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『IT/イット』 少年時代の約束を果たすために彼らは再び集まる

B000FQW0AC.jpg『IT/イット』(1990) IT 188分 アメリカ

監督:トミー・リー・ウォーレス 製作:マシュー・オコナー 原作:スティーヴン・キング 脚本:ローレンス・D・コーエン、トミー・リー・ウォーレス 撮影:リチャード・レイターマン 音楽:リチャード・ベリス
出演:リチャード・トーマス、アネット・オトゥール、ジョン・リッター、デニス・クリストファー、ハリー・アンダーソン、ティム・カリー、オリヴィア・ハッセー、リチャード・メイサー、ティム・リード、ジョナサン・ブランディス、ブランドン・クレイン、アダム・ファライズル、セス・グリーン、ベン・ヘラー、エミリー・パーキンス、マーロン・テイラー、メリリン・ガン

 188分と長い作品だ。劇場用映画ではなく上下2話に分かれたテレビ用映画である。その長さでも原作の大筋をなぞっただけで終わり。原作の『IT』はこりゃもう長い。
 大学卒業後に1ヶ月ほどフリーな時期があったので、原作の『IT』を買ってきた。ハードカバーで分厚い上に、文字がびっしりと詰まっている。毎日毎日朝から夕方まで読む日を続け、1週間がかりでようやく読み終えた。いや、1週間というのはさすがに記憶が大げさに誇張されているのだろう。実際は6日間ぐらいだったに違いない。って、ほとんど変わんねーよそれ。
 とにかく面白くてその日のどこで打ち切るかが大変だった。

 30年前、メイン州の呪われた町デリーでは子供たちが次々と消え去る事件が発生していた。その犯人はピエロの格好をしたペニーワイズというモンスターであると気づいた7人の子供たちがいた。それぞれに吃音(どもり)、喘息、肥満、近眼、黒人、ユダヤ人、父親から虐待されている女の子といった具合に、弱点やコンプレックスを抱えた子供たちだった。
 町の下水道に潜り、そこで出会ったペニーワイズこと「それ」(IT)にパチンコで銀の弾をぶつけてペニーワイズは傷を負って下水の奥へと逃げ去る。
 7人は誓いを立てた。「もしもまたITが戻ってきたら、デリーに戻ってみんなで集まろう」と。
 そして現在、またデリーで子供が相次いで行方不明になる事件が発生していた。ただ一人デリーに残った黒人のマイクは、町を出て行ってそれぞれに成功しているかつての友人たちに電話をかける。
「またITが現れた」と。

 前半は少年時代に彼らが出会い結束を深めていく様子に、30年後の成功した彼らにマイクから電話がかかってきてデリーへと旅立つシーンがインサートされる形で、構成として面白いし成功もしている。
 少年時代の彼らは『スタンド・バイ・ミー』に似ている部分がある。主人公的存在が物語を作るのが好きな作家志望の少年で、現在では実際にホラー小説家として成功しており、キング自身の姿を投影してもいるのだろう。
 それぞれにコンプレックスを抱えており、不良などからいじめられてもいるのだが、そんな彼らが友達になっていき、ついには不良を追い返すことも出来るようになる。7人揃ってラッキー7だ。
 そんな彼らにITは恐怖を感じたのか、彼らを怯えさせるべく脅しをかけてくる。
 洗面台の排水口から血があふれ出し、しかもそれは彼らにしか見えない。
 学校の地下室で狼男と出会う。
 そして学校のシャワー室で一人シャワーを浴びていると、いくつもあるシャワーのノズルがどんどん伸びてきて襲いかかる、などなど。
 個人的に好きなのは、ラッキー7が古い写真を見ていると、その写真の映像が動き出し、奥の方からペニーワイズが近づいてきて彼らを脅すシーン。

 後半は彼らがデリーに帰ってきてITと再び対決するまでが描かれる。
 ITのことを忘れかけていたり、恐怖でデリーから帰ってしまおうとする彼らを、ITが様々な手で脅す。
 ペニーワイズはITの手足的存在で実体を持たず様々なところに現れる。ITを倒すにはその本体を殺さなければならない。再び結束した彼らは下水道のもっとも奥へと進み、そこでモンスターITと対決する。
 このITが唐突かつ出所不明な巨大なカニ+エビもどき。なんでデリーにいたのか、何者なのかという問いには、キングの他作品同様に明確な答えはない。あえていうならばデリーが呪われた町だからだろう。

 主人公の少年時代を演じたジョナサン・ブランディスは後に自殺してしまった。美少年で、成長したらさぞ美形俳優になっただろうが残念なことである。
 眼鏡をかけ冗談が得意な少年リッチーを演じていたのは、子役時代のセス・グリーン。劇中何度かメガネを外すシーンがあるので素顔を確認できるが、なるほど確かにセス・グリーン。

 NHKの衛星放送では2カ国語で放送されたが、DVDは英語音声のみ。権利問題などがあるのだろうが、せっかく日本語吹き替え音声があるのだから、ぜひとも収録してもらいたいところ。

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コメント (3)

にゃんまげ:

初めまして。
この作品ですが、実はVHS版では日本語吹替版が存在してました。当時は、そんなに珍しくもなく、ごく普通にレンタル屋で見かけたものです。

どうして、こういう事になったんでしょうね(ブツブツ)。

同じようなパターン(ビデオ版では吹替版があったのに、DVD版には日本語吹替音声が収録されない作品)では、

・ マチネー 土曜の午後はキッスで始まる
・ ドライビング・ミス・デイジー
・ ヨーロッパ・ヨーロッパ 僕を愛した二つの祖国
・ リチャード三世

まだ他にもあったかも。「誘う女」という作品も、今年の夏くらいまでは、該当パターンでした。

他、記憶違い(思い違い)かもしれませんが、「太陽の帝国」「エビータ」も吹替版ビデオがあった様な無かった様な・・・・。

Anonymous:

あ、重要なパターン該当作品を忘れてました。

「JFK」もそうです。

東森時音:

にゃんまげさん

スティーヴン・キングの『ランゴリアーズ』は未DVD化作品ですが、レンタルビデオの吹替版はNHKBSで放映されたものと同じ物でした。『IT』もNHK音源なんでしょうね。
昔は字幕派でしたが、最近は集中力も落ちてきたのですっかり吹替派になってしまった私です。大体は日本語音声、英語字幕で観ています。
『IT』のような、やたらと長い作品には日本語吹替を収録してもらいたい物です。
無いならともかく、存在しているので、やはり権利問題なんでしょう。
原語の方が雰囲気があるのであまり気にしませんが、『山猫は眠らない』もビデオには吹替版があるのにDVDはオリジナル音声のみでした。ちと残念。

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