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『バトルランナー』 捏造テレビにみんなが夢中

B00005G0J6.jpg『バトルランナー』(1987) THE RUNNING MAN 101分 アメリカ

監督:ポール・マイケル・グレイザー 製作:ティム・ジンネマン、ジョージ・リンダー、ロブ・コーエン 原作:スティーヴン・キング(リチャード・バックマン名義) 脚本:スティーヴン・E・デ・スーザ 撮影:トーマス・デル・ルース、レイナルド・ヴィラロボス 音楽:ハロルド・フォルターメイヤー
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、マリア・コンチータ・アロンゾ、ヤフェット・コットー、リチャード・ドーソン、ジム・ブラウン、ジェシー・ヴェンチュラ、アーランド・ヴァン・リドス、マーヴィン・J・マッキンタイア、プロフェッサー・トオル・タナカ、バーナード・ガス・レスウィッシュ、ミック・フリートウッド、カレン・リー・ホプキンス、スヴェン・トールセン、エディ・バンカー

 近未来のアメリカ。そこは政府と軍隊によって厳しく抑圧された管理社会であっった。そしてテレビによって情報管理され、市民はテレビが垂れ流す嘘八百の内容を信じ操られていた。
 ニュースは政府の都合の良いようにねじ曲げられ真実は報道されず、人々は従順な子羊のように従うだけだった。
 一部の者が反政府地下組織を作り抵抗していたが、力不足で政府を転覆するどころかテレビネットワークの中継基地の在処さえ分からない有様だった。
 テレビ番組の中でももっとも人気のある番組が、犯罪者ランナーとなってハンターと戦い勝ち残ったらその罪を許されるという『ランニング・マン』だった。
 主人公のベン・リチャーズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)は警察のヘリ搭乗員だったが、無実の市民を大量虐殺せよとの命令に逆らって犯罪者となり、大量殺人犯の汚名を着せられ『ランニング・マン』に出場することとなった。
 決死の戦いを続けながらハンターを倒していき、そしてフィールド内にあった中継基地を発見する。これを利用して真実を民衆に知らしめることができるのか。

 監督のポール・マイケル・グレイザーはどこかで聞いた名だと思ったら、『刑事スタスキー&ハッチ』のスタさんだった。スタさんだということで甘めに点を付けても演出の凡庸さはどうしようもない。
 アイススケート男やチェーンソー男、火炎放射器男などの「ふざけとんのか」的なハンターが次々と襲いかかってくるが、全盛期のシュワルツェネッガーを前にしては物の数ではない。なんてったってプレデター相手に素手で勝った男だぜ。

 ゲームで勝利したランナーは恩赦を受けて無罪となりハワイで安穏と暮らせるということになっていたが、過去に勝利したランナーは地下の部屋でミイラになって見つかる。勝っても自由になどなれないのだ。
 そしてゲームが進む内にハンターではなくベンに感情移入をする人が出始め、貧民街の闇ギャンブルでもベンに賭ける人が続出する。
 焦ったテレビ局側は全てを嘘で塗り固めようとするが・・・

 大衆がテレビに熱中し、それに洗脳されてしまう。フラストレーションを暴力的なゲーム番組で解消するというのはこれまでになかったパターンだ。
 ハンターが殺した別の男をCGでベンの顔に入れかえた捏造映像で番組を終わらせようとするが、スタジオにベンや地下反抗組織の連中が乗り込んでくる。
 追い詰められた番組の司会者は言う。
「たかがテレビ番組じゃないか。視聴率がすべての世界だ。この半世紀、大衆はテレビに従い、食べ、飲み、暮らしてきた。アメリカ人はテレビの好きな国民なんだよ。我々はそれを与えてやってる。それでトップ番組になった」

 テレビは娯楽と報道のトップで、そこに映し出される映像はすべて真実。その映像を利用して人々の食や流行などを作り操ってきた。視聴率こそすべて、そのためならば捏造なんか当たり前だ。CGでの顔の差し替え、不正確な字幕、いい加減な吹替、手抜きの実験データ、結果の捏造。納豆?どうせみんなすぐに忘れるさ。どれもこれも視聴率のためならば当たり前だ。

 近未来のアメリカ人はテレビの嘘に気づいた。さぁ、我々はどうする?

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コメント (2)

ネスカフェ:

バカバカしいノリは割りと好きなんですが、やはり、ゲリラが攻めおとすよりも、ベンとキャプテン・フリーダムの対決して、局がベンを殺害しようとするあたりまで発展させたほうが効果的ではなかったと思います。

ところで、時音さんはこんなテレビ業界に対して視聴者はどうすべきだと思いますか。時音さんはそれほど民放を見ておられないようですが、ご意見を是非お願いします。

東森時音:

ネスカフェさん

悪の親玉がテレビの司会者で終わってしまったのが残念ですね。ネスカフェさんの言われるようにキャプテン・フリーダムと本気で戦わせて欲しかったです。テレビ業界の裏にいる政治家などの巨悪にまで挑むとちょっとやりすぎでしょうか?

テレビはwowowとスカパー!の映画チャンネルをいくつか見ているだけで、地上波はまったく見てない状況です。
テレビに関しては、ドラマは作り物だと視聴者のほとんどは分かっているでしょうから、問題は情報番組とニュースでしょう。
健康番組の実験もその様子がちょっと映し出されるだけで、後は結果をデータとして表示されるとそれを信じるしかないわけですが、こんなもの実験の様子のVTRを編集したり、表示するデータだっていくらでも改竄することが出来る。
番組作りを監視する第三者機関でもない限り、民放だろうがNHKだろうがその情報を鵜呑みにすることはできません。
ニュースにしたって、逮捕された犯人が護送されるシーンなんかがよく映し出されますが、あれもなるべく悪人面をしているカットを選んで使ったりしてるんでしょう。使う映像や言葉回しでいくらでも情報操作できてしまう気がします。

ありきたりな結論ですがテレビを頭っから信用するなってことでしょうか。
新聞だって鵜呑みにしちゃダメです。他にも本を読むとか辞典やネットなどを使って自分で調べたりして、多方面からの物の見方や情報への視点を持つべきでしょう。
とはいえ、実際それだけの時間的余裕があるかというとこれまた難しい。新聞だって隅から隅まで読んでいたら1時間は余裕でかかる。テレビは録画して飛ばし見するのでなければ1時間番組は当然1時間かかる。

先ほど言った監視機関を作ったとしてもどうせ天下りの行き先に使われるだけでしょうし、報道の自由を侵害しかねません。
眉に唾付けて疑ってかかるぐらいでいいのかもしれません。そんな目新しくて費用もかからずに効果の出る素晴らしい情報なんてそうそうありませんって。

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