変化が現れる。この辺りは新しい段階への進化、あるいは人種改良という感じでSFっぽい。
そんな中、なぜだが主人公のアル中作家など数人は影響を受けない。原作にはその理由が書いてあった気もするのでそのうち確認してみよう。ってか、本棚に行って取り出して読めば良いんだが、この映画を観た後でそんなエネルギーは残ってない。
その森を呪われた森と呼んだミクマク族は、『ペット・セメタリー』でも名前の出てきたネイティブアメリカン。間違えて“ミグミグ族”と書いてしまいアップする前にギリギリで気がついたが、それは『魔法陣グルグル』