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『キャッツ・アイ』 その猫は見ていた

B000FCUY18.jpg『キャッツ・アイ』(1985) CAT'S EYE 90分 アメリカ

監督:ルイス・ティーグ 製作:マーサ・J・シューマカー、ディノ・デ・ラウレンティス 共同製作:ミルトン・サボツキー 原作:スティーヴン・キング 脚本:スティーヴン・キング 撮影:ジャック・カーディフ 音楽:アラン・シルヴェストリ
出演:ジェームズ・ウッズ、ドリュー・バリモア、アラン・キング、ケネス・マクミラン、ロバート・ヘイズ、キャンディ・クラーク、ジェームズ・ノートン

 スティーヴン・キング原作・脚本による3本のエピソードから成るオムニバス映画。一匹の猫が目撃する奇妙で怖ろしい物語だ。ジャケットの写真だと猫が襲ってくる映画に思えるが、猫は目撃者かつ物言わぬ語り手である。
 猫は登場するなり泥まみれのセントバーナードに追われる。犬の名はやはりクジョーだろうか。そして赤いプリマスに轢かれそうになる。こちらはもちろんクリスティーン。自分で脚本を書いているだけにやり放題だ。

 1本目は禁煙を成功させる会社と契約した男(ジェームズ・ウッズ)が味わう恐怖の物語。その会社はどこからか主人公を監視していて、もしもタバコを一本でも吸おうものなら、家族に電気ショックなどの危害を加えるというのだ。
 最初は家族のためなら止められるさと考えているが、ヘビースモーカーだっただけについついタバコに手が伸びてしまう。そんな彼を止まらせるのは、夜の内に床に付いていた謎の足跡や、家の前を革靴でジョギングする怪しげな男など。
 タバコ吸いたさのあまりパーティの席上で見る幻覚まで見る始末。
 オレはタバコを吸わないので禁煙しようと思っても失敗してしまうというつらさは分からないんだが、やはり難しいそうだ。
 去年のタバコが値上げされたときも、「値段が上がったら禁煙するよ」と言っていた人が相変わらずまだ吸っている。
 最後はダイエットを成功させる話へとつながる。こちらはよく分かる。
 主人公が禁煙のイライラをテレビで放映していた映画に当たり散らす。その映画は『デッドゾーン』だ。「脚本が悪い」とか言ってるが、これはキングの本音か?
 ゾッとするオチも決まっている。

 2本目は大富豪の若い奥さんと浮気したテニスプレーヤーが高層ビルの最上階の外壁を一周させられる話。主人公のテニスプレーヤーは『フライングハイ』シリーズのロバート・ヘイズだ。
 巣を作っている鳩や突風など普段ならどうってことない物が難関となって襲いかかる。
 本当に、ただビルの外壁を一周するだけの話なのだが、これがハラハラドキドキの緊張感に溢れたエピソード。大富豪の憎らしさもいい。

 ここまでは超自然現象(スーパーナチュラル)なしで来たが、3本目はSFXを駆使したダークファンタジーになる。
 旅を続けて様々な事件を目撃した猫が、ある女の子(ドリュー・バリモア)に拾われる。だがその子は小鬼(ゴブリン?)に狙われていて、夜になる毎に口から精気を吸われている。
 母親は猫が娘に悪さをしていると思いこみ、保健所に連れて行ってしまう。このままでは自分も薬殺され、女の子の身も危ない。がんばれ猫!
 でもって、母親がベッドで読んでいる本は『ペット・セメタリー』のハードカバーだったりする。あまり夫婦のダブルベッドで、それも就寝前に読む本じゃない気もするが。

 小鬼の大きさはせいぜい30センチぐらい。主にモンスタースーツ(着ぐるみ)で演じられている。もちろん身長30センチの人はいないので、代わりにスケールアップした巨大なセットを作っての撮影だ。小柄な160センチぐらいの人が演じるとすると、実物の5倍ちょっと大きくしたセットを作ればいい。
 セット撮影と女の子や猫の実写映像との合成も上手くて、小鬼がまるで本当にいるみたいだ。

 全編、特に3本目のエピソードでは猫の出番も多い。この猫がちゃんと芝居をしているのがすごい。犬に比べると猫に芸を仕込むのは難しそうだ。

 スケールの大きな話はないが、しっかりしたエピソードが順番よくまとまっていて日本未公開だったのが不思議だ。

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