« 『バーチャル・ウォーズ』 世界中で一斉に電話のベルを鳴らしてやる | メイン | 『ニードフル・シングス』 悪魔の吐く誘惑は甘い »

『スリープウォーカーズ』 猫まっしぐら

B000BVVFLG.jpg『スリープウォーカーズ』(1992) SLEEPWALKERS 89分 アメリカ

監督:ミック・ギャリス 製作:マーク・ヴィクター、マイケル・グレイス、ナビール・ザヒド 製作総指揮:ディミトリ・ロゴセティス、ジョセフ・メダウォー 脚本:スティーヴン・キング 撮影:ロドニー・チャーターズ 音楽:ニコラス・パイク
出演:ブライアン・クラウズ、メッチェン・エイミック、アリス・クリーグ、ジム・ヘイン、シンディ・ピケット、ロン・パールマン、ライマン・ウォード、ジョン・ランディス、ジョー・ダンテ、クライヴ・バーカー、トビー・フーパー、スティーヴン・キング、マーク・ハミル

 原作小説はなく、キングが映画専用に書き下ろした脚本によって製作された。
 前年のテレビ映画『ゴールデンイヤーズ』もキング脚本だったが、あれだけ次から次へと小説を発表していながらよくもまぁ時間があるもんだ。書くのが好きで好きでしょうがないんだろうな。「作家はつねに書く」っていうし。

 スリープウォーカーズとは人間と猫との間に生まれた亜人間種族。人間の精気を吸い取ることで生きている。吸血鬼ならぬ吸精鬼だ。先祖に猫がいるのに弱点が猫というイマイチ訳の分からない設定だ。拳銃で撃たれようがワインのコルク抜きで目をえぐられようがさほど堪えていないのに、猫に飛びかかられて引っかかれると致命傷になってしまう。それも霊的に選抜された特別な猫でもなんでもないそこらの猫。

 舞台は例によって田舎町。そこに引っ越してきた親子の正体がスリープウォーカーズである。息子は高校に通って母のために優れた精気を持った少女を捜す。そして見つけた少女に彼は引かれてしまうのだが、そこは母のために精気を吸わなければならない。
 好青年を演じて少女の親も信用させ、人気のない墓地へとピクニックに誘い出し隙を見て襲いかかる。ところがこれまで純情派だった少女が強い強い。格闘技を繰り出すわけではないが、1眼レフカメラで殴る、ワインのコルク抜きを目に突き立てる。そしてほっぺたをひっかく。人猫状態に変身していた青年もたじたじだ。
 すったもんだの末、親子の家に少女を拉致してくるが、その頃には町中から猫が集まって猫じゅう庭だらけ、もとい庭じゅう猫だらけ。夜の町を何十匹もの猫が失踪するシーンはちょっと見物。
 そしてモンスター対猫の戦いが始まった。保安官を始めとする人間はまるで役に立ってないぞ。

 猫が寝ている人の口から精気を吸い取るというのは同じスティーヴン・キング原作・脚本の『キャッツアイ』(1985)でも言い伝えとして登場していたが、実際にある言い伝えなんだろうか。確かに猫は魔女の使い魔だったりしてどちらかというと魔界側のイメージがある。
 しかしそれよりも、実際に猫を飼ったことのある人なら分かるだろうが、あいつらは明け方になると胸の上に乗って顔面を肉球で猫ムニムニしてくる。そのせいで早く目が覚めて睡眠不足で疲れるから、精気を吸い取られたと勘違いしたのでは?

 町から町へと渡り歩いては良質な精気を持つ親子に哀れさを感じないこともないが、近親相姦的雰囲気が感情移入を拒む。母と息子で完結した関係なのだ。

 監督のミック・ギャリスはその後何本かキング映画を手がけ、御用達監督となる。
 スティーヴン・キングは墓地の管理人役で登場。ジョン・ランディスとジョー・ダンテが写真印刷技師をして登場。ホラー作家クライブ・バーカーと『悪魔のいけにえ』のトビー・フーパーも出演しているので、探してみるのも一興だろう。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.jion-net.com/mt/mt-tb.cgi/4684

コメントを投稿 携帯電話からは投稿出来ません